劇団ワンツーワークス
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劇団ワンツーワークス(げきだんワンツーワークス、英: OneTwo-WORKS)は、日本の劇団。主宰は劇作家・演出家の古城十忍。
自殺、原発、少年犯罪、不妊治療、在日差別、復讐の連鎖など、さまざまな社会問題をジャーナリスティックな視点から描いた作品を数多く発表。
実際のインタビューに基づいた「ドキュメンタリー・シアター」(後述)の上演も精力的に行っている。
演劇指導やムーブメント(後述)などの公開ワークショップを定期的に開催している。
来歴
劇団
劇団員
- 奥村洋治
- 1986年の劇団一跡二跳の旗揚げより全60作品すべてに参加。解散後ワンツーワークスの旗揚げに参加。
- 関谷美香子
- 劇団一跡二跳時代より、1999年の入団後、全作品に参加。外部舞台出演多数。
- 山下夕佳
- 劇団一跡二跳時代、2000年入団。外部舞台出演多数。
- 日暮一成
- 劇団一跡二跳時代、2007年入団。解散後ワンツーワークスの旗揚げに参加。
- 安田惣一
- ワンツーワークス旗揚げ公演より参加。2012年に一時退団するも『#15 誰も見たことのない場所』より再入団。
- 増田和
- 劇団一跡二跳時代、2003年入団。解散後ワンツーワークスの旗揚げに参加。
- 加島博美
- 劇団一跡二跳時代、旗揚げより参加。
- 原田佳世子
- 2012年、ワンツーワークス入団。
- 小山広寿
- 2014年、ワンツーワークス入団。『#15 誰も見たことのない場所』で初出演。
アソシエイトアクターズ
※古城作品を支える俳優陣
- 藤敏也
- 藤村忠生
- 武田竹美
- 長田典之
- 瀬山英里子
ドキュメンタリー・シアター
ワンツーワークスの特色の一つ。 ドキュメンタリー・シアターとは、事実に基づいて人々の証言から事件や事故を再構築していくというジャンルの演劇。
『#15 誰も見たことのない場所』のパンフレットには、全ての台詞がインタビューによるもので、作家がフィクションとして書いた言葉はひとつもないと書かれている。
強いメッセージを演じ方によってライトに見せる手法は特徴的である。
ムーブメント
ワンツーワークスのお家芸とも言える、ダンスやパントマイムとも似た独特のパフォーマンス。
一二の会
「一二の会」とは劇団外からワンツーワークスの制作・上演をサポートする、有志による構成会。劇団ホームページで募集している。
メンバーは「エンジェル」と呼ばれる。
- 「ピュア・エンジェル」ボランティア的な協力
- 「スマート・エンジェル」資金面で応援
上演作品
| 年 | # | タイトル | 上演時期 | 会場 | 備考・出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2010年 | #1 | 死ぬのは私ではない | 4月21日 - 29日 | 劇場HOPE | ワンツーワークス旗揚げ公演 |
| – | 眠れる森の死体 | 7月15日 - 19日 | テアトルBONBON | 次代を担う演劇人育成公演 | |
| #2 | ドキュメンタリーシアター 誰も見たことのない場所 |
7月31日 | 宇都宮パルティホール | ||
| 8月29日 | 宮崎市民文化ホール | ||||
| 9月4・5日 | 座・高円寺2 | ||||
| 2011年 | #3 | 蠅の王 | 1月7日 - 12日 | 吉祥寺シアター | [2] |
| #4 | 又聞きの思い出 | 5月19日 - 29日 | ザ・ポケット | ||
| #5 | 死に顔ピース | 11月17日 - 23日 | [3] | ||
| 2012年 | #6 | ジレンマジレンマ | 3月3日 - 11日 | ||
| #7 | みんな豚になる-あるいは蝿の王- | 7月20日 - 26日 | 吉祥寺シアター | ||
| #8 | 産まれた理由 | 11月8日 - 14日 | 赤坂RED/THEATER | [4] | |
| 2013年 | #9 | 奇妙旅行 | 2月28日 - 3月1日 | テアトルBONBON | |
| #10 | 恐怖が始まる | 5月24日 - 6月4日 | 劇場HOPE | [5] | |
| – | 虚人の世界 | 7月19日 - 7月28日 | 劇場MOMO | 「平成25年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」 日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演《劇作家部門》 | |
| #11 | ドキュメンタリーシアター 息をひそめて |
11月11日 - 11月17日 | 赤坂RED/THEATER | ※ジャパンタイムズでインタビュー記事が掲載された[6]。 | |
| 2014年 | #12 | 流れゆく庭‐あるいは方舟‐ | 3月6日 - 3月12日 | ||
| #13 | 毒舌と正義 | 6月6日 - 6月12日 | |||
| #14 | 海のてっぺん | 11月20日 - 11月30日 | 吉祥寺シアター | ||
| 2015年 | #15 | ドキュメンタリーシアター 誰も見たことのない場所2015 |
3月13日 - 3月19日 | 赤坂RED/THEATER | |
| #16 | イチエフ(1F)・プレイズ | 7月17日 - 7月26日 | ザ・ポケット | 『ジレンマ・ジレンマ』『恐怖が始まる』2作品同時期上演 | |
| #17 | ビーイング・アライブ | 12月11日 - 12月20日 | 赤坂RED/THEATER | ||
| 2016年 | #18 | 死に顔ピース | 3月18日 - 27日 | ||
| #19 | パラサイト・パラダイス | 6月23日 - 7月3日 | ザ・ポケット | ||
| #20 | 遠い国から来た良き日 | 10月14日 - 23日 | 赤坂RED/THEATER | ||
| 2017年 | #21 | 怒りの旅団 -アングリー・ブリゲード- | 3月16日 - 26日 | [7] | |
| #22 | アジアン・エイリアン | 6月22日 - 7月2日 | 前身である劇団一跡二挑から17年ぶりの再演[8][9] | ||
| #23 | 消滅寸前(あるいは逃げ出すネズミ) | 10月20日 - 29日 | ザ・ポケット | [10] | |
| 2018年 | #24 | PIGHEAD 蠅の王 | 3月1日 - 11日 | 赤坂RED/THEATER | [11] |
| #25 | 私は世界 | 7月20日 - 29日 | [12][13][14] | ||
| #26 | 善悪の彼岸 | 11月22日 - 12月2日 | ザ・ポケット | [15][16] | |
| 2019年 | #27 | 鯨を捕る | 3月14日 - 24日 | 赤坂RED/THEATER | [17] |
| #28 | 男女逆転マクベス | 6月20日 - 30日 | [18] | ||
| #29 | 死に顔ピース | 10月24日 - 11月3日 | ザ・ポケット | [19] | |
| 2020年 | #30 | グロリア | 2月27日 - 3月8日 | 赤坂RED/THEATER | [20] |
| #31 | 忖度裁判 | 10月31日 - 11月8日 | シアターΧ | [21] | |
| 2021年 | #32 | ジレンマジレンマ | 3月4日 - 14日 | 赤坂RED/THEATER | [22] |
| #33 | ドキュメンタリー・シアター 29万の雫ーウイルスと闘うー |
7月15日 - 25日 | [23][24] | ||
| #34 | 恐怖が始まる | 12月9日 - 19日 | テアトルBONBON | [25] | |
| 2022年 | #35 | 民衆が敵 | 5月5日 - 15日 | ザ・ポケット | [26][27] |
| #36 | 消滅寸前(あるいは逃げ出すネズミ) | 10月6日 - 16日 | 赤坂RED/THEATER | [28] | |
| 2023年 | #37 | アプロプリエイト-ラファイエット家の父の残像- | 2月16日 - 26日 | [29] | |
| #38 | R.P.G. ロール・プレーイング・ゲーム | 6月9日 - 18日 | [30] | ||
| 6月23日 | 広島市東区民文化センター ホール | ||||
| 6月25日 | 宇土市民会館 大ホール | ||||
| 6月27日 | チトセピアホール | ||||
| 6月30日 | 福岡市立西市民センター ホール | ||||
| 7月2日 | メディキット県民文化センター 演劇ホール | ||||
| 7月5日 | 小林市文化会館 大ホール | ||||
| 7月8日 | 米子市文化ホール メインホール | ||||
| #39 | アメリカの怒れる父 | 10月26日 - 11月5日 | 駅前劇場 | [31] | |
| 2024年 | #40 | 神[GOTT] | 7月19日 - 28日 | [32][33] | |
| #41 | 線引き~死者に囲まれる夜~ | 11月14日 - 21日 | 赤坂RED/THEATER | [34] |
脚注
出典
- ^ 「旗揚げ公演はずばり死刑制度がテーマ 劇作家の古城十忍さんが新劇団」『47NEWS』全国新聞ネット、2010年4月29日。2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「蠅の王」EPAD。2025年10月14日閲覧。
- ^ 「死に顔ピース」EPAD。2025年10月14日閲覧。
- ^ 「産まれた理由」EPAD。2025年10月14日閲覧。
- ^ 「恐怖が始まる」EPAD。2025年10月14日閲覧。
- ^ “Voices of Syria’s war set to haunt Tokyo stage” (英語). ジャパンタイムズ. (2013年10月30日) 2015年5月13日閲覧。
- ^ 「テロリストと刑事を1人2役で、ワンツーワークス「『怒りの旅団』」日本初演」ナターシャ、2017年3月11日。
- ^ 「約1トンの本水!ワンツーワークス『アジアン・エイリアン』17年ぶり再演」ナターシャ、2017年3月2日。
- ^ 池永英介、山中雄輔「「あなたはいったい誰…?」。小劇場で本水1トンを使い描く衝撃作『アジアン・エイリアン』に客演する池永英介と山中雄輔が対談」『SPICE』(インタビュー)(インタビュアー:田窪桜子)、イープラス、2017年6月15日。
- ^ 古城十忍「劇作・演出家の古城十忍に聞く─劇団ワンツーワークス公演『消滅寸前(あるいは逃げ出すネズミ)』」『SPICE』(インタビュー)(インタビュアー:野中広樹)、イープラス、2017年10月23日。
- ^ 「人はなぜ対立するのか、ワンツーワークス「『PIGHEAD 蠅の王』」」ナターシャ、2017年12月11日。
- ^ 「ワンツーワークス『私は世界』に阿部丈二、池田努、砂原健佑、今本洋子ら」ナターシャ、2018年5月2日。
- ^ 「私は世界」EPAD。2025年10月14日閲覧。
- ^ 池田努「池田努が社会派演劇初挑戦に気合「役者生命かけて」」『日刊スポーツ』(インタビュー)、2018年7月22日。
- ^ 「死刑の是非を問うワンツーワークス新作『善悪の彼岸』に多田直人ら」ナターシャ、2018年8月6日。
- ^ 「善悪の彼岸」EPAD。2025年10月14日閲覧。
- ^ 「ワンツーワークス『鯨を捕る』」ぴあ、2019年3月14日。
- ^ 「ワンツーワークスが『マクベス』を男女逆転で上演、公開ダメ出しイベントも」ナターシャ、2019年5月14日。
- ^ 「ワンツーワークスが“笑いのある終末医療”を考える『死に顔ピース』」ナターシャ、2019年8月12日。
- ^ 「ワンツーワークス、ピュリツァー賞ノミネート作品『グロリア』を上演」ナターシャ、2019年12月4日。
- ^ 「ワンツーワークス『忖度裁判』」『シアターΧ』2020年10月31日。
- ^ 「ワンツーワークス #32『ジレンマジレンマ』」『エンタステージ』ナノ・アソシエーション、2021年3月4日。2025年10月14日閲覧。
- ^ 「ワンツーワークス、インタビューもとに“ウイルスとの戦い”描く『29万の雫』」ナターシャ、2021年5月10日。
- ^ 「ドキュメンタリー・シアター 29万の雫-ウイルスと闘う-」EPAD。2025年10月14日閲覧。
- ^ 「原発事故が日常にもたらした“恐怖”を女性の視点から描く『恐怖が始まる』」ナターシャ、2021年11月9日。
- ^ 「“匿名の正義”とどう向き合えばいいのか?ワンツーワークスの新作『民衆が敵』」ナターシャ、2022年2月25日。
- ^ 「舞台『民衆が敵』を上演する 劇作家・演出家 古城十忍さん」『アシタノ』中国新聞社、2022年5月6日。
- ^ 「町の存続をかけて行われた多数決で…ワンツーワークス『消滅寸前』5年ぶりの再演」ナターシャ、2022年9月8日。
- ^ 「人の醜さあぶり出す、アメリカの劇作家による家族劇『アプロプリエイト』にワンツーワークスが挑む」ナターシャ、2023年1月25日。
- ^ 「宮部みゆき原作、ワンツーワークスが“息を呑む攻防戦”描く『R.P.G.』開幕」ナターシャ、2023年6月9日。
- ^ 「『アメリカの怒れる父』実話を元にした韓国戯曲にワンツーワークスが挑む」ナターシャ、2023年8月22日。
- ^ 「ワンツーワークス、安楽死をテーマにしたシーラッハ『神』を上演」ナターシャ、2024年5月1日。
- ^ 「安楽死、重い判断、観客に「一票を」劇団ワンツーワークス「神[GOTT]」」『朝日新聞デジタル』朝日新聞、2024年7月18日。
- ^ 「家族の修羅場に死んだはずの父が…ワンツーワークスの新作『線引き~死者に囲まれる夜~』」ナターシャ、2024年9月19日。
関連項目
外部リンク
- 劇団ワンツーワークス OneTwo-WORKS 古城十忍の演劇 - 公式HP
- ワンツーワークス (@onetwo_works) - X
- 劇団ワンツーワークス (onetwoworks12) - Facebook
- 劇団ワンツーワークス - YouTubeチャンネル
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