初夢のなかをどんなに走つたやら
作 者 |
|
季 語 |
|
季 節 |
|
出 典 |
儚々 |
前 書 |
|
評 言 |
この作品にはじめて触れた時、不思議な感覚にとらわれたことを思い出す。この作者は一体どんな初夢を見たのだろうか・・それが具体的に伝わってこないという歯痒さもあったが、それ以上に「どんなに走つたやら」という措辞がおぼろげに示す人生観に何か心を揺さぶられたのだ。 走る、走り続けるということ。(夢の中の)作者にとってその 目的は? 追いかけているのか、逃げているのか、焦りなのか、もがきなのか、それとも邁進なのか。いやそんなことより、この作者は「好きで、納得ずくで」走っていたのだろうか・・。一句に滲む疲労感に、ついそんなことを考えてしまう。 自らが経てきた歳月を、ふと振り返る新春。そして初夢。ありきたりな淑気など放り投げるような、この作者独特の息遣い、生々しさをみる。 |
評 者 |
|
備 考 |
- 初夢のなかをどんなに走つたやらのページへのリンク