人間の堕落 (コルネリス・ファン・ハールレム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 14:16 UTC 版)
オランダ語: De zondeval 英語: The Fall of Man |
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作者 | コルネリス・ファン・ハールレム |
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製作年 | 1592年 |
素材 | キャンバス 上に 油彩 |
寸法 | 273 cm × 220 cm (107 in × 87 in) |
所蔵 | アムステルダム国立美術館 |
『人間の堕落』(にんげんのだらく、蘭: De zondeval, 英: The Fall of Man) は、オランダ・ハールレムのマニエリスム派の画家コルネリス・ファン・ハールレムが1592年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。「Aº 1592 C.C.H fec」という画家の署名と制作年が記されている[1]。作品は、アムステルダム国立美術館に所蔵されている[1][2][3]。
作品
『旧約聖書』の「創世記」 (3章) によると、人類の祖先アダムとイヴはエデンの園で平和に暮らしていた[4]。しかし、ある時、ヘビがイヴをそそのかし、神に食べてはいけないと禁じられていた「知恵の樹」の実を食べ、アダムにも与えてしまう。これが「原罪」である。2人の行いを知った神は怒って、エデンの園から追放した[4]。

本作に描かれているのは、アダムとイヴが原罪を犯す瞬間である[2]。2人は木の実を取って食べようとしている。左端の背景には、人間の顔と手のある雲の形をした[1]神がその実を指し示し、警告している場面が見える[1][2]。しかし、アダムとイヴは、その実を差し出している悪魔 (人間の胴体を持つヘビ[1]) の声に耳を傾けたのである[2]。
アルブレヒト・デューラーの銅版画『アダムとイヴ』がこの絵画の構図の手本となった。しかし、ファン・ハールレムは、デューラーの理想化された人体像を自身の時代の好みに合うように変貌させ[3]、自身にとっての理想的な人間の姿でアダムとイヴを描いている。なお、画家は、肌の色の違いで男女の区別を強調している[2]。
脚注
参考文献
- 『RIJKSMUSEUM AMSTERDAM 美術館コレクション名品集』、アムステルダム国立美術館、1995年刊行 ISBN 90 6611 234 4
- 大島力『名画で読み解く「聖書」』、世界文化社、2013年刊行 ISBN 978-4-418-13223-2
外部リンク
- 人間の堕落 (コルネリス・ファン・ハールレム)のページへのリンク