ヴァレリー・カーターとは? わかりやすく解説

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ヴァレリー・カーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 18:28 UTC 版)

ヴァレリー・カーター
Valerie Carter
出生名 Valerie Gail Zakian Carter
生誕 (1953-02-05) 1953年2月5日
アメリカ合衆国 フロリダ州ウィンターヘイブン
死没 (2017-03-04) 2017年3月4日(64歳没)
アメリカ合衆国 フロリダ州セントピーターズバーグ
ジャンル
職業
  • 歌手
  • ソングライター
活動期間 1974年 - 2017年
レーベル
共同作業者
公式サイト valeriecarter.com

ヴァレリー・カーターValerie Carter1953年2月5日 - 2017年3月4日)は、アメリカの女性ボーカリスト[1]

経歴

カーターは10代の時にコーヒーハウスで歌手としてのキャリアをスタートし、最終的に三人組フォークバンドのハウディ・ムーン英語版の一員となった。バンドは1974年にロサンゼルスのトルバドール英語版に初出演した。ハウディ・ムーンのアルバムでは、のちにジュディ・コリンズがヒットさせたカーター作の「Cook with Honey」が特筆すべきものであり、次のアルバムをプロデュースすることになるローウェル・ジョージへと結びつけた。ジョージは1979年に他界するまでカーターを指導し、彼女がその後のキャリアを通して活動を共にすることになるジャクソン・ブラウンジェームス・テイラーなどへ紹介した[2][より良い情報源が必要]

カーターの最初のソロ・アルバム『愛はすぐそばに英語版』にはモーリス・ホワイト、ローウェル・ジョージ、リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン、デニース・ウィリアムスなどがゲストとして参加した。このアルバムは好意的な評価を受け、イーグルスのヨーロッパ・ツアーのオープニングアクトをつとめることとなった。この2年後、カーターはセカンド・アルバム『ワイルド・チャイルド英語版』をリリースし、ジェームス・テイラー、ジャクソン・ブラウン、リンダ・ロンシュタットを始めたとしたさまざまなアーティストとのツアーを開始した。

その後、カーターは1996年にフィービ・スノウライル・ラヴェットエドウィン・マケイン英語版、ジェームス・テイラー、リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウンらをゲストに迎えたの3枚目のアルバム『ザ・ウェイ・イット・イズ英語版』をリリースした。このアルバムの日本限定版CDには、トム・スノウ英語版の曲がボーナストラックとして追加されている。

この2年後以降にEP盤「Find a River」、コンピレーションCD『Vanilla Grits』およびライブ・アルバム『Midnight Over Honey River』が発売された[注釈 1][4]

その他の業績

カーターは、リンダ・ロンシュタットドン・ヘンリークリストファー・クロスリトル・フィートジャクソン・ブラウンアウトロウズ英語版ジェームス・テイラーなどの数多くのアーティストのレコーディングにバック・ボーカリストとして参加している[1]

カーターが作った楽曲「Cook with Honey」は、ジュディ・コリンズの1973年のアルバム『True Stories and Other Dreams』に収録されてヒットした。カーターはジャクソン・ブラウンの1977年のアルバム『孤独なランナー』に収録された「ラヴ・ニーズ・ア・ハート」をブラウンと共作した。また、ブラウンのアルバム『ルッキング・イースト』収録の「イト・イズ・ワン」、「ニーニョ」も共作している。カーターはブラザーズ・ジョンソン英語版に楽曲「Deceiver」を提供し、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの1980年のアルバム『フェイセス』に収録された「勝利へのターン」も共作しており[1]、さらにシェールのバンドブラック・ローズ英語版に「Never Should've Started」を提供した[5]

1978年、カーターはカナダのアニメーション制作会社ネルバナが製作したハロウィーンスペシャルのアニメ作品『The Devil and Daniel Mouse』のキャラクター、ジャン・マウスの歌唱部分を担当した。カーターはローレル・ラン名義でクレジットされているが、これは当時ローレル・キャニオンに居住していたことにちなんでいる[6]。カーターは、有名なラヴィン・スプーンフルジョン・セバスチャン英語版とのデュエットなどの何曲かを特別番組で歌っている[7]。翌1979年、マット・ディロンの映画デビュー作品『レベルポイント英語版』で、カーターがカバーした「ウー・チャイルド」が使用された[7]

私生活と死

ビルボード誌1999年12月11日号で、カーターとソニーのテレビ担当重役のセス・カッツの結婚式が1999年11月26日にニュージャージー州モントクレアで執り行われたと報じられた[8]

2009年8月10月に、カーターは薬物所持容疑でフロリダ州セントピーターズバーグで逮捕された[9]。2011年5月25日に法廷の要求をすべて満足した[9]。アメリカのシンガーソングライターのジェームス・テイラーは、卒業生全員を代表してカーターの薬物法廷からの卒業セレモニーに出席し祝意を表した[9]

カーターは2017年3月4日に心臓発作で他界した。64歳没[10]

遺産

スティーヴ・ウィンウッドがレコーディングした「青空のヴァレリー英語版」は、ジャクソン・ブラウンの楽曲「風のような女英語版」同様にカーターのことを歌ったものだと伝えられている[11][7]

2018年に、カーターの長年の有人であるキャシー・クラーシュは、カーターの未発表音源を集めた最初の死後発売のアルバム『The Lost Tapes』をプロデュースした。このアルバムにはプリンスと共作した「I Got Over It」などの、キャリアを通じて録音した未発表曲が収められている[12]。クラーシュとヴァレリーの姉妹であるジャン・カーターが結成したインディレーベル、Cowboy Angel Recordsからリリースされた[13]。2022年にレーベルは「The Lost Tapes Vol. 2」をリリースした[14]

2024年、ヴァレリー・カーター財団とファラガー兄弟が協力して、ジェームス・ブラウンによるファラガー兄弟の「Never Get Your Love Behind Me」と「What My Baby Needs Now」を特別版の7インチヴァイナルとして再制作した[15]

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • 愛はすぐそばに英語版Just a Stone's Throw Away (1977年)
  • ワイルド・チャイルド英語版Wild Child (1978年)
  • ザ・ウェイ・イット・イズ英語版The Way It Is (1996年; reissued 2006年)
  • Find a River (1998年) ※EP[16]
  • Midnight Over Honey River (2003年)[注釈 1][17]
  • The Lost Tapes (2018年)[18]
  • Valerie Carter with Yoshiyuki Sahashi – Live in Tokyo, 1994 (2020年)[19]
  • The Lost Tapes Vol. 2 (2022年)[14]

コンピレーション・アルバム

  • Ooh Child: The Columbia Years (2019年)
  • Vanilla Grits (2001年)

ハウディ・ムーン

  • 『ハウディ・ムーン』 - Howdy Moon (1974年)

ゲスト出演

  • ハース・マルティネス – Feeling So Fine (2002年)
  • ハート英語版Vol. II (2007年)
  • ビル・クエイトマン英語版Just Like You (1979年)
  • ブライアン・エリオットBrian Elliot – Brian Elliot (1978年)
  • フリーボEnd of the Beginning (1999年)
  • ヘンリー・ポール英語版Henry Paul (1982年)
  • ホイト・アクストンSouthbound (1975年)
  • ホルヘ・カルデロン英語版City Music (1975年)

楽曲提供

脚注

注釈

  1. ^ a b 『Midnight Over Honey River』は公式のアルバムだが、カーターの同意なしにリリースされた[3]

出典

  1. ^ a b c d Valerie Carter”. AllMusic.com. 2024年5月20日閲覧。
  2. ^ (英語) Howdy Moon – Howdy Moon (1974, Vinyl), (November 9, 1974), https://www.discogs.com/Howdy-Moon-Howdy-Moon/release/9601340 2021年3月16日閲覧。 
  3. ^ Carter v. Halprin (Fla. Cir. 2023). Text
  4. ^ Valerie Carter | Credits” (英語). AllMusic. 2021年3月16日閲覧。
  5. ^ (英語) Black Rose – Black Rose (1980, Vinyl), (November 9, 1980), https://www.discogs.com/Black-Rose-Black-Rose/release/3567371 2021年3月16日閲覧。 
  6. ^ Look Where the Music Can Take You” (2017年3月10日). 2024年5月21日閲覧。
  7. ^ a b c Valerie Carter”. IMDb.com. 2024年5月21日閲覧。
  8. ^ “Update:Marriages”. Billboard 111 (50): 94. (December 11, 1999). https://worldradiohistory.com/hd2/IDX-Business/Music/Billboard-Index/IDX/1999/1999-12-11-Billboard-Page-0100.pdf. 
  9. ^ a b c Lane DeGregory (2011年5月26日). “Drug court grads have a friend — James Taylor”. オリジナルの2013年2月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130228202746/http://www.tampabay.com/news/courts/criminal/drug-court-grads-have-a-friend-8212-james-taylor/1171838 2012年8月29日閲覧。 
  10. ^ Paul Guzzo (2017年3月5日). “Valerie Carter, St. Petersburg recording artist and backup singer, dies at 64”. http://www.tampabay.com/news/valerie-carter-recording-artist-and-backup-singer-of-st-petersburg-dead-at/2315426 2017年3月7日閲覧。 
  11. ^ Jackson Browne at top of his game at Hanover Theatre show”. Telegram.com. 2024年5月21日閲覧。
  12. ^ Album: The Lost Tapes”. www.princevault.com. 2024年5月21日閲覧。
  13. ^ The Voice of an Angel: A Tribute to Valerie Carter, PopMatters”. PopMatters (2019年2月11日). 2024年2月14日閲覧。
  14. ^ a b (英語) Valerie Carter – The Lost Tapes Vol. 2, https://www.discogs.com/master/2613353-Valerie-Carter-The-Lost-Tapes-Vol2 2023年6月21日閲覧。 
  15. ^ Valerie Carter Estate and Faragher Brothers join forces bringing retro soul single to life”. KTLA (2024年2月13日). 2024年2月14日閲覧。
  16. ^ (英語) Valerie Carter – Find A River (1998, CD), (November 9, 1998), https://www.discogs.com/Valerie-Carter-Find-A-River/release/10563821 2021年3月16日閲覧。 
  17. ^ Valerie Carter - Midnight Over Honey River” (英語). Discogs. 2021年3月16日閲覧。
  18. ^ (英語) Valerie Carter – The Lost Tapes (2018, CD), https://www.discogs.com/Valerie-Carter-The-Lost-Tapes/release/13227403 2021年3月16日閲覧。 
  19. ^ (英語) Valerie Carter With Yoshiyuki Sahashi – Live in Tokyo, 1994 (2020, CD), (March 4, 2020), https://www.discogs.com/Valerie-Carter-With-Yoshiyuki-Sahashi-Live-in-Tokyo-1994/release/14914002 2021年3月16日閲覧。 
  20. ^ a b Recording's credits
  21. ^ The Brothers Johnson – You Keep Me Coming Back / Deceiver (Vinyl)”. Discogs.com (1984年11月9日). 2017年3月5日閲覧。

外部リンク




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