ラス・ベンタス闘牛場とは? わかりやすく解説

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ラス・ベンタス闘牛場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/27 21:10 UTC 版)

ラス・ベンタス闘牛場のファサード
内部
闘牛場のロイヤルボックス
2008年デビスカップ

ラス・ベンタス闘牛場Plaza de Toros de Las Ventas)は、スペインマドリードにあるスペイン国内最大級の闘牛場。およそアリーナ(アレーナ)といっていい様相で、メキシコのモヌメンタル・デ・メヒコ闘牛場、ベネズエラのモヌメンタル・デ・バレンシア闘牛場に次いで、収容人数が23,798人という、世界第3位の規模を持つ。

概要

闘牛のシーズンは、毎年3月から10月までで、毎週日曜日と休日に行われる。5月から6月までのサン・イシドロ祭の期間中は、毎日闘牛が行われる[1]。季節によって違いがあるが、闘牛は夕方5時から7時までの間が開始時間で、終了時間まではおよそ2時間から3時間かかる。観客席は日向(sol)と日陰(sombra)、中間(sol y sombra)の3種類に分けられ、さらにアレーナ前の1階席から4階席まで価格帯が分かれている(日陰の席が値段が高くなる)。

1913年から1920年の間、スペイン国内では闘牛人気が高まっていたが、マドリードのアラゴン通りにある闘牛場は手狭であった。闘牛場を所有するマドリード州政府は、新たな闘牛場建設計画を練り始めた。

家畜業者ハルドン家から土地を譲渡された州政府は、1922年3月より工事を開始した。建築家ホセ・エスペリウが設計した新闘牛場は、鉄骨とレンガを使用したネオ・ムデハル様式であった。建設費用は当時のレートで1,200万ペセタかかった。1931年6月17日に、新しいラス・ベンタス・デル・エスピリトゥ・サント闘牛場(Plaza de Las Ventas del Espíritu Santo)のこけら落としとして慈善闘牛が開催された。

完成当時の闘牛場は、華やかな闘牛という催しにおよそふさわしくない、劣悪な環境にあった。馬やラバの水場近くを、墓地へ向かって葬列が通過していき、人口はまばらで小屋が点在していたのである。

事実上3年間閉鎖された後、1934年10月21日にラス・ベンタス闘牛場として再開された。1935年には通常通りシーズンを終了した。しかしその後勃発したスペイン内戦で閉鎖を余儀なくされた。戦争で34ヶ月間、アレーナは広大な庭にされてしまったのである。戦後の1939年5月24日、闘牛が再開された。

闘牛以外のイベント

ビートルズは1965年7月2日にここでマドリード公演を行った。1991年にダイアナ・ロス、1993年にデペッシュ・モード、1996年にAC/DC、2003年にレディオヘッド、2009年にカイリー・ミノーグ、2011年にコールドプレイが公演を行っている。

2002年からレッドブルが主催するフリースタイルモトクロス(FMX)の大会「Red Bull X-Fighters」が開催されている。

2008年、闘牛場のアレーナがテニスのクレーコートに変えられ、ラファエル・ナダルらスペインのデビスカップチームがアメリカ・チームと準決勝戦を行い、母国の観衆を前に勝利した。

交通

マドリード地下鉄の2号線または5号線を利用する。最寄はベンタス駅。

脚注

  1. ^ 川成洋『スペイン文化読本』丸善出版、2016年、159頁。ISBN 978-4-621-08995-8 

外部リンク

座標: 北緯40度25分55.5秒 西経3度39分47.8秒 / 北緯40.432083度 西経3.663278度 / 40.432083; -3.663278




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