γ-デカラクトン
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γ-デカラクトン(がんまデカラクトン)は、芳香のあるラクトンで、化学式C10H18O2で表される有機化合物である[1]。その分子構造から明らかなように不斉中心を1つ持つため、S体のγ-デカラクトンと、R体のγ-デカラクトンが存在する。このうちS体は左旋性(-)であり[2]、R体は右旋性(+)である[3]。デカン酸の4位の炭素に結合している水素のうちの1つが水酸基に置換された化合物である4-ヒドロキシデカン酸が、分子内で脱水縮合を起こして環状になった構造を持つ。γ-デカラクトンはモモの香りを特徴づける成分として重要で、天然には果実や発酵食品、和牛の肉[4]に存在する。モモ、アンズ、イチゴの香料として清涼飲料水や香粧品、医薬品、家庭用品に使用される。日本の法令では、食品添加物としての使用が認可されている[5]。日本の消防法では危険物第4類第三石油類(非水溶性)に区分される[1]。
- ^ a b c d “γ-デカラクトン”. 東京化成工業 (2018年7月14日). 2018年9月26日閲覧。
- ^ (S)-gamma-decalactone (CAS登録番号 107797-27-3)
- ^ (R)-gamma-decalactone (CAS登録番号 107797-26-2)
- ^ a b “金木犀おもしろ話題集(2018) 香り成分γ-デカラクトン”. 有限会社武蔵野ワークス. 2018年9月28日閲覧。
- ^ “食品添加物リスト ラクトン類”. 日本食品化学研究振興財団 (2003年7月28日). 2018年9月28日閲覧。
- ^ a b 大村尚「総説 チョウ成虫の採餌行動と嗅覚情報物質」『比較生理生化学』第23巻第3号、日本比較生理生化学会、2006年、134-142頁、doi:10.3330/hikakuseiriseika.23.134、2018年9月28日閲覧。
- ^ “みんなのひろば 金木犀の香り方”. 日本植物生理学会 (2015年10月20日). 2018年9月28日閲覧。
- ^ 『ウイスキーの甘い香りを作るのは、乳酸菌が関与していることを発見』(プレスリリース)アサヒグループホールディングス 。2018年9月27日閲覧。
- ^ 『女性の「若い頃のニオイ」を解明!「若い頃の甘いニオイ」の正体は「ラクトンC10/ラクトンC11」』(プレスリリース)ロート製薬、2018年2月14日 。2018年9月28日閲覧。
- ^ 望月佑次, 横山裕実, 山北夏子「P-070 加齢に伴う女性の体臭変化に関する研究」『日本味と匂学会誌』Proceeding集第51回大会、日本味と匂学会、2017年。
- ^ 『プレスリリース:ロート製薬、加齢に伴う女性の体臭変化に関しての研究結果を発表』(プレスリリース)日本経済新聞、2018年2月14日 。2019年6月29日閲覧。
- ^ 『添付リリース』(プレスリリース)日本経済新聞、2018年2月14日 。2019年6月29日閲覧。
- ^ 望月佑次(ロート製薬)「加齢に伴う女性の体臭変化に関する研究」『FRAGRANCE JOURNAL』46(3):pp.66-66,2018
- 1 γ-デカラクトンとは
- 2 γ-デカラクトンの概要
- 3 関連項目
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