マスター・ルーターの選定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 06:31 UTC 版)
「Virtual Router Redundancy Protocol」の記事における「マスター・ルーターの選定」の解説
マスター・ルーターとなっている物理ルーターが落ちた場合、以下の手順で代替のマスタールータが選定される。予め定められた期間(アドバタイズメントタイマ、advertisement timer)の3倍の期間、マスター・ルーターからのアドバタイズのマルチキャストパケットが受けられなかった場合、マスター・ルーターが落ちていると判断してバックアップ・ルーターが起動し、仮想ルーターはバックアップ・ルーターの中から新たなマスター・ルーターを選定するプロセスに入る。このプロセスでもマルチキャストパケットを使用する。 この選定プロセスのときに、バックアップ・ルーターがマルチキャストパケットを送信することに注意する必要がある。それ以外にバックアップ・ルーターがマルチキャストパケットを送信するのは、仮想ルータ内の物理ルータに現状のマスター・ルーターから置き換わるような設定を行ったときのみである。バックアップ・ルーターの中で最も高いプライオリティ値を持ったものが、マスター・ルーターとなると同時にプライオリティ値は「255」に繰り上げられる。仮想ルーターのIPアドレスを引き継いだマスター・ルーターは直ちに自身のMACアドレスと引き継いだIPアドレスをARPパケット (Gratuitous ARP) にしてブロードキャスト送信する。これによりMACアドレスとIPアドレスの新たな対応が同一セグメント内に伝達される。バックアップ・ルーターにおいてプライオリティ値が全て同一である場合、IPアドレスの数値が高いものがマスター・ルーターになる。切り替えは数秒程度で完了する。 1つの仮想ルーターとして働く物理ルーターは全て1ホップの範囲内に収まっていなくてはならない。仮想ルータ内ではマスター・ルーターからバックアップ・ルーターへと定期的にアドバタイズメントパケットが流れているのは先ほど述べたが、この流れる間隔はアドバタイズメント・インターバルタイマーで調整できる。この間隔を短くすればするほど、ネットワークのダウンタイムを少なくすることができるが、マルチキャストのトラフィックが増える。
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