ボーア=ゾンマーフェルトの量子化条件
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ボーア=ゾンマーフェルトの量子化条件(ボーア=ゾンマーフェルトのりょうしかじょうけん、英: Bohr–Sommerfeld quantum condition)とは、物理学、特に量子力学において多自由度の周期運動に対する量子条件である[1][2]。前期量子論において、1913年にデンマークの物理学者ニールス・ボーアが提唱したボーアの量子条件[3]の一般化となっている。ボーアの量子条件は1自由度の周期運動である円軌道の場合に限られていたが、ドイツの物理学者アーノルド・ゾンマーフェルトが1916年に正準形式の解析力学に基づく形で、多自由度の周期運動にまで拡張した[4]。米国のW. ウィルソンや日本の石原純も同様な結果を得ており[5][6]、ゾンマーフェルト=ウィルソンの量子化条件とも呼ばれる。ボーア=ゾンマーフェルトの理論は、ボーアの原子模型では円軌道に限られていた水素原子の電子軌道として、楕円軌道が存在することを示すともに、正常ゼーマン効果、シュタルク効果、微細構造に対する一定の説明を与えることを可能にした[7][8]。
概要
一般化座標と一般化運動量の組 (qk, pk) (k = 1, 2,...,N) で記述される系において、古典系での運動が変数分離が可能な多重周期運動であり、位相空間での軌道が閉軌道をなすとする。このとき、対応する量子系がとりうる状態を定める次の条件を、ボーア=ゾンマーフェルトの量子化条件と呼ぶ[1][2]。
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