バーゼルIII
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/25 22:48 UTC 版)
バーゼルIII (バーゼルスリー、第3次バーゼル合意またはバーゼル基準、英語: Basel III)は、銀行の自己資本規制比率、ストレステスト、市場流動性リスクに関する、グローバルであるが各国の裁量に任される規制の枠組みである。第三回目となるバーゼル合意であり、(バーゼルI 、バーゼルIIを参照)2007年から2008年にかけて起こった金融危機で明るみに出た金融規制の欠陥への対応として開発された。銀行の流動性の向上、銀行のレバレッジの低減を図るため、銀行の自己資本規制を強化することを目的とする。
バーゼルIIIは、2010年11月にバーゼル銀行監督委員会の加盟国間で合意され、2013年から2015年までに導入される運びとなっていた。ただし、実施は2019年3月31日に繰り返し延長され、その後2023年1月1日までに再延長された[1][2][3]。
概要
バーゼルIIIの基準の狙いは、銀行の自己資本規制比率に関するバーゼルIIで定められた要件を強化することである。加えて流動資産の保有と資金調達の安定性に関する要件を導入し、それによって取り付け騒ぎのリスクを軽減しようとしている。システム上重要な金融機関という概念に加えて、バーゼルIIIもマーク・カーニーの構想によるものであった。
主な方針
自己資本の分類
以下の種類の資本が定義される。[4]
- 普通株式等Tier1資本(Common Equity Tier 1, CET1)
- 普通株式などの普通の資本
- その他Tier1資本 (Additional Tier 1, AT1)
- Basel III 適格Tier2資本 (BIII T2)
- 劣後債、当局による破綻認定が行われた際に資本削減が発動する条項がついたもの
CET1自己資本比率規制
当初、2010年のバーゼルIII規則では、各行はリスク加重資産(Risk Weighted Assets; RWA) のうち、4.5%は普通株式(バーゼルIIの2%から増加)で資金を調達する必要があった。 2015年以降、銀行は普通株式等Tier1(Common Equity Tier 1; CET1)比率を常に4.5%以上に維持する必要がある[6]。当比率の計算方法は以下の通り。
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