トリック・バッグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 02:48 UTC 版)
「トリック・バッグ」 | ||||
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アール・キング の シングル | ||||
B面 | Always A First Time | |||
リリース | ||||
規格 | シングル | |||
録音 | ||||
ジャンル | リズム・アンド・ブルース | |||
時間 | ||||
レーベル | インペリアル・レコード 5811[1][3] | |||
作詞・作曲 | Earl King | |||
プロデュース | Dave Bartholomew | |||
チャート最高順位 | ||||
7位 (米国 R&B) (1955年) | ||||
アール・キング シングル 年表 | ||||
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トリック・バッグ (Trick Bag)は、ニューオーリンズ出身のR&Bギタリスト、シンガーのアール・キングが作詞作曲し、レコーディングした楽曲。
概要
1950年代にエイス・レコード契約下でレコーディングをしていたキングは、1960年にプロデューサーのデイヴ・バーソロミューとの仕事をするため、インペリアル・レコードに移籍[5]。「カム・オン」(1960年)を皮切りに、1962年までの間に同レーベルで、傘下のポスト・レコードからのリリースも含め、8枚のシングルをリリースした[6]。その5枚目として1961年1月にシングル・リリースされたのがこの「トリック・バッグ」である。B面には「Always A First Time」が収録された[1]。ともにキングのペンによるものである[1]。「Always A First Time」はビルボードのR&Bチャートの17位を記録するヒットとなっているものの、「トリック・バッグ」はチャート入りはしていない[7]。
「トリック・バッグ」は浮気性のガールフレンドのことをテーマにした曲で、「お前は俺を罠にはめやがった」とコミカルに歌う[8]。
今日においても最もカバーされているR&Bの楽曲の一つである[9]。キングは、祖母から幼少期に亡くなったブルース・ピアニストだった自身の父親の話を聞き、それを元に書いている。1983年のオフビートによるとキングは次のように語っている:
私の祖母が父の気性の荒さについて逸話を教えてくれたんです。毎晩、私の父は彼のガールフレンドの家に行って夕食を取っていました。ある晩、彼女は塀越しに皿に盛った食事を彼に手渡したんです。彼は不思議に思い、彼女の家に戻ってドアを蹴って中に入ると、そこには他の男がいたというんですよ。[9]
この逸話が以下の歌詞の元となっている:
お前がウィリーとキスをしているのを塀越しにみてしまったよ
俺がセンスがないとウィリーに言ってただろう
お前の態度にはがっかりさせられたよ
お前は俺を罠にはめやがった[10]
参加ミュージシャン
- アール・キング Earl King - ボーカル、ギター
- デイヴ・バーソロミュー Dave Bartholomew - トランペット
- ワーデル・カゼア Wardell Quezergue - トランペット
- ウォルドン・"フロッグ"・ジョセフ - トロンボーン
- モリス・ベシャミン Morris Bechamin - テナー・サクソフォーン
- カール・ブルイン Carl Bluin - バリトン・サクソフォーン
- ジェイムズ・ブッカー James Booker - ピアノ
- ジョージ・フレンチ George French - ベース
- ロバート・フレンチ Robert French - ドラムス
主なカバー・バージョン
1976年のミーターズのバージョンには、キング本人がボーカルでゲスト参加している[11]。
年 | アーティスト名 | 収録アルバム |
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1976年 | ミーターズ | 『Trick Bag』 |
1978年 | ルーサー・ケント | 『World Class』 |
1979年 | ロニー・バロン | 『Blue Delicacies』 |
1984年 | ジョニー・ウィンター | 『Guitar Slinger』 |
1985年 | ロバート・パーマー | 『Riptide』 |
2013年 | ロベン・フォード | 『Bringing It Back Home』 |
2014年 | ケニー・ウェイン・シェパード | 『Goin’ Home』 |
2025年 | バディ・ガイ | 『Ain't Done With The Blues』[12] |
脚注
- ^ a b c d e “Record Details: Earl King -Trick Bag” (English). 45cat. 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b Fancourt, Les; McGrath, Bob (2012). Blues Discography 1943 - 1970 Later Years (2nd Edition). Eyeball Productions. p. 351
- ^ “Earl King – Trick Bag / Always A First Time” (English). Discogs. 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b “Earl King -Discography” (English). 45cat. 2025年2月5日閲覧。
- ^ “Earl King -Biography” (English). Allmusic. 2025年2月5日閲覧。
- ^ “Earl King: List of Singles in Chronological Order” (Japanese). Blues Ginza. 2025年2月5日閲覧。
- ^ “Earl King [Earl Johnson Top Songs]” (English). MusicVF.com. 2025年2月5日閲覧。
- ^ Geoffrey Himes (2021年2月2日). “[hhttps://bittersoutherner.com/feature/2021/earl-king-poet-laureate-of-new-orleans Earl King, Poet Laureate of New Orleans]” (English). The Bitter Southerner. 2025年2月5日閲覧。
- ^ a b Debra Devi (2020年4月9日). “Language of the Blues: TRICK” (English). American Blues Scene. 2025年2月5日閲覧。
- ^ “Earl King – Trick Bag Lyrics” (English). Genius. 2025年2月5日閲覧。
- ^ “The Meters – Trick Bag” (English). Discogs. 2025年2月5日閲覧。
- ^ “Buddy Guy: Ain’t Done With The Blues Review” (English). Blues Rock Review. 2025年8月11日閲覧。
- ^ “SecondHandSongs: Trick Bag” (English). SecondHandSongs. 2025年2月5日閲覧。
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