ディクセルとは? わかりやすく解説

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ディクセル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/13 07:15 UTC 版)

株式会社ディクセル
DIXCEL Co., Ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本
566-0044
大阪府摂津市西一津屋3-3
設立 2003年6月30日
業種 輸送用機器
事業内容 自動車用ブレーキパーツの製造・企画・販売
代表者 音田 栄作
資本金 3,000万円
従業員数 49名(2025年時点)
メインバンク 関西みらい銀行井高野支店
主要株主 DJホールディングス(100%)
外部リンク https://www.dixcel.co.jp/
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株式会社ディクセル(英文表記:DIXCEL Co., Ltd.)は、大阪府摂津市に本社を置く、自動車用高性能ブレーキパーツ専業メーカーである。2003年6月30日に設立され、「Deceleration × Excellence」を語源とする"DIXCEL"ブランドを展開している[1][2]

ブレーキパッド・ローターを中心に2万品目超の製品を展開し、2024年度の売上高は約30億円、従業員数は約50名と報告されている[3][4]。国内ではSUPER GTスーパー耐久、海外ではGTワールドチャレンジ・アジアやF4 UAE選手権などの公式ブレーキパートナー/サプライヤーを務めており、モータースポーツ活動を事業成長と技術開発の両輪に据えている[5][6]

沿革

2003年6月30日、一般車およびレース車向けブレーキパーツ製造を目的に株式会社ディクセルが設立される[1]。本社は大阪府摂津市西一津屋3-3、資本金3,000万円[1]

2010年に株式会社ディクセルR&Dを設立し、翌2011年にはDIXCEL CHINAを設立して海外展開を開始した[7]

2015年には消費者保護のためのディクセルWear Warranty(摩耗保証制度)を開始した[7]

2017年にブランパンGTアジアシリーズ(現:GTワールドチャレンジ・アジア)の公式ブレーキパートナーとなり[8]、2022年には同シリーズとのパートナーシップ契約を延長した[5]

2022年末時点でブレーキパッド1,400品目、ブレーキディスク2,600品目を含む製品ラインナップを展開している[7]

2024年にはモータースポーツスカラシップ制度を拡充し、学割制度やU-29カテゴリを導入している[9][10]

事業内容

ブレーキパッド

DIXCELのブレーキパッドは、モータースポーツからフィードバックされた技術を活用した製品を展開しており、Specom-GTやSpecom-βなどのシリーズがある[11][12]。また、一般車向けの低ダストブレーキパッド「Mタイプ」なども提供している[13]。これらは一般市販車からレーシングカーまで幅広い車種に対応している。

ブレーキローター

ブレーキローターでは、SD(スリット)タイプや、ハイグレードのFPおよびFSタイプなどの製品を提供している[14][15]

開発・研究設備

ディクセル本社の一画にある実験室には、ブレーキの基礎性能を計測するための「ブレーキダイナモメーター」が設置されている。このダイナモメーターは、世界中の有名自動車メーカーも使用しているほどブレーキの開発と評価には欠かせない重要な測定機である。車重、温度、速度そして圧力(踏力)といったブレーキパッドの性能を左右する条件・要素を様々な値に設定することが可能であり、一般道、ハイウェイ、峠そしてサーキットといった様々な走行条件を、実車さながらに再現した試験を行うことができる[16][17]

このダイナモメーターでは、ストリートやサーキットなどの使用環境に設定し、ブレーキパッドやディスクローターの特性を決定するための候補材選定に使用されている。テスト結果は製品の特性やポテンシャル、価格設定にフィードバックされている。ディクセルではここから得られた根拠のあるデータを元に、スピーディーかつ正確な研究・開発を日々行っている[18]

モータースポーツ活動

ディクセルは、モータースポーツ活動を技術開発と事業成長の両面から重視している。国内ではSUPER GTやスーパー耐久、GR86/BRZカップなどの競技に技術を供給している[19][20]

国際的には、2017年からGTワールドチャレンジ・アジアの公式パートナーを務めており[8]、F4 UAEやF3 Asiaの公式ブレーキサプライヤーとしても活動している[6][21]

さらに、若手レーサー支援のためのモータースポーツスカラシップ制度を運営しており、JAF公認競技全般を対象にポイント制による支援を行っている[22]

業績

2024年3月期の売上高は約30億円。前年(2023年3月期)の約28億円から増加している[3][4]。従業員数は約50名となっている[1]

グループ会社として、株式会社ディクセルR&DおよびDIXCEL CHINAがある[3][7]

展示会・イベント参加

ディクセルは国内外の自動車関連展示会に積極的に参加している。上海モーターショー、東京オートサロン大阪オートメッセなどの主要ショーに出展し、新製品の発表や技術紹介を行っている[1]

社会貢献・スカラシップ

ディクセルは若手レーサー支援のためのモータースポーツスカラシップ制度を運営している[22]。 2024年には学割制度やU-29カテゴリを導入するなど制度の拡充を図っている[9][10]

また、2015年より消費者保護を目的としたディクセルWear Warranty(摩耗保証制度)を実施している[7]

事業インフラ

2023年頃には、物流および販売管理システムを「アラジンオフィス」で刷新し、単価管理を高度化するなど事業インフラの改善を行っている[23]

脚注

  1. ^ a b c d e 会社概要”. 株式会社ディクセル公式サイト. 2025年5月1日閲覧。
  2. ^ Company Profile”. DIXCEL Co., Ltd. Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  3. ^ a b c 株式会社ディクセル 企業情報”. マイナビ転職. 2025年5月1日閲覧。
  4. ^ a b 株式会社ディクセル 企業情報”. マイナビ2025. 2025年5月1日閲覧。
  5. ^ a b DIXCEL extends Fanatec GT World Challenge Asia Powered by AWS agreement”. GT World Challenge Asia. 2025年5月1日閲覧。
  6. ^ a b 2024 - F4 UAE Championship Certified by FIA”. F4 UAE Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  7. ^ a b c d e 沿革”. 株式会社ディクセル公式サイト. 2025年5月1日閲覧。
  8. ^ a b DIXCEL named official brake partner of Blancpain GT Series Asia”. GT World Challenge Asia. 2025年5月1日閲覧。
  9. ^ a b 2024年度DIXCELスカラシップ詳細”. RevSpeed. 2025年5月1日閲覧。
  10. ^ a b 東京オートサロン2024 DIXCEL新製品発表”. 東京オートサロン公式サイト. 2025年5月1日閲覧。
  11. ^ Specom-GT Natural type”. DIXCEL Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  12. ^ Specom-β”. DIXCEL Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  13. ^ Mタイプ ブレーキパッド”. DIXCEL Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  14. ^ FP/FS TYPE(1PIECE)”. DIXCEL Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  15. ^ SD type”. Shop Dixcel. 2025年5月1日閲覧。
  16. ^ ディクセルのブレーキダイナモメーターによる開発プロセス”. MF-TOPPER. 2025年5月1日閲覧。
  17. ^ ディクセルの研究開発施設”. RevSpeed. 2025年5月1日閲覧。
  18. ^ 4x4magazine 44周年企画/動画 「ブレーキダイナモメーター」”. 4x4Magazine. 2025年5月1日閲覧。
  19. ^ Specom-GT Natural type”. DIXCEL Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  20. ^ Specom-β”. DIXCEL Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  21. ^ FP/FS TYPE(1PIECE)”. DIXCEL Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  22. ^ a b DIXCELスカラシップ”. DIXCEL Official Website. 2025年5月1日閲覧。
  23. ^ 株式会社ディクセル導入事例”. アラジンオフィス. 2025年5月1日閲覧。

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