セルビットとは? わかりやすく解説

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セルビット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/24 01:34 UTC 版)

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セルビット(Cer-Vit)とはアメリカ合衆国のオーエンス・イリノイス(Owens-Illinois)が開発した低膨張の光学材料である。非晶質の基材と結晶質の分散材により構成された結晶化ガラスの一種であり、赤褐色透明を示す。

概要

セルビットはオーエンス・イリノイスによって1966年に開発された。当初は香水のビン用を想定して製造された。極めて均質かつ温度膨張率が低いことから、光学用に転用された。

製造は、原料ガラスを一旦溶解した後、加熱保温処理による結晶化で行われる。この加熱保温処理の条件によって熱膨張率は影響を受ける。

2008年現在は製造されていない。

特徴

  • 熱膨張が事実上ゼロに近い[1]
  • 均質である。
  • 温度特性がフラットではない。
  • 着色しており無色透明ではない。
  • ヘリウムガスを透過するため、レーザーキャビティには不適である。

用途

  1. 光学: 反射望遠鏡の鏡材・光学原器などに使用される。例えばカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡の主鏡として採用された。

セルビットの項目

出典

  • 新版反射望遠鏡光学入門 吉田正太郎 誠文堂新光社 2005 ISBN 978-4416205174

関連項目

  • 低膨張材料
    • ゼロデュア - よく似た性質をもつセラミック系低膨張材。ヘリウムガスを透過せず、レーザージャイロにも使用可能。
    • シタール (材料) - ソビエト連邦で開発されていた。
    • ULE (材料) - Ultra Low Expansionの頭文字をとったもの。コーニング社が開発した酸化チタン-酸化ケイ素系ガラス。すばる望遠鏡にも使用されている。熱処理による熱膨張率の変化をほぼ受けないが、ヘリウムを吸収・透過するためヘリウム系レーザーのキャビティとして使用が(ほぼ)できない。
    • 石英ガラス
    • ボロフロート(ホウケイ酸ガラス)

脚注

  1. ^ 温度変化による変形がほぼないため高精度が保たれる。



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