スティーブ・マットソンとは? わかりやすく解説

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スティーブ・マットソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/25 04:14 UTC 版)

スティーブン・R・マットソン(Steven R. Matteson、1965年 - )は、アメリカ合衆国書体デザイナー。彼の作品は複数のコンピュータオペレーティングシステム、ゲーム機、携帯電話、その他電子機器に組み込まれている[1]Windows Vista以降に含まれるマイクロソフトのフォントファミリーSegoe[2]Androidで使用されたDroidフォントコレクションをデザインしたほか[3]、初代XboxXbox 360で使用されるブランドおよびユーザーインターフェースフォントも手がけている[4]

来歴

イリノイ州シカゴに生まれる[5]ロチェスター工科大学タイポグラフィ、デザイン、印刷を専攻。在学中の1984年、書体について興味を持つようになった[3]。1988年に卒業し、レーザープリンターメーカーのQMSに勤務するかたわら、2年間フォントヒンティング技術を学ぶ。

1990年、マットソンはモノタイプ・コーポレーション(後のアグファ・モノタイプ→モノタイプ・イメージング英語版)で働き始め、Windows 3.1xの中核TrueTypeフォントであるArialTimes New RomanCourier Newのデジタル化に貢献した[3][6]

アグファ・モノタイプでは Goudy Ornate や Gill Floriated Capitals といった同社ライブラリ用フォントを制作したほか、アジレント・テクノロジー[7]シマンテックマイクロソフト[8]といった企業に対するカスタムフォントデザインを指揮した。また、Taligent向けにモノスペースのコマンドラインおよびコーディング用フォントとしてAndalé Mono英語版を設計した。このフォントはコアフォントのオリジナルの1つとなり、現在Mac OS Xにバンドルされている。

2003年までアグファ・モノタイプでカスタムフォント開発を指揮した。2004年、イリノイ州エルクグローブビレッジ英語版アセンダー・コーポレーション英語版の創設に参加し、同社のタイプデザイン部長となった[9]

2005年、マットソンはXbox 360のブランディングとユーザーインターフェースで使用されるフォントファミリー Convection を設計した[3]。また、Zuneで使用されるユーザーインターフェースフォントも設計した[4][10]。2007年、レッドハットは彼が設計したオープンソースのフォントファミリーLiberationをリリースした。同じく2007年、彼はDroidフォントファミリーを設計し、このフォントはオープン・ハンドセット・アライアンスがサポートするAndroidに搭載された[3]

2010年、モノタイプがアセンダーを買収したのに伴い、マットソンは古巣に復帰した[11]。2016年にモノタイプを離れ、自身の会社マットソン・タイポグラフィックスを設立した[12]。2021年にはMicrosoft Officeで彼の書体 Bierstadt が次期既定フォント候補の1つとして配信開始され、2023年にAptosの名称で正式採用された[13]

手がけたフォント一覧

脚注

  1. ^ Steve Matteson interview”. MyFonts. 2016年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月8日閲覧。
  2. ^ Livingston, Brian (2006年4月25日). “Designer Says Vista Font is Original”. 2007年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e La, Lynn (2012年4月10日). “The man behind your phone's fonts”. CNET. 2025年7月25日閲覧。
  4. ^ a b Yan, Jack (n.d.). “X and the city”. Desktop. 2007年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月26日閲覧。
  5. ^ About | Matteson Typographics”. Matteson Typographics (n.d.). 2025年7月22日閲覧。
  6. ^ Steve Matteson : MyFonts”. 2008年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年2月11日閲覧。
  7. ^ Ascender Portfolio - Custom Fonts § Agilent Technologies Corporate Fonts”. Ascender Corporation (n.d.). 2008年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月25日閲覧。
  8. ^ Ascender Portfolio - Custom Fonts § Microsoft Corporate Fonts”. Ascender Corporation (n.d.). 2008年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月25日閲覧。
  9. ^ Steve Matteson”. Ascender Corporation (n.d.). 2008年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月26日閲覧。
  10. ^ Ascender Portfolio - Custom Fonts § Zune Fonts”. Ascender Corporation (n.d.). 2008年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月25日閲覧。
  11. ^ Monotype Imaging Acquires Ascender Corp.”. sdtimes.com. 2025年5月3日閲覧。
  12. ^ Steve Matteson (LinkedIn profile)”. LinkedIn. 2025年5月3日閲覧。
  13. ^ Warren, Tom (2023年7月14日). “Meet Microsoft Office’s new default font: Aptos”. The Verge. 2025年7月22日閲覧。
  14. ^ Beyond Calibri: Finding Microsoft's next default font - Microsoft 365 Blog”. Microsoft (2021年4月28日). 2021年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月1日閲覧。
  15. ^ A change of typeface: Microsoft’s new default font has arrived”. Medium (2023年7月13日). 2023年7月14日閲覧。
  16. ^ Noto FAQ”. Google Noto Fonts. 2019年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月29日閲覧。

外部リンク




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