シクロアワオドリンの合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/08 00:47 UTC 版)
「シクロアワオドリン」の記事における「シクロアワオドリンの合成」の解説
α-シクロアワオドリンの合成法のうち、1992年に西沢らが発表した改良版を紹介する。 適当な保護が施されたラムノシルクロリド 1 からチオメチルラムノシド 2 を合成する。2 に 1 とテトラメチル尿素 (TMU) を加えて加熱すると、α-選択的にグリコシル化が起こり、二糖が得られる。アセチル基を脱保護後に、さらに同じグリコシル化-脱アセチル化を計5回繰り返すと、六糖 3 が得られる。ここにジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフラート (DMTST) を作用させて分子内で環化(収率 56%)させ、ベンジル基を加水素分解により脱保護すると、α-シクロアワオドリンが得られる。 同様の手法により、ラムノースが1つ少ないシクロ-L-ラムノペンタオース、逆にラムノースが1つ多い β-シクロアワオドリン、さらに 1か所 β-グリコシド結合を含む イソ-β-シクロアワオドリンを得ることもできる。 2 から 3 までのグリコシド化で鍵となっている熱的グリコシド化は西沢らにより開発された手法で、ラムノシドのほかマンノシドをα選択的に合成できる。 α-シクロアワオドリンは、包接化合物としての検討もなされており、2,4-ヘキサジエン二酸との錯体形成が報告されている。
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