クーロン対数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/08/22 21:14 UTC 版)
上で現れた量 lnΛ はクーロン対数( Coulomb logarithm )と呼ばれ、プラズマの輸送係数などの議論に常に出てくる量である。多くの場合、10~20の値を持つ。ボルツマン衝突項をもつ本来のボルツマン方程式を用いた分子運動論では輸送係数は一般に r についてのある積分に比例する形で得られるが、粒子間相互作用として2体衝突だけを考えて計算するため、多数の粒子の協同作用であるデバイ遮蔽の影響を取り入れることが出来ず、そのままでは積分が発散する。そこで物理的考慮から積分の上限をデバイの長さ λDで切断して、ln(λD / r0)、すなわちほぼ lnΛ という有限の結果を得る。このため、得られた結果には1の程度の値の曖昧さが残り、 でのみ意味をもつ近似になっている。これを補って1の程度まで精確に求むる理論もあるが、その結果によれば用いるべき νc の値は電気抵抗、温度緩和など、現象の種類ごとに微妙に変わるべきことが知られる。
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