クラシコ・タパティオとは? わかりやすく解説

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クラシコ・タパティオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 03:59 UTC 版)

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クラシコ・タパティオ
グアダラハラ・ダービー
都市、地域 メキシコ, ハリスコ州, グアダラハラ
チーム CDグアダラハラ
CFアトラス

クラシコ・タパティオ(スペイン語: Clásico Tapatío)は、メキシコハリスコ州グアダラハラに本拠地を置くふたつのサッカークラブ、CDグアダラハラ(チーバス)とCFアトラス(マルガリータス)の間で行なわれるローカル・ダービーである。タパティオとはグアダラハラ市民の意味である[1]

文化

CFアトラスの愛称であるマルガリータス(マーガレット)
CDグアダラハラの愛称であるチーバス(ヤギ)

チーバス・グアダラハラCFアトラスはいずれも、メキシコ第2の都市であるハリスコ州グアダラハラに本拠地を置いている。クラシコ・タパティオはメキシコに現存する最古のダービーであると同時に、メキシコでもっとも激しいダービーのひとつである[1]。チーバスはメキシコでもっとも人気のあるクラブのひとつであり、その名声はハリスコ州にとどまらないが、地元のライバルであるアトラスとの対戦はもっとも待ち望まれる試合でもある。アトラスの最大のライバルはチーバスだが、チーバスのライバルにはアトラスの他に、首都シウダ・デ・メヒコに本拠地を置くクルブ・アメリカがある。

チーバスは中流階級出身の学生らによって設立されたが、労働者階級に人気のクラブである[1]。一方のアトラスは上流階級出身の学生によって設立され、裕福な市民によって支えられたクラブである[1]。アトラスの愛称であるマルガリータス(マーガレットの意味)は、チーバスのファンがライバルを蔑むために呼んだのが由来であり、CDグアダラハラの愛称であるチーバス(ヤギの意味)は、アトラスのファンがライバルを蔑むために呼んだのが由来である。対戦成績はチーバスがやや優勢であり、2006年時点でチーバスが77勝、アトラスが60勝、引き分けが55試合である。国内リーグに限ると勝ち星の差は縮まり、チーバスが48勝、アトラスが40勝、引き分けが42試合である。

歴史

1906年にチーバスが設立され、1916年にはアトラスが設立された。1916年、親善試合として初のダービーが行なわれ、0-0で引き分けた。1917年の地域選手権ではアトラスが2-1で勝利を収めたが、チーバスの選手は主審の判定に納得がいかずに残り試合の出場を拒否し、この出来事がきっかけとなって両クラブのライバル意識が形成されていった[1]。1932-33シーズンにはチーバスが8-1で大勝し、この試合は今日でもダービーの最多得点差試合である。アトラスのダービーでの最多得点差勝利は5-1であり、1964-65シーズンと1974-75シーズンの2度記録している。アトラスのファンは1917年に18-0で勝利したことがあると主張するが、このような試合があったという記録はない[1]

1951年、アトラスはチーバスに勝利して優勝を決めた。コスタリカ人ストライカーのエドウィン・クベーロが決めたPKが決勝点となったが、チーバスのファンは50年以上経った現在においても、このPKは与えられるべきでなかったとの姿勢を崩していない[1]。1955年に行なわれたダービーではチーバスが易々と2点を先行したため、キーパーのハイメ・ゴメスは試合中ながら近くの観客から雑誌を拝借し、ゴールポストにもたれかかって雑誌を読みふけった[1]。結局この試合はチーバスが3-0で勝利し、ゴメスの悪ふざけはアトラスのファンを激怒させた。翌シーズンにはアトラスが2-0で勝利し、狂喜したアトラスのファンはゴメスに向かって何冊もの雑誌を投げつけて仕返しを果たした[1]

両クラブでのプレー経験がある選手には、2006 FIFAワールドカップメキシコ代表の正ゴールキーパーを務めたオスワルド・サンチェスなどがいる。サンチェスは1993年にアトラスからデビューしたが、クルブ・アメリカを挟んで1999年にチーバスに移籍し、チーバスでヒーローとなった。アトラスの下部組織には定評があり、1990年代以降にはサンチェス、ラファエル・マルケスアンドレス・グアルダードなどの名選手を輩出している。エフライン・フローレスは長年アトラスで指導し、1990年代にはアトラスのユースチームで最高責任者の地位にあったが、2000年代になってチーバスはフローレスを引き抜くことに成功した[1]。フローレスの転身以後、チーバスの下部組織からはパトリシオ・アラウホ、ルイス・ミチェル、ハビエル・エルナンデス(チチャリート)などが次々とトップチームに昇格した。

スタジアム

1930年代から1960年まで、両クラブはパルケ・オブラートスと呼ばれる小規模なスタジアムを使用していた。1960年にはエスタディオ・ハリスコが開場し、50年間に渡って両クラブがホームスタジアムとして使用した。2010年から、チーバスは独自に建設したエスタディオ・オムニライフ(エスタディオ・チーバス)をホームスタジアムとしている。

クラブ スタジアム 開場年 収容人数 画像
アトラス エスタディオ・ハリスコ 1960年 56,713人
チーバス エスタディオ・オムニライフ 2010年 49,850人

タイトル

いずれもプロリーグ化後に限る。

大会 アトラス チーバス
国内大会 リーガMX(1部) 1回 11回
アセンソMX(現2部) 0回 0回
セグンダ・ディビシオン(旧2部・現3部) 3回 0回
コパ・メヒコ 4回 2回
カンペオン・デ・カンペオーネス 4回 7回
インテルリーガ 0回 1回
国際大会 CONCACAFチャンピオンズリーグ 0回 1回
北中米・カリブ海選手権 0回 2回

統計

大会 試合数 アトラス
勝利
引き分け チーバス
勝利
アトラス
得点
チーバス
得点
レギュラーシーズン 134 42 44 49 181 204
リギージャ 4 1 3 0 6 5
ハリスコ州アマチュアリーグ 43 13 7 22 70 94
コパ・メヒコ 15 6 3 6 26 24
インテルリーガ 1 0 0 1 1 3
通算 197 62 57 78 284 330

試合一覧

ハリスコ州アマチュアリーグ

コパ・メヒコ

シーズン ホーム スコア アウェー
1942-43 チーバス 3-1 アトラス
1943-44 チーバス 1-1 アトラス
アトラス 2-1 チーバス
1944-45 チーバス 1-2 アトラス
1947-48 チーバス 1-0 アトラス
1948-49 アトラス 3-0 チーバス
1950-51 チーバス 3-0 アトラス
1959-60 チーバス 2-2 アトラス
アトラス 4-1 チーバス
1963-64 アトラス 0-2 チーバス
チーバス 2-2 アトラス
1964-65 アトラス 5-1 チーバス
1973-74 チーバス 3-0 アトラス
1995-96 アトラス 4-2 チーバス
チーバス 1-0 アトラス

プリメーラ・ディビシオン

リギージャ

シーズン ホーム スコア アウェー
ベラーノ2000 アトラス 1-1 チーバス
チーバス 1-1[6] アトラス
アペルトゥーラ2004 チーバス 0-1 アトラス
アトラス 3-3 チーバス

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j Mexico’s vintage derby Atlas VS Chivas Guadalajara FIFA.com、2006年4月16日
  2. ^ コパ・ハリスコでの試合
  3. ^ アトラスがセグンダ・ディビシオンにいたため。
  4. ^ アトラスがセグンダ・ディビシオンにいたため。
  5. ^ アトラスがセグンダ・ディビシオンにいたため。
  6. ^ レギュラーシーズンの順位が上のチーバスが勝ち上がった。

クラシコ・タパティオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 03:35 UTC 版)

CDグアダラハラ」の記事における「クラシコ・タパティオ」の解説

詳細は「クラシコ・タパティオ」を参照 同じグアダラハラ本拠地とするCFアトラスともライバル関係にある。両者対戦はクラシコ・タパティオ(グアダラハラ・ダービー)と呼ばれ1916年初対戦が行なわれたことから、メキシコ最古ローカル・ダービーとされている。初期の対戦では、チーバスのファンアトラス選手にマルガリータス(マーガレット)というニックネーム付けた。これに反応したアトラスファンは、チーバスに対してチーバス・ロカス(気の狂ったヤギ)という侮蔑的なニックネーム付けた。両クラブエスタディオ・ハリスコ共用していたが、現在は、チーバスはエスタディオ・オムニライフホームゲーム戦っている。

※この「クラシコ・タパティオ」の解説は、「CDグアダラハラ」の解説の一部です。
「クラシコ・タパティオ」を含む「CDグアダラハラ」の記事については、「CDグアダラハラ」の概要を参照ください。

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