オガエル
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/13 17:02 UTC 版)
| オガエル科 | ||||||||||||||||||||||||
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ロッキーオガエル Ascaphus montanus
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
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| 下位分類群 | ||||||||||||||||||||||||
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分布
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オガエルは、両生綱無尾目オガエル科 (Ascaphidae[1])オガエル属(Ascaphus[2])に属す2種の総称。Ascaphus truei の和名でもある。北アメリカ大陸の急流に生息し、雄には尾のような交尾器がある。カエルの中でも原始的な分類群である。
分類
2001年まではオガエル属はオガエル[3] Ascaphus truei Stejneger, 1899のみの単型と考えられてきたが、その年にロッキーオガエル[3] Ascaphus montanus が別種とされた[4]。
分布と生息地
カナダのブリティッシュコロンビア州南部、アメリカ合衆国のカリフォルニア州、ワシントン州、オレゴン州、モンタナ州、アイダホ州に分布する。海岸から標高2500mを超えるロッキー山脈の急流まで生息する[3]。
形態
雄には尾のような突起があるが、実際は総排泄孔が延長されたものである。交尾器として使用され、雌の総排出孔に挿入される。体外に鼓膜を持たず、後肢には大きな水かきが発達する[3]。
生態
卵は体内受精し、数珠状で生まれて流水中の石にしっかり付着する。カエルには珍しく肺が退化しており(サンショウウオにはハコネサンショウウオなど多数存在する)、このため鳴き声が欠如しており、聴覚もあまり発達していない。また、幼生も口に大きな吸盤があり、これで岩に付着して流されないようにしている。低温の場所に住むため暑さに極めて弱く、成体の場合最適温度は10℃以下であり室内では冷却しないと死亡する[5]。
脚注
- ^ Frost, Darrel R. (2013年). “Ascaphus Stejneger, 1899”. Amphibian Species of the World 5.6, an Online Reference. American Museum of Natural History. 2023年4月22日閲覧。
- ^ Frost, Darrel R. (2013年). “Ascaphidae Fejérváry, 1923”. Amphibian Species of the World 5.6, an Online Reference. American Museum of Natural History. 2023年4月22日閲覧。
- ^ a b c d マーク・オシー、サイモン・マドック、富田京一(日本語版監修)、冨水明(日本語版監修)『カエル大全 FROGS OF THE WORLD』エムピージェー、2025年3月1日、60-61頁。ISBN 978-4-909701-96-1。
- ^ Nielson, M.; Lohman, K.; Sullivan, J. (2001). “Phylogeography of the tailed frog (Ascaphus truei): Implications for the biogeography of the Pacific Northwest”. Evolution 55 (1): 147–160. doi:10.1111/j.0014-3820.2001.tb01280.x. PMID 11263735. オリジナルの2016-03-04時点におけるアーカイブ。.
- ^ 『原色現代科学大事典 5動物II』、宮地伝三郎(責任編集者)、株式会社学習研究社、昭和43年(1968年)、p.163・181。
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