エンタープライズ・アーキテクチャ(事業体仕組)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/05/11 05:09 UTC 版)
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エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)の文脈において、エンタープライズは固定的な組織体ではなく、ある事業(ビジネス)を遂行する供給者から顧客に至る複数の連携した組織体、あるいは一つの組織体であっても複数の事業単位が存在すれは複数のエンタープライズが存在し得る、と定義されており、その意味を表すため事業体と表現する。またアーキテクチャについてもエンタープライズ・アーキテクチャでは独自の定義を行っており、その意味を表す言葉として仕組と表現する。{訳者コメント}
事業体仕組 (エンタープライズ・アーキテクチャ) は、構成要素Component (事業エンティティ[4])、それらの構成要素の外的に見える特性、及びそれらの間の関係 (例えば、その振舞い[5])を含む、事業[6]構造[7]の厳格な記述である[1][2]。EAは、用語、要素の構成、及びその外的環境とのそれらの関係、及び 要求分析[8]、設計[9]と事業体(エンタープライズ)の進化のための原則のガイドを記述をする。 この記述は、事業体の目標、事業プロセス[10]、役割、組織的構造、組織的振舞、事業情報[11]、ソフトウエア・アプリケーション[12]、及びコンピュータ・システム[13]を含む、包括的である。
EAの実践者は、彼ら自身『事業体仕組士(Enterprise_architect)』と呼ばれる。事業体仕組士は、事業体仕組の開発に責任を持つ人で、しばしばそれかあ結論を描き出す上で呼ばれます。事業体仕組を生成することによって、仕組士は、事業体の目的より効果的かつ効率的に追求する方法で、事業体を改善する機会を識別するためのツールを準備している。
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事業体仕組のスコープ
用語『事業体 (エンタープライズ) 』は、それが以下を含む多くの状況で一般に適用可能なことから使われる:
- 公共及び民間セクター組織
- 事業又は法人全体
- 大きな企業の (事業単位のような) 一部
- ジョイント・ベンチャやパートナのような複数組織の集合体
- 多重にアウトソースされた事業運営
用語事業体は、以下を含む、複合、社会-技術的システムを含む[3]:
- 人
- 情報
- 技術
記述されるべき事業体の境界あるいはスコープの定義は、事業体仕組を創生する最初のステップで重要である。それは、事業体仕組で使われる用語『事業体』が、組織によって採用される情報システムより一般的な意味を持つことに注意すべきである[4]。
方法と枠組 (フレームワーク)
事業体仕組は、事業体の構造とダイナミックスを理解し記述するため、様々な事業手法、分析技術及び概念的ツールを使う。そうすることにおいて、それらは、まとめて生成物 (ソフトウエア開発) :Artifactと呼ばれる、リスト、図面、ドキュメント及びモデルを生成する。これらの生成物は、事業体内の、事業機能、事業能力、事業プロセス、人材組織、情報資源、事業システム、ソフトウエア・アプリケーション、コンピューティング能力、情報交換、及びコミュニケーション・インフラの論理的組織を記述する。
有用な方法で事業体を記述するため十分完全な、これらの生成物の集合は、'事業体'レベルの仕組記述あるいは短く事業体仕組であるとEA実践者によって考えられる。UK国家コンピューティング・センタのEAベスト・プラクティス・ガイダンスは、以下のように表明する[5]:
通常EAは、一つの事業体の構造と機能を記述する凝集されたモデルの包括セットの形成を採る。
そして続けて
EAにおける個別のモデルは、事業体についての詳細さのレベルを深める際:その目的と目標;そのプロセスと組織;そのシステムとデータ;その使われる技術及び関心の球に関わるその他のすべてを、論理的方法で整合させる。
これは、一般的なTOGAFを含む幾つかのEA枠組で暗示される事業体仕組の定義である。
事業体仕組枠組 (Enterprise Architecture framework) は、特定事業体の仕組記述の生成において仕組士によって使われるツール、技術、生成物記述、プロセス・モデル、参照モデル、及びガイダンスを結びつける。
更なる情報のためには、事業体仕組枠組の関係論文を参照してください。
1992年にSteven Spewakは、教育コースで幅広く使われる事業体仕組の生成のためのプロセスを解説した[6] 。
実践の領域
幾つかの事業体仕組枠組は、幾つかの実践の領域あるいは仕組ドメイン (Architecture domain) に事業体仕組の実践を分割する。Spewakは、事業体仕組にるおけ彼の本で、レベル2で『ビジネス・モデリング』と『現状システムと技術』の2つのドメインに、そしてレベル3で『データ仕組』、『アプリケーション仕組』、及び『技術仕組』の3つの下位ドメインに分割した。SpewakのEAPの最終レベルは、『どのように』新しいモデルに合致する事業体に移行するかを取り扱う『実装』、又は『手法』レベルである。
一般的なTOGAF枠組 (フレームワーク) は、『事業仕組』、『情報システム仕組』、及び『技術仕組』の3つのドメインに実践に分割し、次に情報システム仕組を『情報仕組』と『アプリケーション仕組』にサブ分割した[7] 。
戦略的仕組モデルは、事業体の目的と目標からそのプロジェクトとプログラムを通してそのソフトウエア・アプリケーションと技術へ、事業体の多くの局面をカバーする10のドメインまでに柔軟な分割を可能にする[8] 。
EAドメイン:事業体仕組のランドスコープは、普通環境の属性に基づく種々のドメインと、業界EA枠組に基づく論理グループ化に分けられる。
複数のドメインへの実践の分割は、複数の重要な観点から事業体を記述する事業体仕組を可能にする。この実践はまた、多くの個人の貢献を奨励し、個々の特定ドメインの専門性や知識の全体として良い活用する実践を可能にする。このアプローチを採用することで、事業体仕組は、生成される全体的記述を確かにすることができる。
一般的で最も共通な4つのドメインとそれらの要素部分は以下のようである:
- 事業:
- 戦略マップ、目標、法人ポリシ、運用モデル (Operating Model)
- 機能的分割(e.g. IDEF0、SADT (Structured Analysis and Design Technique)、事業体/事業ライン仕組みとして表現された事業能力と組織的モデル
- 割り当てられた当事者、責任及びポリシを明確化する事業プロセス[14]、ワークフロー及びルール
- 組織のサイクル、周期、及びタイミング
- ハードウエア[15]、ソフトウエア[16]、及びサービスの供給者
- 情報:
- 情報仕組[17] - 事業体における情報の流れの全体的ビュー
- データ仕組[18]- データが処理され、格納される方法とそれを使うであろうプロジェクト・チームによって使われるデータフローの記述
- マスタ・データ管理[19]は、データがどこに存在するかに係わりの無いシングル・ビューを準備する目標を伴う、多くのアプリケーションと事業プロセスを横断して使われるデータの公式で信頼できる基盤である。
- メタデータ[20] - あなたの事業体のデータ要素[21]を記述するデータ
- 事業知性[22]分析と報告(BI)は、組織ユーザがよりよい事業の意思決定を支援するデータをアクセスするための、収集、格納、分析、及び提供のための幅広い分類である。これらは、意思決定システム、問合せと報告、ダッシュボード、スコアボード、統計分析、予測、及びデータマイニングなどの活動を含む。これには、報告データ・ストア:運用データストア(ODS)、データマート、あるいはデータウエアハウス等を含む。
- データ品質は、データ品質とデータ・インテグリティ課題と改善努力の識別、分析、改善、及び測定を支援する。
- データ・モデル[23]- 事業体情報仕組として表現された概念的、論理的及び物理的
- データと情報を、どのように生成し、分類し、更新し、利用し、分散し、そして保存するかと廃止を統治するデータ・ライフサイクル管理プロセス
- アプリケーション:
- アプリケーション・ソフトウエア[24] 概念的/機能的又はシステム事業体/事業ライン仕組として表現されたインベントリとダイアグラム
- API (Application programming interface) - それは:イベント、メッセージです
- 技術:
- アプリケーション相互の仲介、又は'ミドルウエア'
- アプリケーション実行環境と運用枠組-アプリケーション・サーバ環境とオペレーション・システム、認証と認証環境、セキュリティ・システム及び運用と監視システムを含む
- ハードウエア、プラットフォーム、及びホスト:サーバ (コンピューティング):[25]、データセンタ、及びコンピュータ室
- LAN[26] and WAN[27]、インターネット[28]接続図
- イントラネット[29]、エクストラネット[30]、インターネット[31]、電子商取引[32]、電子データ交換 (EDI) - 組織の内部と外部のパーティ間のリンク
- オペレーティング・システム[33]
- 情報インフラ[34]ソフトウエア、アプリケーション・サーバ[35], データベース管理システム (DBMS)
- プログラミング言語[36]等、事業体/事業ライン技術仕組として表現された
事業体仕組の利用
ある事業体の仕組の記述は、その事業自体の有効性と効率性を改善することが第一の目的である。これには、組織の構造、事業プロセスの集中又は連合、事業情報の品質と時間軸、あるいは情報技術 (IT) への投資が妥当性確認における革新を含む。
TOGAF (The Open Group Architecture Framework) 仕組枠組で記述されているように、ある事業の機能性の改善のためこの情報を利用する一つの方法は、『仕組的ビジョン』(『ターゲット』又は『将来の状態』目標を表現する事業の記述)を開発することを含む。 一旦このビジョンがよく理解されたなら、現在の状況からターゲットへの変化のプロセスを描く、中間ステップのセットが作られる。これらの中間ステップは、TOGAFによって『移行仕組』と呼ばれる。同様の方法は、他の事業体仕組枠組でも解説されている。
事業体仕組の利用の成長
事業体仕組を文書化することは、米国[37]連邦政府[38]でも資金計画と投資統制 (CPIC) プロセスの文脈で実施されている[9]。連邦事業体仕組 (Federal Enterprise Architecture) 参照モデルは、連邦機関が彼らの仕組の開発をガイドする一つの枠組として提供される[10]
[Intel]、Volkswagen AGのような独立ブルークロス会社とInterContinental Hotels Groupは、事業性能[39]と生産性[40]の改善と同じように、彼らの事業仕組を改善するため適用された事業体仕組も持っている[11]。
他の熟達性 (ディシプリン) との関係性
事業体仕組は、Dubai CustomsとAGL Energyのような彼らのIT管理戦略の一部として公式な事業体仕組を実装した、組織における情報技術統治Information technology governanceの主要要素である[12][13]。これは、事業体仕組がITと密接に結びついていることを暗示するかもしれない一方で、これはより技術的主題と同様に、事業仕組 (Business architecture) 、性能管理 (Performance management) 、及びプロセス仕組 (Process architecture) を扱う事業最適化 (Business optimization) の幅広い文脈で見るべきである。組織に依存し、事業体仕組チームはまた、性能工学 (Performance engineering)、ITポートフォリオ管理 (IT portfolio management)、及びメタデータ (Metadata)管理の幾つかの局面に責任があるかもしれない。最近、GartnerやForrester のような主役は、設計思考 (Design Thinking)とユーザ経験設計 (User Experience Design)のようなkこれからの全体的な実践との事業体仕組の重要な関係を強調した[14][15]。
合衆国OMBの2006 FEA 実践ガイダンスから次のイメージは、事業体仕組とセグメント(BPR)あるいはソリューション仕組 (Solution architecture)間の関係に光を当てている。(この図は、ソフトウエア仕組 (Software architecture)はまさにソリューション仕組規律である、例えば。
ソフトウエア仕組、ネットワーク仕組 (Network architecture)、及びデータベース仕組のような活動は、ソリューション仕組に部分的に貢献する。
発行された事業体仕組の例
民間組織のため、彼らの事業体仕組記述から豊かな詳細を公開することは一般的ではない。そうすることは、会社の市場的ポジションを妨げ得る組織の弱みと欠陥に関する情報を競合に提供する。しかしながら、世界中の政府機関の多くは、彼らが開発した仕組的記述を発行し始めた。そのよい例は、米国内務省と米国国防省の事業転換エージェンシを含む[16][17]。
以下も参照
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- 事業体仕組枠組 (Enterprise Architecture framework)
- 仕組パターン (EA参照仕組) (EA Reference Architecture)
- 事業技術管理 (Business Technology Management))
- 事業仕組計画 (Enterprise Architecture Planning)
- 事業体工学 (Enterprise engineering)
- 事業体ライフサイクル (Enterprise Life Cycle)
- 事業体統一プロセス (Enterprise Unified Process)
- 設計思考 (Design Thinking)
- グローバル情報ネットワーク仕組 (GINA : Global Information Network Architecture)
- 情報仕組 (Information Architecture)
- IT統治 (IT Governance)
- ITポートフォリオ管理 (IT Portfolio Management)
- ITサービス管理 (IT Service Management)
- 事業体仕組評価枠組 (Enterprise Architecture Assessment Framework))
- 事業体仕組士 (Enterprise Architect))
- オープンソース事業体仕組ツール (Open Source Enterprise Architecture Tools)
- サービス指向モデリング (Service-Oriented Modeling)での事業体仕組モデリング
参照
- ^ Giachetti, R.E., Design of Enterprise Systems, Theory, Architecture, and Methods, CRC Press, Boca Raton, FL, 2010.
- ^ MIT Center for Information Systems Research, Peter Weill, Director, as presented at the Sixth e-Business Conference, Barcelona Spain, 27 March 2007 [1]
- ^ Giachetti, R.E., Design of Enterprise Systems, Theory, Architecture, and Methods, CRC Press, Boca Raton, FL, 2010.
- ^ http://enterprisearchitecture.nih.gov/About/What/
- ^ Jarvis, R, Enterprise Architecture: Understanding the Bigger Picture - A Best Practice Guide for Decision Makers in IT, The UK National Computing Centre, Manchester, UK
- ^ Spewak, Steven H. and Hill, Steven C. , Enterprise Architecture Planning - Developing a Blueprint for Data Applications and Technology,(1992), John Wiley
- ^ The Open Group Architectural Framework (TOGAF) 8.1.1, (2009), http://www.opengroup.org/architecture/togaf8-doc/arch/toc.html
- ^ The Open Group Architectural Framework (TOGAF) 8.1.1, (2009), http://www.opengroup.org/architecture/togaf8-doc/arch/toc.html
- ^ Federal Government agency success stories, (2010), http://www.whitehouse.gov/omb/E-Gov/ea_success.aspx
- ^ FEA Practice Guidance Federal Enterprise Architecture Program Management Office OMB, (2007), http://www.whitehouse.gov/omb/assets/fea_docs/FEA_Practice_Guidance_Nov_2007.pdf
- ^ "Volkswagen of America: Managing IT Priorities," Harvard Business Review, October 5, 2005, Robert D. Austin, Warren Ritchie, Greggory Garrett
- ^ Dubai Customs declares greater business agility with enterprise architecture, (2009), http://www-01.ibm.com/software/success/cssdb.nsf/CS/CCLE-7R5UE8?OpenDocument&Site=default&cty=en_us
- ^ Case Study enterprise architecture fuels growth at AGL Energy, (2009),http://www-01.ibm.com/software/success/cssdb.nsf/CS/CCLE-7RM2CK?OpenDocument&Site=default&cty=en_us
- ^ Gartner Advocates Hybrid Thinking for Enterprise Architecture, (2010),http://cio.tekrati.com/research/10999/
- ^ Leslie Owens, Forrester Blogs - Who Owns Information Architecture? All Of Us., (2010),http://blogs.forrester.com/information_management/2010/02/who-owns-information-architecture-all-of-us.html/
- ^ US Department of the Interior Enterprise Architecture
- ^ US Department of Defense Business Enterprise Architecture, (September 2006 [2], or the 2008 BEAv5.0 version [3])
関係する外部リンク
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