ウラル航空178便不時着事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2025/07/10 10:19 UTC 版)
事故の9日前に撮影された事故機
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| 事故の概要 | |
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| 日付 | 2019年8月15日 |
| 概要 | バードストライクによる不時着、調査中 |
| 現場 |  ロシア・モスクワ州ラメンスキー地区ジュコーフスキー空港付近のトウモロコシ畑 北緯55度30分43秒 東経38度15分07秒 / 北緯55.512度 東経38.252度座標: 北緯55度30分43秒 東経38度15分07秒 / 北緯55.512度 東経38.252度 |
| 乗客数 | 226 |
| 乗員数 | 7 |
| 負傷者数 | 74 |
| 死者数 | 0 |
| 生存者数 | 233（全員） |
| 機種 | エアバス A321-211 |
| 運用者 | ウラル航空 |
| 機体記号 | VQ-BOZ |
| 出発地 | ジュコーフスキー空港 |
| 目的地 | シンフェロポリ国際空港 |
ウラル航空178便不時着事故（ウラルこうくう178びんふじちゃくじこ）は、2019年8月15日にロシアで発生した航空事故である。
モスクワ・ジュコーフスキー空港発シンフェロポリ国際空港行きだったウラル航空178便（エアバス A321-211）が、離陸直後にバードストライクにより推力のほとんどを失い、空港付近のトウモロコシ畑に胴体着陸した。
子供9人を含む74人が負傷したが、乗員乗客233人に死者はなかった。離陸直後にバードストライクで両エンジンが停止、機体は不時着し、犠牲者を出さなかったことは、アメリカで起きたUSエアウェイズ1549便不時着水事故に類するところがあり、同事故の通称「ハドソン川の奇跡」に準えて「トウモロコシ畑の奇跡（英語: Miracle in the Cornfield、ロシア語: Кукурузное чудо）」と称される[1][2]。
事故機
事故機のエアバスA321-211は、バミューダで機体記号VQ-BOZとして登録された機体だった。2003年に製造され、当初はマイトラベル航空に納入される予定だったが、キプロス・トルコ航空（TC-KTD）に納入された。その後、2010年にアトラスグローバル（TC-ETR）へ売却され、2011年にはソラリス航空（EI-ERU）が購入した。同年、ウラル航空に売却され、機体記号が現在のものに変更された[3]。事故により、機体は全損となった[4]。
事故の経緯
事故機には、乗員7人乗客226人が搭乗していた[5]。178便はUTC3時13分にジュコーフスキー空港を離陸した[6]。離陸する際にカモメの群れと衝突し、両エンジンが停止した。乗客の1人がバードストライクの瞬間の動画を撮影していた[7]。1回目のバードストライクにより左エンジンが完全に推力を失い、2回目でもう一方のエンジンも充分な推力を失った[4][8]。
パイロットは両エンジンを停止させ、トウモロコシ畑へ不時着することを決断した[9]。178便は、空港からおよそ5.13km地点のトウモロコシ畑に不時着した[4]。不時着は、着陸装置が格納された状態で行われた[10]。
搭乗していた全員が生存した[7]。複数の報告では、現場で55人が医師の診察を受け、29人が病院に搬送された。そのうち6人が入院することとなった[11][12][13]。最終的に74人が負傷したが、重傷者はいなかった[14]。
Flightradar24によると、機体は高度（AMSL）850フィート (260 m)ほどまでしか上昇せず、速度も170ノット (310 km/h)から徐々に減速していた[6]。
事故調査
事故機のブラックボックスは無傷で回収され、国家間航空委員会に送られる予定である[15]。
事故後
事故の翌日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは機長と副操縦士にロシア連邦英雄の勲章を授与し、5人の客室乗務員には勇敢勲章を授与した[16]。
脚注
- ^ “「トウモロコシ畑の奇跡」 ロシア機胴体着陸、２３０人無事”. 東京新聞. 2019年10月9日閲覧。
- ^ “エンジン停止、トウモロコシ畑に胴体着陸も火災・死者なし”. 47NEWS. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “VQ-BOZ accident details”. Aviation Safety Network. 2019年8月15日閲覧。
- ^ a b c Hradecky, Simon. “Accident: Ural A321 at Moscow on Aug 15th 2019, bird strike into both engines forces landing in corn field”. Aviation Herald. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “Passengers injured as Russian jet lands hard after hitting birds”. 2019年8月15日閲覧。
- ^ a b “Ural Airlines flight 178 lands in field shortly after take off”. 2019年8月15日閲覧。
- ^ a b Cole, Brendan. “Russian Plane With 234 People On Board Crash-lands in Cornfield After Birds Fly Into Engine Causing Fire, 23 Injured”. Newsweek. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “Moscow Passenger Plane Makes 'Miraculous' Crash-Landing in Cornfield”. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “A321 von Ural Airlines landet in Maisfeld” [A321 of Ural Airlies lands in maize field] (German). Aerotelegraph. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “Russian airliner with 233 onboard suffers birdstrike, makes BELLY LANDING near Moscow (VIDEO)”. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “Russia bird strike: 23 injured after plane hits gulls and crash-lands”. BBC News Online. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “Passengers injured in emergency landing after Russian jet hits birds”. CBS News. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “Russian jet crash-lands in field outside Moscow after striking flock of gulls”. CNN. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “Число пострадавших при посадке A321 в поле возросло до 74 человек [The number of injuries during the landing of A321 in the field reached 74]” (ロシア語). (2019年8月15日)
- ^ “Plane crash landing in Moscow region leaves 23 injured”. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “Путин присвоил звания героев пилотам аварийно севшего в Подмосковье самолета”. Ведомости (2019年8月16日). 2019年8月16日閲覧。
関連項目
- USエアウェイズ1549便不時着水事故
- エチオピア航空604便不時着事故
- ウラル航空1383便不時着事故 - 4年後に同じ航空会社で発生した不時着事故。
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