アロンソ・カーノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/18 23:09 UTC 版)
アロンソ・カーノ Alonso Cano |
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作者不詳の肖像画
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誕生日 | 1601年2月19日 |
出生地 | グラナダ |
死没年 | 1667年9月3日 |
死没地 | グラナダ |
アロンソ・カーノ(Alonso Cano Almansa、1601年2月19日 - 1667年9月3日)はスペインの画家、彫刻家、建築家である。スペインのバロック絵画の進展において重要な人物である。
略歴
グラナダで生まれた[1]。父親のミゲル・カーノはカスティーリャ・ラ・マンチャ出身の彫刻家、建築家で父親から美術を学んだ。グラナダを1614年に訪れた画家のフアン・デル・カスティーリョ(Juan del Castillo: 1593-1657)がカーノの才能に驚き、父親にセビリアで学ばせることを勧めたとされる。1614年か1615年に家族とセビリアに移り、当時セビリアで最も有力な画家のフランシスコ・パチェーコの工房に入った。パチェーコの工房にはディエゴ・ベラスケスが学んでいて、生涯を通じて友人となった。また、彫刻家のフアン・マルティネス・モンタニェース(Juan Martínez Montañés:1568–1649)に彫刻を学んだとされてきた。修行の一方、父親との祭壇画の制作を続けていた。1627年に最初の結婚した妻が産褥で亡くなった後、1631年に画家、フアン・デ・ウセーダ(Juan de Uceda: 1570-1631)の姪と再婚した。
1683年にフェリペ4世の寵臣、ガスパール・デ・グスマンに招かれマドリードに移り宰相付きの画家になり、皇太子バルタサール・カルロス・デ・アウストリアの絵の教師も務めた[1]。マドリードの王宮に集められた16世紀のベネチア派の絵画や、ベラスケスの作品に影響を受け、鮮やかな色使いの人物画を描くようになった。
1644 年に彼の妻が殺害され、アロンソは殺人罪で告発され、拷問も受けたとされるが、有罪は証明されなかった。この事件の後、バレンシアに移り、1年間滞在し、修道院(Convento de San Francisco)で過ごした。
1647年にマドリードの戻り、修道会(Hermandad de Nuestra Señora de los Siete Dolores)の修道士(mayordomo)になった。1651年にグラナダに戻り、聖職の資格を取るための修行をし、1652年に律修司祭(Canónigo)になった。グラナダの多くの修道院、教会の装飾画を描いた。1660年にマドリード、サラマンカに滞在し、司祭に叙階され、グラナダに戻った。亡くなるまで聖職者として働いた。
作品
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フランシスコ・ボルハ - イエズス会総長(1624)
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スペインの国王 (1640)
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アッシジのフランチェスコ(1651)
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Concepció Immaculada彫刻作品
脚注
- ^ a b Alonso Cano – Catholic Encyclopedia article
参考文献
- Alonso Cano. Arte e iconografía. Catálogo de exposición. Granada: Arzobispado de Granada. 2002. ISBN 84-607-4488-4.
- GÓMEZ MORENO, Manuel. Alonso Cano, escultor. Archivo Español de Arte y Arqueología. Madrid: 1926, N.º 2.p. 195.
- GÓMEZ MORENO, Mª Elena. Alonso Cano. Granada: 1954. pp. 34-35 y 66-67.
- MARTÍNEZ CHUMILLAS, Manuel. Alonso Cano. Pintor, escultor y arquitecto. Madrid: 1949
- PALOMINO, Antonio (1988). El museo pictórico y escala óptica III. El parnaso español pintoresco laureado. Madrid : Aguilar S.A. de Ediciones. ISBN 84-03-88005-7.
- PÉREZ SÁNCHEZ, Alonso E. (1992), Pintura Barroca en España, 1600-1750. Madrid: Cátedra, ISBN 9788437609942
- SÁNCHEZ-MESA MARTÍN, Domingo. El arte del barroco: escultura-pintura y artes decorativas. En: PAREJA LÓPEZ, Enrique. Historia del Arte en Andalucía, t. VII. Sevilla: 1991. p. 211.
- VÉLIZ, Zahira; CERÓN, Mercedes (2011), Alonso Cano (1601-1667), dibujos: catálogo razonado, Santander: Fundación Botín, ISBN 9788496655775
- WETHEY, Harold E. (1983), Alonso Cano: pintor, escultor y arquitecto, Madrid: Alianza Editorial, 1983, ISBN 9788420670355
アロンソ・カーノ
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「スペイン黄金時代美術」の記事における「アロンソ・カーノ」の解説
アロンソ・カーノは1601年グラナダ出身の画家でセビリアに移り、ベラスケスと同じくパチェーコに師事。そのためベラスケスとは知り合いで長年友情関係で結ばれることになる。彼は彫刻も学んでおりそこで培った手法で古典的な雰囲気を出した。典型的なセビリア絵画の流れとは異なった所に位置する画家であり、スルバランのライバルでもあった。1638年にベラスケスの招きでマドリードへ移り、その独特の絵画で地位を確立していく。
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