アヌレンとは? わかりやすく解説

アヌレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/15 17:11 UTC 版)

アヌレン英語: annulene)とは、完全に共役した単環式の炭化水素の総称である。芳香族性とは一体どういう性質なのかを知るために、詳しく調べられた化合物群の1つである。


注釈

  1. ^ シクロプロペンのように炭素数3つでも環状化合物は有り得るものの、環を構成する炭素数が奇数では、環状であること以外のアヌレンの定義を満たせない。
  2. ^ 極限構造式(canonical structure)は、別名として、限界構造式(canonical structure)とも、共鳴構造式(resonance structure)とも、寄与構造式(contributing structure)とも呼ばれる。
  3. ^ つまりベンゼンは、存在しない分子であるシクロヘキサトリエンではなく、芳香族性を有した炭化水素だった。これに対して、シクロオクタテトラエンは、単に8員環を構成する炭素間の結合形式で見ると、単結合と二重結合とが交互に並んでいるだけで、芳香族性を示さない炭化水素だった。これらが判明した。後に、X線構造解析などによって、ベンゼンは炭素間の結合距離が約0.139 nmであるのに対し、シクロオクタテトラエンは炭素間の結合距離が約0.134 nmと約0.148 nmの異なる長さの結合が交互に並んでいると判明した。

出典

  1. ^ IUPAC, Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book") (1997). オンライン版:  (2006-) "annulene".
  2. ^ Ege, S. (1994) Organic Chemistry:Structure and Reactivity (3rd ed.) D.C. Heath and Company
  3. ^ Dublin City University Annulenes
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n T.W.Graham Solomons、Craig B. Fryhle 著、花房 昭静、池田 正澄、上西 潤一 監訳 『ソロモンの新有機化学 (上巻) (第7版)』 p.506 廣川書店 2002年10月5日発行 ISBN 4-567-23500-2
  5. ^ Harold Hart(著)、秋葉 欣哉・奥 彬(訳)『ハート基礎有機化学(改訂版)』 pp.106 - 108 培風館 1994年3月20日発行 ISBN 4-563-04532-2
  6. ^ a b c T.W.Graham Solomons、Craig B. Fryhle 著、花房 昭静、池田 正澄、上西 潤一 監訳 『ソロモンの新有機化学 (上巻) (第7版)』 p.507 廣川書店 2002年10月5日発行 ISBN 4-567-23500-2
  7. ^ T.W.Graham Solomons、Craig B. Fryhle 著、花房 昭静、池田 正澄、上西 潤一 監訳 『ソロモンの新有機化学 (上巻) (第7版)』 p.499 廣川書店 2002年10月5日発行 ISBN 4-567-23500-2
  8. ^ Harold Hart(著)、秋葉 欣哉・奥 彬(訳)『ハート基礎有機化学(改訂版)』 p.105 培風館 1994年3月20日発行 ISBN 4-563-04532-2
  9. ^ a b T.W.Graham Solomons、Craig B. Fryhle 著、花房 昭静、池田 正澄、上西 潤一 監訳 『ソロモンの新有機化学 (上巻) (第7版)』 p.500 廣川書店 2002年10月5日発行 ISBN 4-567-23500-2
  10. ^ T.W.Graham Solomons、Craig B. Fryhle 著、花房 昭静、池田 正澄、上西 潤一 監訳 『ソロモンの新有機化学 (上巻) (第7版)』 p.505 廣川書店 2002年10月5日発行 ISBN 4-567-23500-2


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アヌレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:19 UTC 版)

IUPAC命名法」の記事における「アヌレン」の解説

アヌレン((-CH=CH-)n/2 n≧3、閉じた構造)(annulene) は、環を構成する炭素大括弧示しその後にアヌレンとつなげることでその名を得る。 ( − CH = CH − ) 7 {\displaystyle {\ce {(-CH=CH-)7}}} (閉じた構造) [14]アヌレン ([14] annulene)

※この「アヌレン」の解説は、「IUPAC命名法」の解説の一部です。
「アヌレン」を含む「IUPAC命名法」の記事については、「IUPAC命名法」の概要を参照ください。

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