アガペーの選択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:26 UTC 版)
神が人間を無償において、限りなく愛していることは、『新約聖書・福音書』において、イエズスが弟子たちや人々に述べ伝えていることである。『マタイ福音書』にある著名な「山上の垂訓」においても、「神は、善なる者にも、悪なる者にも、変わることなく、太陽の光の恵みを与えてくださる」というように、人間をその行為や社会的地位や身分や性別などによって区別せず、恵みを与えてくれる存在として宣明されている。 また同じ「山上の垂訓」において、イエズスは、知人や友人、家族などを愛するだけでは十分ではない。そういうことは異邦人や取税人もしている。わたしの教えに従う者は、みずからの「敵」さえも愛さねばならないとして、単なる「隣人愛」以上の普遍的な人間愛を語っており、このような愛を通じて、「神の子」となりえるのであるとしている。このことは、「善きサマリア人のたとえ」のなかでも示唆されている。ここでイエズスが述べている「愛する」という言葉は、ギリシア語原文では αγαπειν という動詞であり、この動詞の名詞形が「アガペー」である。
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