やわらか忍法SOS
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やわらか忍法SOS | |
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ジャンル | 少年漫画、忍者 お色気 |
漫画 | |
作者 | 帯ひろ志 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | コミックボンボン |
レーベル | 講談社コミックボンボン[1] |
発表号 | 2004年4月号 - 2005年12月号 |
巻数 | 全3巻 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『やわらか忍法SOS』(やわらかにんぽうエスオーエス)は、帯ひろ志による日本の漫画作品。
概要
2003年9月号に掲載された読み切り作品『柔か忍法SOS』をプロットにしている。帯は同誌で『がんばれゴエモン』のコミカライズを手掛けており、同作ではゴエモンシリーズよりもお色気描写がさらに過激になっている。最終回後に『コミックボンボン』がリニューアルされ、その2年後に休刊したため、結果的に『コミックボンボン』最後のお色気漫画となった。
単行本は2021年現在は絶版となっている。一方電子書籍は「マンガ図書館Z」から全3巻+『柔か忍法SOS』が無料配信されている。
あらすじ
ある日突然轟快太は、婿候補として百池(ももいけ)の里に連れて来られた。その地で忍術を体得できれば明日香姫と結婚して殿様になれると言われるが、落第すればユリネと結婚させられ労働力として使われる事に。快太の将来を懸けた忍術修行が始まる。
登場人物
主要人物
- 轟 快太(とどろき かいた)
- 本作の主人公。11歳。先祖が百池の者と関わった縁で明日香の婿候補として選ばれる。かなりスケベな面を持つ。
- 忍者として修業したり活動する際には、黄緑色を基準とした忍装束を纏っている。
- アヤメ
- 百池の里のくノ一で、快太の教育係。最初は快太に呆れ否定的であったが、毎日の修行に付き合ううちに徐々に恋慕にも似た情が芽生えていく。
- 常にパンチラするほどに丈の短いスカートが特徴の、青を基準とした忍装束を纏っている。忍者としての実力は相当高い上に怪力の持ち主であり、百池の里のくノ一ではおそらく一番の遣い手。
- 所謂お色気キャラであり、敵側の忍者や敵の術によって洗脳された快太、果てには野生のクマの攻撃によって服を破かれて、幾度もブラジャーやパンティを晒されたり下着姿にされている。
- 明日香と獣兵衛の結婚を阻止するため会場に乱入するもあえなく捕まり磔にされた際には、獣十衛に羽箒によるコチョコチョ拷問の後ビキニのブラを剥ぎ取られ生パイを獣兵衛とその部下大勢に目撃されている。
- バストのサイズは、後述の梅浦那闇によると92のDカップとの事。
- 明日香(あすか)
- 百池の里の姫君。常に笑みを絶やさない美少女でスタイルも抜群。快太を気に入っている。後に一緒に修行をしたエピソードの際さらに仲を深め、相思相愛と言ってもいい関係になっている。
- 普段は姫君として暮らしており、忍者の腕前を披露することは少ない。一応それなりの訓練を受けているらしく、あるエピソードでは酔っていたとはいえ、後述の野乳 獣兵衛Jrに物凄い威力のかかと落としを食らわしてノックアウトしている。
- 百池の里で育ったゆえにかなりの世間知らずで、快太の前で堂々と全裸になったり、男の裸体にも全く動じないほどの天然ボケ。
百池の里
- おばば
- 快太のお目付け役の老女。若い頃はアヤメによく似た美女だった。
- ユリネ
- 明日香と同じく快太の嫁候補である少女。怪太が絶句するほどの醜女で、快太を狙っているが、獣兵衛のことも気に入ってしまう[注 1]。獣兵衛を追いかけまわしている一コマがあるが、それ以降は一切登場しない。
- 花梨(かりん)
- アヤメの妹。やわ忍くの一を目指して修行中のショートヘアの女の子。快太のこともアヤメから聞いて知っており、出会った時から割合好意的に接する。
- 忍術や体術は合格しているのだが、やわ忍に必要な「胸の大きさ」が無かったために資格を得ることができなかった。本人も悩んでおり(曰く「アヤメ姉さんが合格した時の歳を超えているのに、ちっとも大きくならない」)、なんとか誤魔化して合格しようとするのだが、結局かなわなかった。
- アヤメは「私の妹だから、そのうち大きくなる」と言って慰めている。
蜘蛛隠れ
- 野乳 獣兵衛Jr.(やにゅう じゅうべえジュニア)
- 蜘蛛隠れの党首。一見すると美男子だが、快太と同じくスケベな性格。明日香のポートレイト写真に涎塗れのキスをしていたりという、少し危ない面も持つ。
- 明日香を狙っており[注 2]、他の明日香の婿候補となる男を抹殺したり、力づくで拉致するなど手段を選ばない。党首だけあって自身もそれなりには修行を積んでいるようで、余裕で快太を倒すシーンが複数回存在する。
- イズナ
- 獣兵衛の妹。容姿は兄と同じく端麗で、スタイルも良い。
- 蜘蛛隠れの忍の中では最強の実力の持ち主で、獣兵衛も彼女には頭が上がらない。極度の男嫌い(曰く「男はみんな情けない」)でもあり、その辛辣さから獣兵衛含む蜘蛛隠れの皆に恐れられている。詳細は不明だが、犬にトラウマがある模様(ただし抱き上げることはできる)[注 3]。
- 主な武器として、リモコンで軌道を操る事のできるヨーヨーを使う。
- 快太の抹殺に赴くが、ふとしたアクシデントで快太にキスをしたことがきっかけで彼に惚れ込み、執着するようになる。
- 五霧(ゴリ)
- 獣兵衛の側近。
- ポコ丸 / ポコ美
- 蜘蛛隠れに所属する忍犬。犬でありながら蹴り技を特に金的攻撃を得意しており、これまでに多くの男の睾丸を蹴り潰してきた(その威力は五霧曰く「本気を出せば岩をも砕く」ほど)経歴を持つ。脚が短いことを指摘されると激昂する。
- 捨て犬の百池に潜入し[注 4]快太を襲撃するも、返り討ちに遭い逆に睾丸を蹴り潰されてしまう。その後は元オス犬の「ポコ美」として生きる羽目になってしまい、以降は快太を逆恨みする様になる。
蜘蛛隠れ流くノ一
- 梅浦 那闇 (うめうら なやみ)/ 歌姫なやや
- 蜘蛛隠れ流くノ一の一人で、普段は人気アイドルとして活動している美少女。くノ一としての実力も高く、99のFカップを誇るバストを持つのを自慢していたが、本物ではなく胸部に風船を仕込んでいるだけである[注 5]。
- お銀
- 蜘蛛隠れ流くノ一の一人で、ポコ丸の上司。499人もの男の睾丸を潰してきた経歴から「玉潰しのお銀」という二つ名を持つ。
- 快太の睾丸を狙うもアヤメに阻まれて失敗した。最終話にも登場し、蜘蛛隠れの襲撃から逃げようとする快太をポコ美と組んで襲うもおばばに返り討ちにされた。
- パイアール
- 蜘蛛隠れ流くノ一の一人で、「蜘蛛隠れ流女王様」と自称する。ホレホレ催眠忍法を使い、快太を催眠でしもべにしてアヤメと同士討ちさせようとする。
- この催眠術は一度かかれば死ぬまで解けないとされていたが、愛情を込めた口づけをすれば解けるという弱点があり、アヤメのキスによって快太は催眠から覚めてしまい目論見は失敗。懲りずに快太をまたしもべにしようとするも、その際にパイアールの胸に見惚れた快太を巨大ハンマーで制裁するアヤメの姿に恐怖して逃走する。
その他
- 熊
- 「修行三」に登場した、不動の滝にある毒消し草を取りに来たアヤメの前に現れた、野生の熊。相当スケベな性格で、アヤメのパンティを脱がしたり、彼女の服を爪で引き裂いてブラジャーやパンティを晒したりして喜んでいたが、アヤメが放った「やわらか忍法 岩山龍衝斬」の威力を目の当たりにして、あっさりと白旗を振った。
- 快次郎
- 「修行七」に登場した忍者の幽霊。渚という婚約者がいたが修行中に溺死してしまい、彼女に思いを伝えられないまま死んでしまった未練から現世を彷徨い49番地に現れる幽霊として里の住人から恐れられていた。出会った快太に乗り移って渚を探して騒動を起こし、出会ったおばばを妖怪扱いしアヤメを渚と勘違いして襲うも、おばばの仕草から彼女が渚であった事に気づき[注 6]、未練を果たせたとして快太に感謝しながら成仏した。
用語集
- 百池の里
- 忍びの一族が住む隠れ里。里には何故か女しか産まれないため、縁戚にあたる男を婿として迎えるなどして血脈を繋いでいる。
- 里の中では比較的江戸時代に近い暮らしをしているが、部屋にテレビがあったり、アヤメが里の外のデパートに出かけたり、里の者全員でビーチに遊びに行ったりと、現代文明の暮らしを拒否しているわけではない。
- 『やわ忍くノ一』として認められお城で働くことが最高の名誉となっている。やわ忍として認められるためには体術や忍術は勿論「女の重要な武器である胸が立派であること」というのが大昔からの掟であり、「やわ忍」のやわは「やわらかな胸」の意味も持っている。このため城勤めの女性は皆たわわな胸の持ち主ばかりである。
- 里の周囲には結界が張られているため、忍びの心得のない余所者が近づくことは出来ない[注 7]。
- 蜘蛛隠れ
- 百池と敵対している忍びの一族。男女両方が存在している。
- 百池と比べるとビルの中に住んでいたり、高度な科学や機械技術を用いて様々な物を作りだしたりと、現代文明の暮らしを享受している。財力も百池よりかなり高い模様。
書誌情報
- 帯ひろ志『やわらか忍法SOS』講談社〈講談社コミックボンボン〉、全3巻
- 2004年10月初版発行[1]、ISBN 4-06-332012-X
- 2005年6月初版発行[2]、 ISBN 4-06-332025-1
- 2005年12月初版発行[3]、 ISBN 4-06-332039-1
出典
- ^ a b “やわらか忍法SOS 第1巻”. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “やわらか忍法SOS 第2巻”. 2021年10月9日閲覧。
- ^ “やわらか忍法SOS 第3巻”. 2021年10月9日閲覧。
脚注
注釈
- ^ 獣兵衛が明日香を連れ去るシーンにて紛れ込んでいる。
- ^ 「修行二十一」で、幼いころに怪我をした獣兵衛を偶然出会った明日香が手当してくれたことで一目惚れをしたというエピソードが明らかになる。
- ^ 「修行十四」で、子犬を見た際「今はこんなに小さい子犬だけど、やがて大きく育ち…」と言って、快太が犬に食い殺される妄想をしており、何故かその際に犬の名前を「エリザベス」としていた。
- ^ 百池の潜伏してから女しかしない環境に浮かれて使命を忘れてしまったため、業を煮やした五霧に叱責されて漸く思い出した。
- ^ 「揺れ方が違う」という理由でアヤメに既に見抜かれていた。
- ^ 彼女の台詞から自身が逝去してから100年が経過していたことが判明する。
- ^ 先述の梅浦 那闇などは結界を突破して里の内部に辿り着いている。
外部リンク
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