道盛(みちもり)の働(はたらき)
- 八文字屋本の『野白内証鏡』に、「道盛の働をうつし、いやおふなしに首尾してしまひ」とあり。『枕絵づくし』に「昔たひらのみちもりは軍の門出に具足を着しながら女をして慰む」とあり。又川柳に「道盛は寝巻の上へ鎧を著」といふあり、此道盛とは平通盛のことにて通盛が好色者なりしによる。即ち道盛の働とは過度の交接を云ふなり。
- 道盛の働き。短時間内に性交すること。早卒の間の情交、所謂「ちよんのま」のこと。昔、平の道盛、討死を期し軍に出でんとする門出に際し、小宰相局と別れを惜しみ戦陣〓劇の間に交会せる故事より出づ。「和漢遊女容気」五に「道盛のいくさの門出見るやうに立乍らの早業しかかる時」とあり。「野白内証鏡」に「道盛の働きをうつしいやおうなしに首尾してしまひ」とあり。「道盛は寝巻の上へ鎧を着」「小宰相まづいへのこでされるなり」「泣きながらした跡をふく小宰相」。謡曲、並に「平家物語」にこの故事見ゆ。
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