ちよんちょん幕(まく)
- ちよんの間(ま)と云ふに同じ。田舎の俗謡に「山でちよんちょんすりや、樹の根が枕」といふあり。式亭三馬の『辰己婦言』には「放蕩家の呉王、姑蘇台に西施をして、チヨンチヨン幕の楽みも、かくやあらじ……」とあり。又「ちよんの幕」とも云へり。ちよんの間、『枕文庫』には「早急(ちよん)の間」と書き、『誹諧通言』の吉原語解説の中には「一寸(ちよん)の間、客に約束の内、忍でいろに逢ふ事」とあり。チヨンは和語にあらず、唐の『白行簡賦』に「当〓拠之一廻勝安床之百度」とある「〓(ツオン)」は急匆の意、「拠」はツマムの意、此ツオンを我邦人が聴き伝へてチヨンと訛るに至りしならんと或人云へり。
- 人目をぬすみて性交すること。ちよんの幕。「ちよんのま」に同じ。式亭三馬「辰己婦言」に「放蕩家の呉王姑蘇台に西施をしてちよんちよん幕の楽みもかくやあらじ」とあり。
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