T・Pぼん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/23 22:19 UTC 版)
アニメ
第1作
1989年10月14日に、日本テレビ系にて2時間枠の特別番組「藤子・F・不二雄アニメスペシャル SFアドベンチャー T・Pぼん」として放送された(放送時間は19:00 - 20:54)。日本テレビ系列では1973年放送の『ドラえもん』以来16年ぶりの藤子不二雄アニメ。
原作の「消されてたまるか」「バカンスは恐竜に乗って」「ピラミッドの秘密」「通り魔殺人事件」「T・P隊員の犯罪」の各エピソードを元に構成されている。ナレーションは富田靖子。物語の最後でぼんとユミ子が命令違反を犯すが、その処分が明示されないままエンディングとなっている。
冒頭では、1988年にアメリカの物理学者キップ・ソーンがタイムマシンの研究をしているというニュースが紹介された。
原作漫画からの変更
アニメ第1作では現代シーンを放送当時の時代背景に合わせたり、複数のエピソードを一編にまとめる関係から諸々の設定が変更された。
- ぼんの住んでいる現代が1979年から1988年に変更。
- ぼんの通う学校の制服が学ラン・セーラー服から男女ともブレザー[33]に変更された。
- 安川ユミ子と白木陽子がキャラ統合され、ユミ子が陽子に似た容姿のぼんのクラスメートに変更された[34]。
- ゲイラの役職が監察官からT・P隊長に変わり、風貌も髭を蓄えた熟年に改められた。
- タイムボートが冒頭からニュータイプ(原作漫画では第3部から登場する)。
- ユニフォームがアニメ用のオリジナルデザインに変更された[35]。女性用のユニフォームはリームがスラックスでユミ子はスカートになっているが異なる理由は不明。
- フォゲッターに関する描写がまったく登場しない。ぼんが見習い隊員に採用された際もフォゲッターは支給されなかった。
- ぼんがT・P隊員に採用されるのに審査があり、学業成績や運動能力は今ひとつだったが最終的に「両親が共働きで昼間不在という環境がT・Pの秘密を守るのに適している」という好条件から見習い隊員として採用されている。
- ユミ子が通り魔に襲われるくだりがなく、T・Pになる経緯は「正隊員に昇格したばかりのぼんの制服姿とタイムボートを目撃してしまい、タイムボートを誤作動させた挙句に任務遂行中に負傷したリームと遭遇。ぼんの連絡を受けて駆けつけたゲイラに自分を売り込んでいきなり正隊員として迎えられる」というものに変更された。
- 犯罪を犯すT・P隊員が「T・P隊員の犯罪」に登場する19世紀の隊員ジョン・デフォーから、アニメオリジナルであるリームの兄のルイに変更された。顛末も「逮捕される」から「見逃す」に変更された。
- リームがぼんを恋慕していることが明示化された。
スタッフ(第1作)
- 原作 - 藤子・F・不二雄
- 企画 - 武井英彦(日本テレビ)
- 脚本 - 雪室俊一
- 作画監督 - 丹内司
- 美術監督 - 小林七郎
- 撮影監督 - 羽山泰功
- 音響監督 - 藤山房伸
- 音楽 - 筒井広志
- プロデュサー補 - 福与雅子(日本テレビ)、早坂仁(スタッフ21)
- ファッションコーディネーター - 三浦静加
- プロデュサー - 堀越徹(日本テレビ)、菅野てつ勇(スタッフ21)、若菜章夫(ぎゃろっぷ)
- 監督、コンテ - 湯山邦彦
- 演出 - 風村久生
- 原画 - 山内昇寿郎、山本哲也、尾鷲英俊、末吉裕一郎、金山明博、アベ正己、細山正樹、茶谷与志雄、塚本哲哉、小川博司、中村あゆみ
- 動画チェック - 中村裕
- 動画 - 日野寧子、鈴木宮生、今井誠、岡島八大、直原真治、橋本明美、小川祐子、藤本真弓、古沢八重子、荒野真理子
- 色指定 - 田原洋
- 特殊効果 - 橋爪朋二
- 仕上 - 森沢千代美、久保田曜子、米井ふじの、柏谷正子、柳登紀、坂本和子、東恵美子、砂川敬子、矢田葉子、江田政子
- 美術設定 - 木村真二
- 背景 - 柴田聡、磯部文江、白石誠、嶋田昭夫、近藤康敬、柿本八起
- 撮影 - 清水泰宏、小堤勝哉、田村洋、赤沢賢二、西山城作、荒川智志、小林徹
- 編集 - 古池東風
- タイトル - マキ・プロ
- 現像 - 東京現像所
- 音響制作 - セントラル録音
- 効果 - 加藤昭二(アニメサウンドプロダクション)
- 録音調整 - 星野敏昭、住谷真
- 録音スタジオ - 東京テレビセンター
- 制作進行(音響) - 中野徹
- 音響プロデュサー - 南沢道義
- 広報担当 - 岩上喜達(日本テレビ)
- 制作担当 - 若菜三樹雄
- 制作デスク - 和崎伸之
- 制作協力 - 小学館、バップ
- アニメーション制作 - スタジオぎゃろっぷ
- 制作 - 日本テレビ、スタッフ21
主題歌(第1作)
第2作
この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。 |
藤子・F・不二雄の生誕90周年を記念し、Netflixでシーズン1が2024年5月2日に、シーズン2が同年7月17日に配信予定[21]。藤子・Fの新作アニメは2003年の『パーマン』第3作以来21年ぶりとなる。また、レギュラーシリーズのアニメが新たに制作されるのは1995年の『モジャ公』以来29年ぶりで、藤子・Fの没後は初となる(詳細は藤子不二雄のアニメ作品を参照)。
スタッフ(第2作)
- 原作 - 藤子・F・不二雄[12]
- 監督 - 安藤真裕[12]
- シリーズ構成 - 柿原優子[36]
- メインライター - 佐藤大[36]
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 佐藤雅弘[36]
- メカニカルデザイン -玉盛順一朗[36]
- 美術デザイン - 綱頭瑛子[36]
- 美術監督 - 大西達朗[36]
- 色彩設計 - 中山しほ子[36]
- 撮影監督 - 張盈穎[36]
- 3DCG監督 - 三宅拓馬[36]
- 編集 - 高橋歩[36]
- 音響監督 - 若林和弘[36]
- 音響効果 - 倉橋静男、西左知子(サウンドボックス)[36]
- 音楽 - 大島ミチル[12]
- 企画協力 - 藤子プロ
- アニメーション制作 - ボンズ[12]
- 製作 - Netflix[12]
- ^ のちの藤子・F・不二雄
- ^ TPの間に中黒が入るのが正式な表記で作中もそれで統一されている。
- ^ 作中で主人公が住んでいる時代よりも未来へ行ったのは1回だけ(PART14、超空間の漂流者)であり、本作は基本的には過去の時代のみを舞台にする物語である
- ^ 第3部の25話~31話は隔月連載。
- ^ 「「ポコニャン」そして「T・Pぼん」のこと」『藤子・F・不二雄大全集 ポコニャン』解説:浮田信行(潮出版社取締役)(初版)、小学館(原著2011年10月25日)、356頁。ISBN 978-4091434746。
- ^ “Netflixシリーズ「T・Pぼん(タイムパトロールぼん)」2024年に独占配信決定!”. 2023年10月5日閲覧。
- ^ 第1部ではぼんが正隊員に昇格したことでリームとのコンビが解消されているが、第2部の途中で「T・Pは原則二人で行動すること」というルールが追加されている。
- ^ 場合によってはタイムマシンを使用した犯罪行為の回避・犯罪者の逮捕を行う場合もある。
- ^ 「ドラキュラの館」より。これによりT・P隊員自身が犠牲になった場合の救助も行えないものと思われる。
- ^ 装備品一式は単行本収録時に追加されている。初出では制服、ブーツ、ヘルメット、フォゲッター、タイムシーバーのみでユミ子の支給品と同等だった。
- ^ 生贄にされそうになった少女を助けたいとユミ子がばんに言った際、ぼんは「この世界の歴史は、積み上げられた不安定なブロック塀の上に立っているようなもので、その中の壊れたブロックを補修し入れ替えるのがタイムパトロールの仕事で、もし歴史に介入し壊れていないブロックまで動かしたら、この世界が滅茶苦茶になってしまう」とユミ子に説明している。
- ^ a b c d e f g “藤子・F・不二雄「T・Pぼん」2024年アニメ化 制作はボンズ、凡役は若山晃久”. ナターシャ (2023年10月4日). 2024年3月23日閲覧。
- ^ 日テレアニメ版では1988年。
- ^ #21「武蔵野の先人たち」より。
- ^ ぼんが腹いせに蹴った小石が通行人の頭に当たり、怒った通行人がぼんを追いかけていると、たまたま古井戸の跡に落ちていた子供を見つける。通行人に命を救われた子供は、その後成人してガンの根治法を発見する。治療により命を救われた政治家が第三次世界大戦を防ぎ、人類を絶滅から救う。すなわち、ぼんは非常に間接的にだが人類の未来を救うとされる。なおアニメ第1作ではこの経緯は省略されている。
- ^ 第2部でも、過去のぼんとの活動をぼんとユミ子が目撃する場面が2コマのみある。
- ^ 希望コミックス第1巻2話での設定。ぼんが住んでいる世界は第2巻2話で「昭和54年(1979年)」と語られているので、リームが住んでいる世界とは約37年差の計算になる。
- ^ 「OK牧場の近所の決闘」の回の圧縮学習で、ぼんが「僕なんか英語もね」と言っていることによる。
- ^ ただし、ブヨヨンによると、タイムボートのメンテナンスを怠ってよく故障させているらしく、地はややドジで面倒くさがり屋。いずれにしても使命感・責任感は強い性格として描かれている。
- ^ 「シンドバッド最後の航海」に「見てくれ、この金色の髪! シミ一つない白い肌!!」という奴隷商人の台詞があるが、色の感じ方、色を表す言葉、その日本語訳は文化や個人によって異なる。アニメ第1作では、漫画よりもやや茶色味が強い赤茶色で描かれている。
- ^ a b c d e f g “アニメ「T・Pぼん」キービジュと配信日解禁、追加キャストに宮野真守ら6人”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年3月23日). 2024年3月23日閲覧。
- ^ リームと似たような容姿になるが、髪の長さはリームよりも短い
- ^ a b c #6「白竜のほえる山」でクラスの新年会の出し物を一緒に考えていたことによる。
- ^ 柳(やなぎ)となっている回も存在する。
- ^ 時間移動用と空間移動用。新型のボートは「タイムジャンプキー」のトリガーも付いている。
- ^ 新型のボートはフロントにメーター類が備わったコンソールがある。
- ^ 特定の時代の特定の場所の映像と音声を受信する場合などに使用。
- ^ 3000年以上未来に移動するとT・Pの管轄を外れるため本部との交信もできなくなる。T・Pぼんの未来の世界は地球を放棄して外宇宙に移住しているため地球は廃墟と化しているが、たまにタイムトリッパーが現れるため、未来のT・Pがパトロールしている。
- ^ 前述したようにフォゲッターは記憶は消せても記録や痕跡までは消せない。そのため、T・Pの隊員は自身の存在の秘匿のために「救助対象に対して隊員が直接干渉をせずに救助すること」が求められる。その手段の一つに「近場にいる動物を操って救助対象を助ける」ことがある。なお操る動物自体も未来の歴史に関係している可能性があるため、コントローラーを使う前にチェックカードで確かめる必要がある。
- ^ 「超空間の漂流者」にタイムトリッパーとして登場したアンブローズ・ビアスは、『ドラえもん のび太の日本誕生』では行方不明事件の実例として紹介されている。
- ^ 作中での呼称。1990年代頃以降の日本では一般的には「オスマン帝国軍」という呼称が用いられるようになった。
- ^ このうち「浦島太郎即日帰郷」は「アイランド・コミックスPrimo T・Pぼん」第3巻に収録され、残りの5話が同第5巻に収録された。それゆえ第5巻にのみ「幻の5話収録」の宣伝文が付いている(ここで言う「幻の5話」が、当時一度も単行本に収録されていなかったNo.6、8-11を指していないことに注意)。
- ^ ネクタイは紐状のものを使用している。
- ^ 実施的に名前を「安川ユミ子」に変更した白木陽子と言える。
- ^ 当時人気を博していたアパレルブランド「セーラーズ」の三浦静加がデザインを務めた。
- ^ a b c d e f g h i j k l “本編予告公開!Netflixシリーズ「T・Pぼん(タイムパトロールぼん)」5月2日配信開始!”. 藤子・F・不二雄生誕90周年を記念サイト (2024年4月16日). 2024年4月16日閲覧。
固有名詞の分類
- T・Pぼんのページへのリンク