Express5800
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 06:32 UTC 版)
概要
現行製品のExpress5800 IA-32ベースマシンの基本的なアーキテクチャはPC/AT互換機である。1000シリーズはIPFマシンである。エントリモデルには社外(MSIやGIGABYTE)製マザーボードを使用しているが、ハイエンドモデルでは自社製マザーボードの機種もある。コンシューマー市場向けのラインナップと差別化するために、3年間オンサイトサポート等の保守サービスが商品に含まれている。また企業向けであり、個人ユーザーは基本的に購入できないことになっている。
製造終了モデルには、MIPS R4400シリーズ、R10000シリーズを搭載したモデルもあった。MIPS版のMicrosoft Windows NTが動作し、基幹業務システムの構築向けの製品であった。このモデルはリースアウト等で近年まで入手が可能であったが、情報保護の観点から稼動を外れた装置は破壊して廃棄処分されることが一般化して以来入手困難である。
2017年8月以降、ハイエンドサーバモデルよりヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)社より部品の供給を受けながら製品を販売する事になった。HPE社のHP ProLiantシリーズと同様な操作や管理が行えるiLOがサポートされている。一般的なIAサーバではあるものの、従来のNEC製サーバでは使用できた外部接続装置が使用できなくなる事がある。そのため、内蔵のユニット部品やボード類のみならず、USB接続装置やサーバのCPU切替器まで、メーカーが認定していないサードパーティ製品については動作の保証外としている。なお、ローエンドモデルとしては従来通りのNEC製品も製造されている。
ラインアップ
- Express5800/50シリーズ(PCワークステーション)
- Express5800/S70シリーズ (低価格タワー型、現在は販売終了)
- Express5800/100シリーズ(PCサーバ CPUはx86系マイクロプロセッサ)
- Express5800/200シリーズ(PCサーバ CPUはMIPS系マイクロプロセッサ) 現在は販売終了
- Express5800/300シリーズ(フォールトトレラントサーバ)
- Express5800/400シリーズ(販売初期のブレードサーバシリーズ 現在は100シリーズへ統括)
- Express5800/600シリーズ(オフコン継承サーバ 700シリーズの後継として販売されたが、現在は販売を終了)
- Express5800/700シリーズ(オフコン継承サーバ 現在は販売終了)
- Express5800/1000シリーズ(エンタープライズサーバ)
- Express5800/MD(分子動力学計算サーバ)
この他、アプライアンスサーバとして、以下のラインアップがあった。しかし、安価な専用装置が発売されている事もあり、専用サーバとしては現在販売されていない。
- Express5800/FW(ファイアウォールサーバ)
- Express5800/MW(メール、Webサーバ)
- Express5800/VC(ウイルスチェックサーバ)
- Express5800/CS(プロキシサーバ)
- Express5800/LB(ロードバランシングサーバ)
また2010年頃から100シリーズが新ラインナップとなり、型番表記に変更が加えられた。
- Express5800/GTシリーズ (ミドルレンジ、タワー型)
- Express5800/Rシリーズ (ハイエンド、ラックマウント型)
- Express5800/Tシリーズ (ハイエンド、タワー型)
機種名の読み方
- Express5800/100シリーズ(旧シリーズ)
- Express5800/(A)(B)(C)-(D)
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- (A)について
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- (B)について
- タワー型のみ以下の分類となる。ラックマウント型は"R"固定、ブレードサーバは"B"固定となる。(表記はアルファベットの大文字)
- H : 最上位モデル
- L : 中~上位モデル
- E : 中~下位モデル
- G : 下位モデル
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- (C)について
- 発売された世代をアルファベットの小文字で表している。
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- (D)について
- ラックマウントサーバでは、ハイフンの後ろに数字が入り、サーバの高さを表し、タワー型では、スリムタイプや、水冷式静音タイプなどの特徴を持つ場合はハイフンの後に記号を付ける。
- (ちなみに前者の場合はS、後者の場合はCが付いている)
- 例えば、Express5800/110Ej だと、最大プロセッサ数1のミドル~ローエンドのタワー型PCサーバを表し、Express5800/120Rh-2であれば、高さ2Uで最大プロセッサ数2のラックマウントサーバであることがわかる。
- 例外として、Gシリーズのラックマウント型は機種名表記がタワー型とラックマウント型とが混在しているが、タワー型とラックマウント型とで重複する記号がないことから、前述の特徴を理解することでどのようなサーバであるか推測することが可能である。
- 例)Express5800/110GR-1c
- → 最大プロセッサ数1でラックマウント型の下位モデル
- 例)Express5800/110GR-1c
- また、(A)がi110の場合は、奥行きが小さい1Uハーフサーバとなる。
- Express5800/100シリーズ(新シリーズ)
- Express5800/(A)(B)(C)-(D)
- (A)について
- そのシリーズの性格を表す。
- GT : ミドルレンジサーバ(ただしS70シリーズを除けば最低価格帯に位置する製品群である)、デスクトップ・スリムタワー型とミニタワー型の2種類が存在する。デスクトップ型については、MATEシリーズと同一筐体設計のものもある。 ただし、GT110d以降は、デスクトップ・スリムタワー型とミニタワー型は同一マザーボードを使用することとなった。
- T : ハイエンドサーバ(マルチプロセッサに対応する。フルタワー型)ただし、T110f以降では、フルタワーの他にデスクトップ・スリムタワー型とミニタワー型が存在するようになる。このデスクトップ・スリムタワー型とミニタワー型は、同世代のGTシリーズとマザーボード・筐体を兼用することが多くなった。
- R : ハイエンドサーバ(マルチプロセッサに対応する。ラックマウント型)
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- (B)について
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- (C)について
- 発売された世代をアルファベットの小文字で表している。
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- (D)について
- ラックマウントサーバでは、ハイフンの後ろに数字が入り、サーバの高さを表し、タワー型では、スリムタイプや、水冷式静音タイプなどの特徴を持つ場合はハイフンの後に記号を付ける。
- (ちなみに前者の場合はS、後者の場合はCが付いている)
- 例えば、Express5800/GT110f-s だと、最大プロセッサ数1のミドルレンジのスリムタワー型PCサーバを表し、Express5800/R120b-2であれば、高さ2Uで最大プロセッサ数2のラックマウントサーバであることがわかる。
- Express5800/(A)(B)(C)-(D)
- 1 Express5800とは
- 2 Express5800の概要
- 3 オペレーティングシステム
- 4 Express Builder
- 5 導入事例
- 6 関連項目
固有名詞の分類
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