1960年自由民主党総裁選挙 選挙活動

1960年自由民主党総裁選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/17 00:47 UTC 版)

選挙活動

候補者

立候補制ではなかったものの、選挙活動した国会議員。

池田勇人 石井光次郎 藤山愛一郎
衆議院議員
(5期・広島2区
通商産業大臣(1959-現職)
衆議院議員
(4期・福岡3区
副総理(1957-1958)
衆議院議員
(1期・神奈川1区
外務大臣(1957-現職)
宏池会
(池田派)
水曜会
(石井派)
愛正会
(藤山派)
広島県 福岡県 東京府

選挙結果

第1回総裁選から1972年(昭和47年)の第12回総裁選までは立候補制ではなかったため、自民党所属の国会議員への票はすべて有効票として扱われた。

候補者別得票数

e • d  1960年自由民主党総裁選挙 1960年(昭和35年)7月14日施行
候補者 第1回投票 第2回投票
得票数 得票率 得票数 得票率
池田勇人 246 49.40% 302 60.89%
石井光次郎 196 39.36% 194 39.11%
藤山愛一郎 49 9.84%
松村謙三 5 1.00%
大野伴睦 1 0.20%
佐藤栄作 1 0.20%
総計 498 100.0% 496 100.0%
有効投票数(有効率) 498 % 496 %
無効票・白票数(無効率) ' % ' %
投票者数(投票率) ' % ' %
棄権者数(棄権率) ' % ' %
有権者数 ' 100.0% ' 100.0%
出典:朝日新聞

備考

  • この総裁選の後、当時、自民党政治家のゴーストライターをやっていた渡邉恒雄に『サンデー毎日』から、「大野伴睦の名前で、池田の金権政治に抗議するという内容の手記を書いてくれ」という注文がきた。大野は鷹揚で「大野さん、『サンデー毎日』から手記を頼まれましたけども、書いていいですか」と渡邉が聞いたら「おう、適当に書いておいてくれ」という調子で、「原稿を見てくれませんか」と言っても「いい、いい、任せた」などと言われた。それで大野の手記の体裁で『サンデー毎日』1960年7月31日号に「陰謀政治は許されない 伴睦ここに大死一番」というタイトルで30枚の記事を書いた。当時の渡邊の原稿料は1枚千円だったが、大野の名前で書いた原稿料は1枚1万円で30万円になった。渡邊の月給は当時2万円だったので、思わぬ大金が入り毎晩後輩記者を飲ませていたら「渡邊が派閥を作っている」と言われたという[33]。なお、大野は池田が一年生ながら大蔵大臣に抜擢された際に、猛反発する党人派を宥めて池田を推したことから、大野と池田は仲が良く、大野が「池田は正々堂々と(?)戦ってくれた。池田に恨みは全くない」と渡邊に「池田に言って衆議院議長を取ってきてくれ」と頼み、渡邊が仲の良い大平に頼んだが、衆議院議長はダメで副総理を予定したが、佐藤栄作が反対し、1962年の第2次池田内閣 (第2次改造)のとき、副総裁に就任している[34]

脚注


注釈

  1. ^ 各都道府県支部連合会に2票ずつ。
  2. ^ 米軍統治下の沖縄県の代議員は選出されてない。

出典

  1. ^ a b c d e 宮崎, pp. 246–253.
  2. ^ もう一人の立役者 大野伴睦(5)総裁選で苦杯、池田体制の支柱に
  3. ^ a b c 第112回 藤山愛一郎(その三)選挙資金調達で財産を使い果たす。だが、「いささかも悔いは残らない」
  4. ^ a b c 北岡, pp. 97–100.
  5. ^ a b c 大下, pp. 18–47.
  6. ^ a b 藤山, pp. 116–128.
  7. ^ 【安保改定の真実 (8) 完】 岸信介の退陣 佐藤栄作との兄弟酒「ここで二人で死のう」
  8. ^ 塩口, pp. 194–197.
  9. ^ a b c 沢木, pp. 20–23.
  10. ^ a b c d 藤井, pp. 225–229.
  11. ^ 東京新聞, pp. 157–161.
  12. ^ 自民党広報, pp. 165–181; 歴史街道, pp. 32–37.
  13. ^ a b 松野, pp. 30-34、59、130、160-161.
  14. ^ 賀屋, pp. 268–274; , pp. 222–223.
  15. ^ 武田, pp. 61–62.
  16. ^ , pp. 152–153.
  17. ^ a b c d 北國新聞, pp. 187–197.
  18. ^ a b c “文相6期、日教組の勤評闘争と対決 「群雀中の一鶴」灘尾弘吉 (3)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2012年1月22日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1601N_X10C12A1000000/ 2016年2月5日閲覧。 
  19. ^ a b c 大野, pp. 151–156.
  20. ^ 渡邉回顧録, pp. 483–486.
  21. ^ “周首相と会談、LT貿易に道筋 「日中関係に賭けた情熱」松村謙三(7) -p2”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2012年4月15日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0901H_Z00C12A4000000/?df=2 2016年2月8日閲覧。 “日中関係冬の時代にパイプつなぐ 「日中関係に賭けた情熱」松村謙三(8)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2012年4月22日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK28014_Y1A121C1000000/ 2016年4月25日閲覧。 
  22. ^ a b c 魚住, pp. 126–129.
  23. ^ 自民党の歴史 長期政権化とそのひずみ 社会ニュースAll About
  24. ^ 石破氏“変心”の舞台裏…首相側近の「禅譲」論にコロリ!?
  25. ^ 戦後の日本, pp. 195–198; 渡邉回顧録, pp. 178–183.
  26. ^ 松野, p. 116.
  27. ^ 歴史劇画 大宰相(4) - 講談社BOOK倶楽部
  28. ^ 写真特集:日米安全保障条約 デモ隊が国会突入(2010年6月掲載) - 毎日jp(毎日新聞)
  29. ^ 北國新聞, pp. 161–172.
  30. ^ 戦後の日本, pp. 195–198.
  31. ^ 福永, pp. 87–88.
  32. ^ 上神貴佳「党首選出過程の民主化:自民党と民主党の比較検討」『年報政治学』第59巻第1号、日本政治学会、2008年6月、1_220-1_240、doi:10.7218/nenpouseijigaku.59.1_220ISSN 054941922023年4月17日閲覧 
  33. ^ 渡邊回顧録, pp. 164–167.
  34. ^ 渡邊回顧録, pp. 178–183.





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