韓国車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/24 09:27 UTC 版)
技術力とブランド力の躍進
近年は各メーカーとも欧州からデザイナーを招へいした結果、デザイン力とクオリティについてはかつて隔世の感があった日本車勢をも脅かすほど大幅に向上。同時に、メカニズム面においても直噴エンジンやハイブリッドカー、多段式ATの投入などにより、過去のネガティブなイメージはかなり払拭されている。
また、ヒュンダイのジェネシスやエクウスのように従来は海外メーカーとの協業だった大型高級車の分野もゼロから自社単独で造り上げたり、ルノーサムスンや韓国GMのようにグループ企業(前者はルノー・日産系列、後者はGM系列)との連携を強めて高度なメカニズムを共同開発・採用するなど、技術力に於いても目覚ましい進歩を遂げている。
世界的傾向として見られる排気量のダウンサイジング化と乗用車向けクリーンディーゼルの採用に対してはまだ消極的ではあるものの、韓国GMがシボレー・トラックスに、ルノーサムスンがSM5に小排気量のターボエンジンを搭載し、ヒュンダイがアバンテ、そしてその傘下の起亜がK3にそれぞれ1.6Lの、ルノーサムスンがQM3に1.5Lのコモンレールディーゼルを搭載するなど、その兆候は少しずつ見られる
(但し、その一方でディーゼルエンジンに対する規制は年々強化され、ディーゼルエンジンを搭載する全ての新車を2015年初頭からは商用車において、9月からは乗用車において「EURO 6」の基準値をクリアして販売させることを義務付けた。3.5t未満の乗用車の場合、窒素酸化物(NOx)を従来の0.18g/kmから0.08g/kmに減らすのが条件となる)[39]。
製造クオリティについても、日本メーカーと遜色ないレベルまで上がっており、ルノー=日産アライアンスがルノーサムスンをアジアにおける重要なハブと認め、デザインセンターを「ルノーデザイン・アジア」と昇格させる一方で、日産・ローグの全量の生産を2014年よりルノーサムスン釜山工場にて行うことに決定したほどである。
その一方で、技術力向上のあまり、他社を蔑む発言が見られるようになってきていることも事実で、ルノーサムスンが2013年に発表した「SM5 TCE」は準中型車のスタンダードな排気量である2.0Lを大きくダウンサイジングさせた1.6Lターボエンジンを搭載して登場したが、起亜の「(同クラスの)K5は85万ウォンアップで271PSの高性能が得られる。190PS・1.6LのSM5は高すぎる」という批判に対し、ルノーサムスンが「開発目的は燃焼効率の追求であり、高出力の追求ではない。高出力であれば売れるという論理は傲慢」と真っ向から反論し[40]、2013年にルノーサムスンが販売を開始したQM3に対して、当時、このクラスを持っていなかった[41] 双竜自動車が「ルノーサムスンは自動車メーカーではなく、輸入商だ」と非難する[42] など、その表現はあからさまなものとなっている。
なお、技術力は向上したが、韓国内ではまだ韓国車の技術は他国に追い付いていないという意見も根強い。2015年2月7日に発表された、韓国のポータルサイトが20代と30代の会社員1802人を対象に実施したアンケートでは、回答者の64.2%が輸入車を購入したいと答え、その理由として「国産車より優れた性能」という回答が最多だった[43]。
- ^ 2021年1月 - 9月期限定のランキングが3位であり、2021年間ランキングは4位。2021年上半期(1月 - 6月)は4位。2021年下半期(6月 - 12月)は4位。
- ^ “[単独]現代車販売量史上初の「世界3位」”. Steam Charts. 2022年1月17日閲覧。
- ^ 特集 韓国自動車市場と産業・経済 韓国自動車産業の現状と今後の課題-社団法人日本自動車工業会 の雑誌「JAMAGAZINE」、2004年11月4日号
- ^ 1962年設立、セナラの日本語訳は「新しい国」(“새”が「新しい」の意味で、“나라”が「国」を意味している)を意味。
- ^ セナラ自動車を買収して1965年設立
- ^ これ以外にもトヨエースなどの車種をノックダウン生産したが、反共国家やその国の会社と取引関係をしている企業とは貿易をしない「周四原則」により、当時、中国への参入を模索していたトヨタ自動車は1972年に韓国から撤退した。
- ^ 新進自動車とGM[要曖昧さ回避](ゼネラルエレクトリック)が50:50の出資による合資会社
- ^ 後に起亞産業に吸収
- ^ 起亜自動車の前身
- ^ セハンの日本語訳は「新しい韓国」の意味。
- ^ 1976年にGMコリアから社名変更
- ^ 韓国の自動車産業及び市場動向とその将来展望 - 呉 在[火亘] (JAMAGAZINE 2001年3月号)
- ^ 海外生産車は対象外のため、アメリカ製のトヨタ・アバロンが少量輸入されていたことがあった。
- ^ asahi.com:現代自動車、日本の「壁」に挑む - 経済を読む - ビジネス (2007.06.22)
- ^ a b c d Hyundai bets new sedan is a luxury it can afford 『ウォールストリート・ジャーナル』 2008年1月8日
- ^ NIKKEI NET:米新車品質調査で「トヨタ」6位に後退 (2007.06.07)
- ^ 【韓国車の品質】新車満足度は上々、耐久性はイマイチ | Chosun Online | 朝鮮日報 (2005.11.30)
- ^ 米国における新車の初期品質が過去最高になったことが明らかに
- ^ 現代自、デザインと品質向上努力が実り躍進、日本経済新聞 2012年5月8日
- ^ 実際に発売されたものでは、2代目ロータス・エランを起亜自動車がライセンス生産したキア・ビガート、イギリスのパンサー・ウェストウインズを雙龍自動車が買収し、同社の「リマ」を改良したオープンカー「カリスタ」等があるが、いずれも生産台数は少数にとどまっている。他にもオウリムモータースによる韓国初のスーパーカー「スピーラ」が2010年に発表され、翌2011年から生産を開始したが2012年には生産中止となっており、会社自体の消息も明らかになっていない。
- ^ a b http://www.chosunonline.com/article/20071124000008
- ^ http://www.chosunonline.com/article/20071114000009
- ^ http://www.chosunonline.com/article/20071121000007
- ^ http://www.chosunonline.com/article/20051027000046
- ^ グッドデザインファインダー:2005年度受賞「ヒュンダイ ソナタ」(グッドデザイン賞公式サイト)
- ^ 例えばソナタの場合、2010年12月現在においても韓国ではタクシー用途に限定してNF系とYF系が併売されている。そのため、その区別の意味もあってか例外的にヒュンダイが公式に「NFソナタ」「YFソナタ」と呼称している。
- ^ 「ゲッツ」の名称はヒュンダイが日本国内での商標権を持っている。欧州ではヴィッツは「ヤリス」と呼ばれるためこの問題は発生しない。
- ^ 日産・スカイライン(R31型)で使われていたグレード名「エクセル」があったため。
- ^ ヒュンダイ・サンタフェは2001年に申請したため、この問題に引っかかっていない。
- ^ 「外車そっくりの国産モデル」 求められる韓国式デザイン 『朝鮮日報JNS』 2004年12月12日
- ^ 起亜自動車の新型車『レイ』が日本車『キューブ』『タント』と酷似 デザインパクリ疑惑が浮上 『ガジェット通信』 2011年12月3日
- ^ BMW「現代自動車見下さないが…10年の技術格差」 『中央日報』 2012年3月14日
- ^ a b 現代自「ジェネシス」はトヨタ「カムリ」とそっくり!? 『朝鮮日報JNS』 2007年3月16日
- ^ Genesis: Hyundai`s blue light special? 『ニューヨーク・タイムス』 2007年4月5日
- ^ http://www.worldcarfans.com/9071204.001/new-hyundai-genesis-emblem-revealed-and-v8-confirmed
- ^ 日本自動車輸入組合 (JAIA)調べ
- ^ “全国に先駆け導入した大型EVバス、5年でひっそり運行終了 故障が多発 車体価格は8700万円”. 南日本新聞. (2022年9月26日). オリジナルの2022年10月2日時点におけるアーカイブ。
- ^ 同クラスの日本車と韓国車を性能面で比較すると「エンジン出力」「排出ガスのクリーン化」「燃費」の3項目で大きな差がある。また、品質面での比較では「耐久性」「信頼性」(故障率)ともに日本車に大きく劣るとの指摘が実際に韓国車を購入したユーザーから出ている。
- ^ https://www.recordchina.co.jp/b668347-s0-c20-d0144.html
- ^ 「ユーロ6」を契機に韓国市場奪還を狙う日本車(1)中央日報2015年2月27日(2015年4月14日 閲覧)
- ^ 起亜自とルノーサムスン、新車めぐり舌戦朝鮮日報オンライン 2013年6月21日(2013年6月22日 閲覧) 尚、文中ではSM5は192PSと表記されているが、190PSが正解である。
- ^ その後、2015年1月にチボリを出したため、双竜も同クラスの車種をラインナップすることとなる。
- ^ 双竜車社長「QM3をスペインで生産するルノーサムスンは輸入商」中央日報2014年3月6日(2015年5月7日 閲覧)
- ^ “20~30代会社員の64%が「輸入車を買いたい」”. 東亜日報. (2015年2月7日) 2015年2月8日閲覧。
- ^ 現代自労組「ストはもういやだ」 『朝鮮日報JNS』 2007年9月5日
- ^ 【社説】経営権を放棄した現代車の労使合意 『中央日報』 2007年9月6日
- 韓国車のページへのリンク