英雄伝説VII ゲーム内容

英雄伝説VII

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/22 03:09 UTC 版)

ゲーム内容

導力器(オーブメント)と呼ばれる技術が発達した架空の世界において、エレボニア帝国カルバード共和国という2つの大国の狭間で両国を宗主国として成立しているクロスベル自治州を舞台とし、クロスベル警察特務支援課の面々を中心とした人物達が、立ちふさがる大きな壁を乗り越えようとする様を描く。

ゲームシステム

本項目では「零の軌跡」・「碧の軌跡」に固有のシステムを中心として記述する。〈軌跡シリーズ〉全般に共通するシステムについては上記「英雄伝説 軌跡シリーズ#戦闘システム」や「英雄伝説 軌跡シリーズ#戦闘システム」を参照。

フィールド

前作同様の3D描写のフィールドだが本作では場面毎に視点が固定されており、前作にあった視点の回転機能は廃止されている。下記の移動手段によって移動時間が短縮されている。

移動手段
使用可能となった後であれば原則としていつでも使えるが、ストーリーの進行状況により、使用不可能となる場合もある。
マップ移動
クロスベル市の市内マップを使い、区域を選択すればその区域へと瞬時に移動する。クロスベル市内でのみ利用可能。
乗り物
いずれもバス停または乗り物を調べ、行き先を指定すれば瞬時に移動する。クロスベル市外およびクロスベル市への移動手段であり、市内移動には使用できない。バス以外の乗り物は休憩によるステータス回復も可能。
バス
バス停を調べる事で利用可能。バスはクロスベル市から東西南北それぞれに向かう4系統があり、同系統のバス停へのみ移動が可能となっている。
導力車
移動可能な場所は原則としてバスと一緒。ただしバスとは異なり市内の特務支援課近辺への移動が可能であり、系統による移動先の制限もない。また時限的にバス停・特務支援課以外の特定の場所が移動場所として追加される場合がある。
「零」では一時的に警備隊の軽装甲機動車が使用できるのみだが、「碧」では特務支援課専用車両が使用可能となりほぼ全編に渡り使用可能となっている。また「碧」ではカスタムパーツやペイントカラーによるカスタマイズが可能となっている。
飛空挺メルカバ
基本的な使用方法は乗用車と一緒だが、移動可能なポイントが導力車とは異なる。「碧」の終盤のみで使用可能。
フィールドアクション
フィールド上で行える、敵キャラクターへの攻撃。成功すると後方以外からでは敵を一瞬足止めし、後方からのでは敵を気絶させる。この気絶状態のまま接触し戦闘に突入すれば必ず奇襲攻撃となる。また操作キャラクターのレベルが上がり、敵とのレベル差が大きくなれば、後方以外からの攻撃でも気絶させられるようになり、さらに気絶中に攻撃すればフィールド上で敵を倒してセピスを入手できるようになる。
フィールドアクションを行えるのは隊列の先頭のキャラクターのみで、先頭キャラクターを変更するとアクションが変化する。
ブレイクオブジェクト
「碧」から登場。フィールドに設置されたフィールドアクションで破壊できる障害物で、破壊すると一定の確率でアイテムを入手できる。

シナリオ構成

クロスベル警察特務支援課の面々が、警察の任務をこなしながら物語が進んでいく。請け負った任務は全て捜査手帳に経過等がまとめられる。任務をこなす事により報酬(お金)とディクティブポイント(DP)が貰え、DPが一定度貯まると捜査官としての階級がアップする。任務には大きくわけて捜査任務支援要請の2種類がある。

捜査任務
「空の軌跡FC/SC」のメインクエストに相当する、ストーリーを進行するのに必須の任務。
支援要請
「空の軌跡FC/SC」のサブクエストに相当する、原則としてゲームクリアには必須とはならない短い任務。ただし一部の支援要請は捜査任務の一環としてクリアが必須となる場合がある。主に特務支援課の端末確認で請け負うが、住民との会話などにより発生する隠し支援要請も存在する。

このほか推理パートなどもあり、選択肢によってストーリー展開が若干変わるものもある。

戦闘

行動順を主軸としたターン制のシステムとなっており、「ATバトルシステム」と名付けられている。「空の軌跡SC」以降に搭載されていたチェインクラフトは廃止されている。

ATボーナス
ボーナスの種類は前作「空の軌跡 the 3rd」から「Item」が廃止され、パーティキャラクター全員で一斉攻撃を行う「TEAM RUSH」が追加された。「DEATH」、「GUARD」、「VANISH」の3つは、通常のフィールドでは出現せず、特定のダンジョン内でのみ出現する。
コンビネーションクラフト
パーティメンバー2人が、CPを100ポイントずつ消費してコンビネーション技を発動させる。一部のコンビネーションクラフトはキャラクター同士の絆を深めることにより、強化することができる。
タクティカルボーナス
ノーダメージで戦闘終了させるなどの特定の条件を満たして戦闘を終了することにより、入手経験値に倍率ボーナスが加算される。
バースト
「碧」からの新システム。各章終盤にのみ登場するバーストゲージを最大まで溜め、パーティメンバーが全員行動可能であれば発動できる(戦闘不能などで行動不能のメンバーがいると発動不可能)。発動後は行動の度にゲージが減少し、ゲージが0になるとバースト状態は解除されるものの、発動中は、
  • 味方の連続攻撃
  • ステータス異常の解除
  • 駆動時間なしでのアーツの発動

といった様々な恩恵を受けられる。

パーティ編成
「零」では最大で6人のキャラクターでパーティが編成されるが、実際に戦闘で操作可能なアタックメンバーは4人であり、残り2人はサポートメンバーとなる。サポートメンバーはプレイヤーが操作することはできないが、サポート時専用のサポートクラフトでランダムに参戦し、戦闘終了時にはアタックメンバーと同じ経験値を得ることができる。アタックメンバーとサポートメンバーの入れ替えはキャンプメニューが開ける状態であればいつでも可能となっている。
「碧」では最大8人のメンバーから4人のアタックメンバーと2人のサポートメンバーの合計6人を選んでパーティ編成を行い、パーティメンバーから外れた残りのキャラクターは待機メンバーとなる。アタックメンバーとサポートメンバーの入れ替えは「零」同様に行えるが、パーティメンバーと待機メンバーの入れ替えは特定の待機場所でのみ可能であり、待機メンバー時は経験値を得ることはできない。

戦術オーブメント

〈軌跡シリーズ〉では、導力という神秘のエネルギーを使った戦術オーブメントという機械を使い魔法を発動する。「零」には前作までとの大きな違いはないが、「碧」では中央のスロットがマスタークオーツ専用のマスタースロットへと変更され、システムに大きな変更が加わっている。

マスタースロット
マスタークオーツをセットする専用のスロット。「零」までの中央スロットはキャラクター毎にスロット属性が固定されていたが、マスタースロットでは属性固定はない。なお「零」で中央スロットのみが属性固定であったキャラクターは、「碧」では中央スロットに代わり最長のライン内の一つのスロットが属性固定へと変更されている。
マスタークオーツ
マスタースロット専用の大型クオーツ。装備して戦闘を重ねることによって成長し、ステータス向上効果や属性値が上昇する。最終段階であるLv5まで成長させると、マスターアーツを使用可能となる。
マスターアーツ
マスタークオーツをLv5にすると使用可能となる特殊なアーツ。駆動時間がなくすぐに発動し、パーティ全員に効果がある。次のターン以降は継続か終了の選択となり、継続の場合は新たにEPを消費して追加効果を得られる。

この他、オーブメントのカバーの着せ替えを行うことが可能になり、各キャラクターごとに専用のカバーが用意されている。

料理

本作では書物などからレシピを取得する形となり、前作のように該当料理を食べてもレシピの習得はできない。またその場で効果を発揮する大皿料理が廃止され、料理は全てアイテムとしてストックされるようになった。

また成功・失敗の要素が加わり、同じレシピであっても大成功料理・成功料理・予想外料理・失敗料理の4パターンの結果がランダムで発生するようになった。「零」では3段階、「碧」では5段階でキャラクター毎にそれぞれの料理に対する得意度が設定されており、得意な料理であれば大成功の、苦手な料理であれば予想外と失敗の確率が上がる。なお大成功・成功・予想外は各レシピに応じた料理となるが、失敗はレシピに関わらず共通しており、ねこまんまなどのいくつかの失敗料理の中からさらにランダムで結果が判定される。

実績

一定の条件を満たすと実績を取得することができる。実績にはそれぞれ固有のポイントがあり、クリア後に現れるエクストラモードではこのポイント消費することによって2周目への引き継ぎなどの様々な特典を解放することができる。 たとえば、ステータス引き継ぎや、ミニゲームなど他にも、色々なものがある。

ストーリー

あらすじ

零の軌跡

ゼムリア大陸西部に位置するクロスベル自治州。かつてはエレボニア帝国とカルバード共和国との間で熾烈な領土争いが行われたが、現在は沈静化し、独自の繁栄を謳歌していた。しかし、水面下では未だに両国の紛争が続いており、更に国外から多数の犯罪組織やマフィアが流入して抗争を行っており、治安状態は最悪であった。市民の安全を守る筈の警察組織も不正や汚職に塗れて機能しておらず、自治州の市民は犯罪に怯える日々を送っていた。

そんな中、市民の信用を失ったクロスベル警察に「特務支援課」と呼ばれる新部署が設立され、4人の若者が配属された。

碧の軌跡

クロスベル自治州は、とある狂信的な宗教団が引き起こした事件によって危機を迎えた。マフィアの抗争すら巻き込んだその事件は、謎の薬物「グノーシス」で警備隊が操られたことにより絶望的な状況に陥ったが、警察に設立された「特務支援課」などの活躍で無事解決され、平和を取り戻した。

教団やマフィアと関係していた帝国派・共和国派議員たちも一掃され、 新たな市長を迎えたクロスベルの未来は明るいかと思われたが、 激動の時代を迎えたゼムリア大陸において、それは一時の安息に過ぎなかった。

高まりつつある帝国・共和国からの干渉と圧力、 大陸全土を巻き込みかねないような”動乱”の兆し。全ての導火線がクロスベルに集まる中、太古の時代へと遡る真実と、 解き明かされなかった数々の謎の真相が、今、ここに明かされる。

構成

零の軌跡
  • 序章 特務支援課
  • 第1章 神狼たちの午後
  • 第2章 金の太陽、銀の月
  • 第3章 クロスベル創立記念祭
  • インターミッション キーア
  • 第4章 忍び寄る叡智
  • 終章 クロスベルの一番長い日
碧の軌跡
  • 序章 Dの残影
  • 第1章 予兆~新たなる日々
  • 第2章 西ゼムリア通商会議
  • インターミッション 束の間の休息
  • 第3章 胎動~獣たちの謝肉祭
  • 第4章 運命のクロスベル
  • 断章 偽りの楽土を超えて
  • 終章 それでも僕らは。

注釈

  1. ^ 「碧」作中において、「零」作中に登場した『クロスベルタイムズ』が「04年度前期」分としてクロスベルタイムズ社にアーカイブされている。また「碧」作中の『クロスベルタイムズ(1)』において、「'05年度」を「来年度」と扱っている。
  2. ^ 「審判の指環」の連載時及び「零の軌跡」連載開始時の誌名は『電撃王』。「零の軌跡」連載中の2011年12月号より『電撃マオウ』に誌名変更。

出典

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  41. ^ 日本ファルコム『IR情報』2014年6月20日。





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