第88回東京箱根間往復大学駅伝競走 第88回東京箱根間往復大学駅伝競走の概要

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第88回東京箱根間往復大学駅伝競走

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/09 08:42 UTC 版)

第88回東京箱根間往復大学駅伝競走
試合日程 2012年1月2日 - 1月3日
出場校 20校
総合優勝校 東洋大学(2年ぶり3回目)
往路優勝校 東洋大学
復路優勝校 東洋大学
金栗四三杯 柏原竜二(東洋大学)
 < 20112013 > 
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実施日程

区間

総距離 217.9km

  • 往路(108.0km)
    • 第1区 (21.4km) 大手町・読売新聞旧東京本社(建替中)前 - 鶴見
    • 第2区 (23.2km) 鶴見 - 戸塚
    • 第3区 (21.5km) 戸塚 - 平塚
    • 第4区 (18.5km) 平塚 - 小田原
    • 第5区 (23.4km) 小田原 - 箱根町芦ノ湖駐車場入口
  • 復路(109.9km)
    • 第6区 (20.8km) 箱根町芦ノ湖駐車場入口 - 小田原
    • 第7区 (21.3km) 小田原 - 平塚
    • 第8区 (21.5km) 平塚 - 戸塚
    • 第9区 (23.2km) 戸塚 - 鶴見
    • 第10区 (23.1km) 鶴見 - 日本橋 - 大手町・読売新聞旧東京本社前

変更点

前回大会まで全10区間で認められていた15km地点での給水については、今大会では第1区と第6区を除く8つの区間で認められている[1]。但し、監督コーチによる任意の給水は、引き続き今大会でも各区間2回まで認められている。

参加大学

全20チーム(19大学、学連選抜チーム)

シード校(10校)
No. 大学名 前回順位 出場回数
1 早稲田大学 前年1位 36年連続 81回目
2 東洋大学 前年2位 10年連続 70回目
3 駒澤大学 前年3位 46年連続 46回目
4 東海大学 前年4位 40年連続 40回目
5 明治大学 前年5位 4年連続 54回目
6 中央大学 前年6位 83年連続 86回目
7 拓殖大学 前年7位 2年連続 34回目
8 日本体育大学 前年8位 64年連続 64回目
9 青山学院大学 前年9位 4年連続 17回目
10 國學院大學 前年10位 2年連続 6回目
予選会通過校(9校)/選抜チーム
No. 大学名 予選成績 前回順位 出場回数
11 上武大学 予選1位 前年19位 4年連続 4回目
12 山梨学院大学 予選2位 前年12位 26年連続 26回目
13 国士舘大学 予選3位 第85回 11位 3年ぶり 43回目
14 東京農業大学 予選4位 前年14位 5年連続 67回目
15 神奈川大学 予選5位 前年15位 2年連続 43回目
16 帝京大学 予選6位 前年13位 5年連続 13回目
17 城西大学 予選7位 前年11位 9年連続 9回目
18 中央学院大学 予選8位 前年16位 10年連続 13回目
19 順天堂大学 予選9位 第85回 19位 3年ぶり 53回目
20 関東学連選抜 - 前年18位 -
※ナンバーカードの数字はNo.1-No.10が前年順位、No.11-No.19が予選会順位の順。
関東学連選抜 参加校
走行した大学
往路:日本大学(1区、2区)、松蔭大学(3区)、専修大学(4区)、流通経済大学(5区)
復路:法政大学(6区、10区)、専修大学(7区)、亜細亜大学(8区、9区)
エントリーのみ
麗澤大学創価大学大東文化大学東京学芸大学流通経済大学

概要

2012年の箱根駅伝は、前回大会出場19校のうち日本大学専修大学を除く17校に、共に3年ぶりの出場となる国士舘大学順天堂大学の2校を加えた19校と関東学連選抜の計20チームで行われた。

前年に大会史上最僅差の21秒差の2位に敗れ、「その1秒を削り出せ」のスローガンを掲げて雪辱を期した東洋大学が、従来の記録を8分15秒も縮め、史上初めて全区間平均の1kmラップが3分を切る大会新記録を達成し、2年ぶり3回目の総合優勝を果たした。

東洋大は往路、復路でもそれぞれ新記録により優勝を決め、総合、往路、復路全ての部門で優勝する完全優勝を成し遂げた。

2位以下は成績順に、駒澤大学明治大学早稲田大学青山学院大学城西大学、順天堂大学、中央大学山梨学院大学國學院大学が10位以内となり、第89回大会のシード権を獲得した。

区間記録は3区、5区、7区でそれぞれ更新された。

4年連続で5区を走った東洋大の柏原竜二が最優秀選手に選出され金栗四三杯を獲得した。

往路

1区

2年連続の1区となった早大・大迫傑が、5km過ぎで集団から抜け出した。ただ一人食らいついた日体大・服部翔大を11.5kmで振り切り、1区歴代5位のタイムで2年連続の区間賞を獲得。しかし3位以下もハイペースとなり、9位学連選抜まで1分以内、18位神奈川大まで2分以内と混戦の様相を見せる。

2区

第76回大会以来12年ぶりに留学生が走らない2区。区間賞候補の筆頭と目された東海大・村澤明伸は11位でタスキを受けると横浜駅前の定点では7位まで浮上するが、12位でタスキを受けた青学大・出岐雄大が村澤を上回るペースで飛ばし、10.2kmで村澤をかわすと、日体大・駒大・東洋大・城西大の4校による2位集団との差を詰めていく。

先頭を走る早大・平賀翔太は序盤から快調な走りを見せ、2位集団の4人との差を広げるが、権太坂を超えた17km手前から腹痛に見舞われ失速する。

出岐と明大・菊地賢人も加わり6人となった2位集団からは、権太坂を過ぎて東洋大・設楽啓太が抜け出し、19.6kmで平賀をかわしトップでタスキリレー。出岐も4位以下を引き離し9人抜きの力走で18秒差の3位に浮上し、大学史上初の区間賞を獲得した。一方の村澤は終盤ペースが上がらず7位でタスキを渡した。

3区

16位でタスキを受けた山梨学大のオンディバ・コスマスが序盤からハイペースで飛ばし、従来の記録を2秒上回る区間新記録を樹立し9位に浮上した。一方、コスマスと共に区間賞争いが期待された拓大のダンカン・モゼは、序盤コスマスと併走したが中盤以降ペースを上げることが出来ず、15位でタスキを渡した。

先頭争いは、東洋大・山本憲二が一度は早大・矢澤曜に追いつかれるも、12.5kmで矢澤を振り切ると独走。早大に1分03秒差をつけ、大学史上初めて平塚中継所をトップでタスキリレー。

4区

東洋大の1年生・田口雅也が4区歴代2位の好タイムで区間賞を獲得し、2位早大に1分54秒差をつけ大学史上初めて小田原中継所をトップでタスキリレー。

上位争いでは、明大の1年生・八木沢元樹が区間2位の好走で8位から3位に浮上。城西大・山口浩勢も5人を抜き10位から5位に浮上した。

5区

4年目にして初めてトップでタスキを受けた東洋大・柏原竜二は、自身が2年前に記録した区間記録を上回るペースで激走。5区のコース変更後初の1時間16分台を記録し、2位早大に5分07秒の大差をつけ、東洋大が従来の記録を5分05秒も上回る往路新記録で4連覇を達成した。2位と5分以上の大差がついたのは第64回大会以来24年ぶり。柏原は史上3人目となる同一区間での4年連続区間賞を達成した[2]

2位争いは、早大の1年生・山本修平と明大・大江啓貴が抜きつ抜かれつの鍔迫り合いを展開したが、21.8kmで山本が大江を振り切り早大が2位、明大は51年ぶりの往路3位でフィニッシュ。山本は区間3位、大江は区間2位の好走であった。優勝候補の一角だった駒大は4位。城西大は往路過去最高の5位に入り、序盤出遅れた山梨学大は6位に入った。

8位の東海大以下13チームが復路一斉スタートとなった。一斉スタートが10チーム以上となったのは第70回大会以来18年ぶり。シード権を争う10位学連選抜と11位日体大の差は1分40秒だが、8位東海大から14位国士大まで7チームが3分以内にひしめく。

東農大・津野浩大は当日朝のエントリー変更後に体調が急変。強行出場したものの序盤からペースが上がらず、中盤以降はジョギング状態となってしまったが、トップから41分17秒遅れて無事に完走した。

復路

6区

3年連続の6区となった東洋大・市川孝徳が初の区間賞を獲得し、2位との差を6分24秒に広げる。2位争いは明大・廣瀨大貴が宮ノ下を過ぎて程なく早大・西城裕尭をかわし2位に浮上。区間記録保持者の駒大・千葉健太は区間5位に留まった。

一斉スタート組からは、往路でなんとかタスキを繋いだ東農大の佐藤達也が区間2位の快走を見せ、7番目にタスキリレー。往路11位の日体大は福士優太朗が区間最下位と苦戦し最後尾でタスキリレー、総合15位まで後退する。

7区

東洋大・設楽悠太が序盤から飛ばし、第84回大会で東海大・佐藤悠基が記録した区間記録を3秒更新する1時間02分32秒の区間新記録を樹立した。

2位争いは3.7kmで早大・駒大・明大の3校が集団となったが、9kmを過ぎて早大・佐々木寛文が仕掛け、まず駒大・上野渉が脱落し、続いて明大・北魁道も後退する。しかし上野は14.6kmで再び北に追いつき、激しい競り合いを展開。佐々木からも大きく引き離されることなく、トップと7分50秒差で2位早大、さらに13秒遅れて明大・駒大が並んでタスキリレー。

シード権争いは、東海大が14番手・総合8位から18番手・総合12位に急落。8番手を走る中大が総合11位から9位に浮上する。

8区

初の駅伝出場となった東洋大・大津顕杜が、区間記録にあと7秒と迫る8区歴代2位のタイムで区間賞を獲得。2位早大に9分01秒の大差をつけた。

早大・志方文典も区間2位と好走し、東洋大からは離されたものの総合2位を維持。3位争いは終盤までもつれたが、最後は明大・有村優樹が駒大・高瀬泰一に13秒差をつけた。

東洋大が3区間連続区間賞で2位以下を大きく突き放した影響もあり、上武大・東海大・日体大が戸塚中継所で繰り上げスタートとなった。復路・戸塚での繰り上げは第80回大会以来8年ぶり。往路8位の東海大は7・8区の2区間で連続区間最下位と大きくブレーキし、戸塚の時点で総合12位ながら繰り上げ。上武大は出場4回目・日体大は出場64回目でいずれも大学史上初の繰り上げスタートとなった。

9区

前回9区区間賞の東洋大・田中貴章は、終盤失速し区間6位に留まったものの首位を危なげなく守った。

2位争いは駒大・窪田忍が区間賞の走りで7分29秒差の2位に浮上し、早大は3位・明大は4位へそれぞれ後退。

シード権争いは、総合10位の学連選抜・宮川尚人(亜大)が区間最下位に沈み15位に急落。往路13位と出遅れた順大は1年生の松村優樹が区間5位と健闘し、総合11位から8位まで浮上した。10位中大と11位国士大の差は2分44秒。

鶴見中継所では上武大・東海大・学連選抜・日体大が繰り上げスタートとなったほか、神奈川大・鈴木駿が脱水症状でフラフラになってしまい中継所直前で転倒、危うく繰り上げとなるところであった(記録上はトップとちょうど20分差でタスキを渡した)。

10区

東洋大はアンカーの齋藤貴志も区間賞を獲得。東洋大は往路新記録に続き、復路記録も1分56秒更新。前回早大が打ち立てた総合記録を8分15秒も上回る10時間51分36秒の総合新記録で、2年ぶりの総合優勝を飾った。駒大が9分02秒差の2位に入った。

坐骨神経痛の影響で10区にまわった明大の主将・鎧坂哲哉は、本調子ではなかったものの早大をかわし、第39回大会の2位以来49年ぶりの好成績となる総合3位。連覇を目指した早大は4位に終わった。

5番手争いは、ゴールまで残り1km地点で青学大・順大・中大の3校が併走。中大・塩谷潤一は蛇行を繰り返す苦しい走りになりながらも2校に食らいつく。青学大は大学史上最高順位を更新する5位。順大は小澤一真が区間3位の力走を見せ総合7位となり、5年ぶりにシード権を獲得した。塩谷は最後に離されたものの懸命のスパートを見せ、総合8位で28年連続のシード権を確保した。

この3校に続いて8番目にフィニッシュした城西大は大学史上最高順位タイに並ぶ総合6位に入り、前年3秒差で逃したシード権を獲得。予選会通過校では山梨学大も復路で順位を落としながらも総合9位でシード校入りを果たした。

10位の國學院大・青木信夫と11位の国士大・西尾尚貴はタスキリレー直後から併走が続き、最終盤で青木が西尾を引き離した。ともに復路一斉スタートであったため、フィニッシュ時点で見た目の着差はわずかであったものの総合タイムでは3分05秒の差がついた。

前回4位の東海大は復路で苦戦しまさかの総合12位、往路で19位に沈んだ拓大は復路9位と巻き返すも総合14位でそれぞれ2年ぶりのシード落ち。2区以降見せ場を作れなかった日体大は大学史上最低の総合19位に沈み、4年ぶりにシード権を失った。


  1. ^ スタート直後は団子状態となり危険が伴うことと、急勾配の山下りの第6区は選手への安全な手渡しが困難なことが、この区間での給水を取り止めた理由である。またいずれも気温が低い午前8時〜9時の時間帯に行われるため、脱水症状になる危険性が低いことも考慮された。前回第87回大会の第1区での給水時には選手が交錯し転倒するアクシデントが発生している。http://www.yomiuri.co.jp/sports/ekiden/2012/feature/20111216-OYT8T00548.htm
  2. ^ 同一区間での4年連続区間賞は柏原のほか、第26~29回大会の6区で中大・田辺定明が、第50~53回大会の5区で大東大・大久保初男がそれぞれ記録している。
  3. ^ [1][2](時事通信社 2012年1月3日 17時34分 配信)
  4. ^ 第88回 箱根駅伝予選会総合公式記録 (PDF) - 箱根駅伝公式Webサイト
  5. ^ a b 第88回 箱根駅伝予選会個人公式記録 (PDF) - 箱根駅伝公式Webサイト
  6. ^ 日テレG+月間番組表 2011年10月より


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