棘皮動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 01:28 UTC 版)
生殖と発生
普通は雌雄異体で体外受精。特別な配偶行動は見られず、一定季節の一定の時間に放卵放精が行われる、というのが普通。ただし、他個体の放出が引き金になる例もある。ヒトデ類でペアを組んで生殖を行う例が知られる他、ウミユリ類、クモヒトデ類などで幼生までを雌の体内で保育する例も知られる。
普通はごく小さな卵であり、卵割は等割、放射卵割。胞胚の前後で孵化、全身に繊毛を持って泳ぎ始める。体腔は原腸から形成される袋を起源とする。
初期の幼生は左右相称でいくつかの繊毛帯を持つ。その形からプルテウス(ウニ・クモヒトデ)、ドリオラリア(ウミユリ)、アウリキュラリア(ナマコ)などと呼ばれる。これらは往々にして水底に付着し、その体の一部から成体の体が形成される形の変態を遂げる。
生活など
すべてが海産で、わずかに汽水域に出現するものがある程度。しかし海中では極めて広範囲に見られ、寒帯から熱帯、潮間帯から深海底までどこにでも住んでいるものがある。時に深海底ではこの類が密集してみられる場合がある。
多くは動きの鈍い動物であり、海底の岩に付着していたり、泥に埋もれていたり、といったものが多い。もっともよく動くものはクモヒトデとウミシダで、これらは腕の運動範囲が広いため、これを振るように動かして移動する、ウミシダでは短時間ならば遊泳することが出来るものもある。深海産のナマコにはゼラチン状の体を持ってゆっくりだが大きく跳躍するように動いたり、遊泳するものが知られる。それ以外の動物は管足を使って移動し、動きは速くない。
ウミユリ・クモヒトデ・ナマコはデトリタスなどを摂食している。ヒトデ類には活発な捕食者が含まれる。ウニはしっかりした歯で海藻などを食う。
再生について
棘皮動物は再生力が強いものが多いのでも知られる。クモヒトデ、ウミユリでは腕が容易く切れ、自切がよく見られる。ヒトデ、クモヒトデでは胴体部が引き裂かれても再生し、分断すると二匹になる。ヒトデでは腕だけからも本体が再生されるものもある。自然の状態でもこのような形で分裂で増えるものも知られる。
ナマコは強く刺激すると内臓を体外に放出するものがある。これも再生する。
棘皮動物と同じ種類の言葉
- 棘皮動物のページへのリンク