有尾目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 17:30 UTC 版)
人間との関係
他の両生類と同じく、近年の環境汚染や開発による生息地の分断化、さらにペットトレードのための捕獲によって、その生存は脅かされている。気温上昇に弱い種が多いため、地球温暖化の影響も危惧される。
人目に触れにくい生態の種が多いため、それほど人との関わりがあるわけではないが、次のようなものが知られる。
薬用・食用
漢方では、オオサンショウウオや小型サンショウウオを強壮・肺病・疳に効ありとする。蛋白質補給による栄養状態改善が有効だったのだろうといわれる。また小型種は湿疹や痒み止めの薬にもなるという。南会津の檜枝岐村では、ハコネサンショウウオ料理が名物として知られる。
かつての日本ではオオサンショウウオは普通に食用に供されてきた。食通の北大路魯山人によると「すっぽんと河豚の合いの子」のようで非常に美味であるという。
中華料理ではチュウゴクオオサンショウウオは高級食材とされ、養殖もしている。また、小型サンショウウオも乾物にして市場で売られているという。
アホロートルは、かつて現地のインディオたちの蛋白源の1つだった。味はウナギに似ているという。また、肺病や強壮にも薬効があると考えられていた。
伝説
サラマンダー、特にファイアサラマンダーは、かつてのヨーロッパでは火の中で生きる生物だと考えられていた。
アホロートルは、古代メキシコの変幻自在の神ショロトルの化身と言われていた。
かつての日本では、アカハライモリは繁殖期の盛んな求愛行動が見られるためか、惚れ薬としての効用があるといわれていた。同様に、アイヌもエゾサンショウウオのことを多淫な生き物と看做していた。
関連項目
参考文献
- 松井正文著『両生類の進化』(東京大学出版会) ISBN 4-13-060163-6
- 碓井益雄著『イモリと山椒魚の博物誌』(工作舎) ISBN 4-87502-211-5
- 荒俣宏著『世界大博物図鑑』第4巻[両生・爬虫類](平凡社) ISBN 4582518230
- William E. Duellman,Linda Trueb『Biology of Amphibians』(Johns Hopkins Univ Pr)ISBN 0-8018-4780-X
- 道前洋史、若原正己「エゾサンショウウオの適応的な表現型可塑性一「頭でっかち型」」『日本生態学会誌』57(1)、日本生態学会、2007年3月31日、 33-39頁、 NAID 110006277358。
- ^ 道前,若原, p 33 - 36
- ^ “Amphibiaweb”. 2014年5月10日閲覧。
- ^ Alexander Pyron, R and Wiens, John J (2011). “A large-scale phylogeny of Amphibia including over 2800 species, and a revised classification of extant frogs, salamanders, and caecilians”. Molecular Phylogenetics and Evolution 61 (2): 543-583.
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