最強をこじらせたレベルカンスト剣聖女ベアトリーチェの弱点 その名は「ぶーぶー」 最強をこじらせたレベルカンスト剣聖女ベアトリーチェの弱点 その名は「ぶーぶー」の概要

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最強をこじらせたレベルカンスト剣聖女ベアトリーチェの弱点 その名は「ぶーぶー」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 05:21 UTC 版)

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最強をこじらせたレベルカンスト
剣聖女ベアトリーチェの弱点
その名は「ぶーぶー」
ジャンル コメディファンタジー
小説
著者 鎌池和馬
イラスト 真早
出版社 KADOKAWA
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2016年3月10日 - 2019年4月10日
巻数 全7巻
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル

やけにゲームライクなシステムの異世界『グランズニール』で最強の座に上り詰めた剣聖女ベアトリーチェと、彼女と結婚の誓いを交わしたという伝説の男『ぶーぶー』中心に巻き起こるドタバタ異世界交流を描いたファンタジー。

世界観

現実世界から異世界グランズニールへ人間が自由に行き来できるようになった時代。グランズニールで得た【経験値】を元に【魔法】を習得し、そうした未知の技術をデータ化した【ピース】を現実世界へ持ち帰る事で技術開発にブレイクスルーが促されるようになった。こうした背景から各国の政府や企業は超高額な契約料を懸けてネット上に登録された未知の技術データ【ピース】を漁っており、政治闘争や開発競争に熾烈さが増している。

グランズニール(ground's_nir)
3日程度で一周見て回れる程度の、海に浮かぶ小さな島。あちこちに多彩な自然が生い茂っている。重力や概日時間や大気の組成が現実世界とは異なり、暦は一年が14ヶ月で一月は25日。海の向こうに何があるかは誰も知らない。その実態は冥府の王への対抗策となるABYSSを開発するための巨大兵器工廠。
宿屋街
島の中央付近に人間が作り上げた街。区画によってカラーは変わり、宿泊施設以外にも医療施設や商店、水路区画、歓楽街の金脈街区など様々な建物が入り乱れている。
【迷宮】
島の地下に存在する巨大な通路。入り口は質素で、森の中の開けた国土の丘の側面に丸太を組んで補強したもの。蜘蛛の巣のように張り巡らされており、【トレジャー】が眠っている。改変期が存在し、内部構造は度々ランダムに変化する。その実態は最強の構造を持つ生命体のデータを得るための実験場であり、侵入した人間の戦闘データはサンプルとして収集されている。イベリコークの集落に【迷宮】最下層に直通するセントラルシャフトが賢者の手で建造されている。
【ギミック】
既存の動植物を真似て作られた極めて精巧なカラクリ細工のモンスター。門番級、懲罰級など階級付けされている。基本的には動く物にしか反応しない。
【トラップ】
床や壁などに直接埋葬された侵入者防止用の仕掛け。【ブレイクニュース】とオカルト的にリンクし、それらを動力源として機能している。
南の森
マングローブ域。塩分が強力に結びついた【金剛塩】が噴き出る間欠泉が多数存在している。吸血動物の温床となっており、人間の【魔法】に反応して一斉に襲いかかってくる。
北の山
万年雪に覆われた氷雪地帯。ホットオアシスとして池程度の広さの温泉がいくつも点在しており、宿屋街ではそのための観光グッズまで売られている。北東には高度1000m以上もの空中に漂う浮遊列島があり、ここから湧き出る清流が地上へ滝のように流れ落ちて川となるため【原初の水源】と呼ばれる。【母体の甕】と呼ばれる【サウザンドドラゴン】の母竜が住まう湖もあるが、現在はストリオーナの手によって猛毒の沼地へと変貌している。
天空領域
気圧や気温が地表と大差がなく、上方への浮力が発生する高度帯域。グランズニール島に匹敵する巨大な円盤が上空に滞空しており、これが現実世界における太陽の役割を実質的に果たしている。その裏側には花園が広がり大理石で築かれた純白の神殿が設立されている。

登場キャラクター

人間

異界を跨いで訪れたグランズニールへの来訪者。生まれ持っての力を持たない反面、【魔法】を習得できる唯一の存在。
現実世界とグランズニールの環境の差異に適応できないため永住はできない。【ゲート】からサインインおよびサインアウトしてグランズニールへ訪れ、【経験値】稼ぎのために【迷宮】探索をする。人間達の間で「殺生が許されるのは魂のない【ギミック】のみであり、動植物の採取さえ【亜人】に委託もしくは同行しなければならない」という取り決めが為されている。

ベアトリーチェ
本作のヒロイン。「ベアトリーチェ」はグランズニール滞在時の名前であり本名は不明。ぶーぶーに好意を寄せている。
【ジョブ】は【剣聖女】(つるぎせいじょ)で【兵輝】はレイピア(京浜精美製エトランジュD-508ex)。オールマイティで高い数値補正が期待できる反面、【装備品】は少なく露出の際どい物が多い。西洋の鎧とミニスカートを合わせたような格好を選択しており、髪は銀髪だが毛先にいくにしたがって赤く色分けされる。アホ毛は【照明魔法】の点灯部位であり、度々暴発する。
カンスト組の代表格であり、人間達の最強ランクの一角。火力系【魔法】を14000種蒐集しており、【アイコン】を展開するだけで炎の円形闘技場が周囲一帯に形成される。起点となる火力系のみで、攻撃、防御、支援、回復、攪乱の全てをこなす。その強さから無数の異名が名付けられている(【七色煉獄】(セブンフレイム)など)。その最強すぎる能力故に【クエスト】のバランスに支障をきたしたり、人間関係の軋轢が許容量を越えて【パーティ】を募る事が難しくなったり、探索範囲が【ソロ】での限界を超えたりして最終的に【ブラックリスト】入りしたため引退を決意。【トップランカー】達が代変わりしてユーザー間の人間関係が一新されるのを待ち、2年後にグランズニールに復帰した。
現実世界
長い黒髪を髪留めではなく握り拳大程度に緩く縛ってツインテールにした16歳程度の東洋人の少女。胸は平均より少し大きい。誕生日は9月15日。日本の納税総額の15%を一人で占めている。現実世界に帰還した際は衣服を着たままバスタブに飛び込む習慣がある。
その才能を危険視され、東京都六本木に建設された『魔法離殿』から外出する事を禁じられており、日本の国益に貢献するようグランズニールから【ピース】を持ち帰る任を受けている。
フィリニオン
【ジョブ】は【白魔女】(しろまじょ)で【兵輝】は救急箱。ゆるふわの長い金髪に細いフレームのメガネをかけた巨乳の女性。真っ白なマントと丈の短すぎるワンピースにローライズのショートパンツの組み合わせに、白く色抜きしてつばに小さな指輪や杯の装飾品をピアスのように通した魔女帽子を被っている。胸元には不自然なスリットが空いている。
カンスト組であり、直接的な戦闘よりも他人の回復や図鑑のコレクタブルで【経験値】を稼ぐ。【兵輝】の救急箱は、状況に合わせて複数の材料を束ねて必要な薬品を生み出す【調合】専用のデバイス。【迷宮】攻略に関するブログ運営をしている。【解暴医】(アナトミアパズル)という異名もあり、人間を喰らって薬を【調合】したとも噂されている。
現実世界
瓶底のようなぐるぐる眼鏡をかけた女子大生。顔立ちはグランズニール滞在時とそれほど変化がないが、胸は滞在時よりもさらに大きくコンプレックスを感じている。両利き。
東京都赤坂にある牛頭神宮に住まう巫女であり、『天井裏の主様』によりベアトリーチェ監視の任を受けていた。神宮の地下には武器庫が隠されている。
色花(いろか)、密花(みそか)、悠花(はるか)
『魔法離殿』に住まうベアトリーチェを監視し、必要があれば武力で彼女を無力化する任を受けている三姉妹のメイド。仕事上の建前とは裏腹に彼女に肩入れしており、彼女の言動にも割と寛容。
色花は長女で、姉妹間では胸がとても大きく、眼鏡をかけて泣きぼくろがある。主に事務仕事を担当し、ハッキングを始めとした情報処理を得意とする。ベアトリーチェを「嬢」と呼び慕う。
密花は次女で、姉妹間では背丈は普通。主に清掃や庭仕事など力仕事を担当するスポーツ系な少女。ベアトリーチェを「お嬢」と呼び慕い、姉を「姉貴」と呼ぶ
悠花は三女で、黒のショートヘアに帽子を被った格好をしている。中学校に入学したばかり。主に炊事を担当している。ベアトリーチェを「お嬢様」と呼び慕い、姉を「お姉ちゃん」と呼ぶ。最近は成長期でバストも急成長しているらしい。ベアトリーチェ不在時は自堕落な生活を送っている。
アルメリナ
【ジョブ】は【殴僧侶】(おうそうりょ)で【兵輝】は鉄の杖。緑色のショートヘアであり長身で貧乳の女性。緑色のロングスカートの両サイドにスリットを入れている。性格は意外に乙女だが女子力は低い。
僧侶だが【回復魔法】は行使できず、自在に伸張する【兵輝】に超重量の鉄球や拷問器具など様々な鈍器を接続して操る。『解体鉄球』は瓦礫を次々と吸着して巨大に膨れ上がる性質がある。物理運動系全般の演算を得意とし、鍵開けなどの精密作業も行える。大技【落星シューティングスター】は周囲数kmを地盤ごと沈めるため細かな狙いを付けられず実戦には不向きであり、彼女が地図マニアなのもこの技の照準支援を欲しているため。
現実世界
ネクタイを外したタイトスーツに、長い髪を後ろでまとめた眼鏡の成人女性。表向きは退職警官や自衛官で構成される探偵事務所という触れ込みで捜査を行う警察の非公式な外部機関に所属する主任。保冷車に【ゲート】を設置する事でグランズニールへのサインインを行っている。彼女の持ち帰った【ピース】は防衛省技術研究所で量産化の目途がつけられる。ベアトリーチェを監視する任を受けていた。
【エルキアド】
某国からグランズニールに派遣された軍人達が組織した【ギルド】。メンバーは皆右手の人差し指にタトゥーを刻んでいる。現実世界の正規軍がグランズニールに存在する事実が超法規的行動であり、軍全体から見れば忌み嫌われた立場にある。憲兵や督戦がいないためモラルハザードを起こしている。グランズニールにある材料から銃火器を作成して【魔法】と併用しながら戦う。【ヘルハウンド】を懐柔している。
指揮官は金髪で無精髭の男であり、【ローレライ】に接触して一時的な持ち主となる。
グルアガッハ
【ジョブ】は【召喚狩人】で【兵輝】は両端に近接用ブレードが装着された弓。白みの強い金髪を三つ編みにし、背中側で大きく輪を作っても腰まで届く長髪が特徴的な女性。宗教系【ギルド】である【教団】に所属し、西洋喪服に似た青黒いワンピースを纏い、左手薬指に純金の指輪を嵌めている。ツェリカと契約して【誘惑】スキルを借り受ける事でグランズニールの住人と次々に契約を結び、【教団】をまとめ上げリーダーを務めるに至るが、ツェリカの傀儡と化して現実世界にパニックを陥らせる事となる。
現実世界
容姿端麗で頭脳明晰な生徒会長。新宿のお嬢様学校に通うウェーブのかかった長い栗色の髪の女子高生。ヴィルデフウラの館に幽閉されていたところをアルメリナにより救出され、保護観察中であったが彼女の部署へ助手として引き取られた。
ヴィルデフラウ
【ジョブ】は【氷瀑姫】で、【兵輝】は十字剣。青ざめた美しい肌を青いドレスと氷の装甲で覆ったグラマラスな美女。宿屋街の闘技場の女王。胸元から腰下まで伸びる十字剣で裸身の要所を隠し、革のベルトで雁字搦めに縛る事で体に固定している。髪は膝下まで伸びた派手な青い縦ロール。宿屋街の闘技場において女王と呼ばれている。
籠手と一体化した巨大な大盾ランタンシールドと身長の倍はある両手剣トゥバイハンダーを氷で精製して戦闘に用いるが、本気を出す際はベルトの拘束や氷の装甲を自壊して裸同然の恰好となり十字剣を抜く。あらゆる気体をまとめて固体化させ温度どころか気圧まで下げる事が可能。ゆえに最高奥義として、空間そのものをマイナス243℃で包み気体を含む全てを固体化させる疑似宇宙空間化を作る事ができる。【水力耐性】100%を持ち、自身の起こす猛吹雪の中でも薄着で問題ない。
現実世界
黒髪ショートヘアな小柄な少女。ファッションで右手に巻いた包帯、わざとズタズタに裂いたTシャツやショートパンツ、見せブラや片足だけのストッキングなどを着て、額には眼帯をつけている。貧乏な家に生まれ成績も悪く社交性もなかったが、グランズニールにて『ヴィルデフラウ』として成功した事で一転。家族と距離を取り、数年以上顔を会わせていない。
某国の『人喰い屋敷(ブラッドレジデンス)』を買い付けて解体し、船で運んで東京都港区白金台に建て直した館に住んでおり、『白金台の最終自由領域』と呼ばれている。アルメリアによって逮捕された後も保護観察期間中に暴れた事で少年院に逆送され、その後も6回の脱走を企てている。他にも、自殺未遂を装って警察病院に搬送された後に看護師に対して洗脳じみた行為に及ぶ等、危険な人物。
フルドラ
【ジョブ】は【錬金チアリーダー】で、【兵輝】は応援に使うようなポンポン。泣きぼくろが特徴的な身長145cmの小柄な少女。ピンクの長い髪をツインテールにして左右に流し、白と桜色をベースにしたタンクトップとミニスカートにおざなりな革のポーチや色とりどりの宝石に偽装した薬液容器を装備している。胸は大きい。【錬金術】で作った化粧品によって少し動く度に星やハートなどの様々なエフェクトが飛び交い、こうした【ヘイト値】の調整によって敵の注目を集める役目を兼任している。【兵輝】であるポンポンからは三連の金属爪が伸ばす事が可能。
現実世界
アルメリナと同じ部署に務める部下(男)であり、井上という偽名で活動している。
ソルビョルグ
【ジョブ】は【濁流槍者】で【兵輝】は青く濁った灰色の水晶球をはめ込んだ、槍ともハンマーとも受け取れる奇怪な銀細工の杖。青く濁った灰色の装甲を上半身に纏い、腰回りは太股の付け根近くまで見えるミニスカートを履いている。
【ゲート】を通じて『ヘヴィーオブジェクト』の世界に赴いたが、オブジェクトを相手に敗走して撤退。その後も『正統王国』第16機動整備大隊に追われて逆にグランズニールにも侵攻を受けてしまい、『とある魔術の禁書目録』の世界へ逃亡して『情報屋』として公立南野高校電子新聞部に身を潜めていた。コンクリートをセメントへと自在に変換して操る【魔法】を得意とする。
賢者
グランズニールから【魔法】の【ピース】を現実世界に持ち帰りその技術を体系化させた人物。自身のステータスに割り振り済みの【経験値】を自在に振り分け直すことで、全ての属性を万全に振るう事ができる。【兵輝】は、他人の【兵輝】の残骸を寄せ集めて繋ぎ合わせた片手剣。また、シビュラにより復元された【ローレライ】の完全制御を用い、全属性耐性を同時に100%まで引き上げた完全防御が可能。過去の成功者の標本として採用されたベアトリーチェに合わせて【経験値】を注入された結果、彼女と瓜二つの容姿となってしまっている。
破滅した遠い未来において、クドリャフカになぞらえて未来から派遣された最終試験モデル。彼女の成功を確認してから人類80億人が後追いする予定だったが、実際には四次元移動に纏わる技術を彼女自身が潰して回った事で計画は頓挫している。【イベリコオーク】の長老から依頼を受け、歪な進化を歩む彼らを【エルキアド】と共に抹殺し、ぶーぶーへ自身の【兵輝】を渡した。しかしグランズニールの怪物の誕生までに【イベリコオーク】の個体数の増加は見込めず、自らその妨害に動いている。ランダムな【迷宮】の法則を割り出し、逆手に取って自由に組み替えることができる。
【アマルガム】
【迷宮】に潜らず、希少な【調合】素材や回復薬などを偽造して【経験値】を稼ぐ【ギルド】。北の氷雪域に偽装工場を設立して活動していたが、【賢者】の手によって壊滅された。
ルサールカ
【ジョブ】は【ノーブルダンサー】で、【兵輝】は2m強もある9の字型の大鎌であり、新体操の五種競技を連想させる様々な仕掛けが施されている。【兵輝】は石突を叩く事で三日月に変形する。レモン色の髪をポニーテールにした豪快な巻き髪の華奢な少女。黒系の袖付きレオタードに胸当てや腰当ての装甲を纏い、両手から背中にひらひらした羽衣のような飾り布を回している。小さな金の冠を被り、下半身は膝上辺りまで鋼のブーツで覆っている。意識を失っている時は装備が解除され全裸になる。風力系に強く、ホームは神戸
【アマルガム】の被害に遭い、【迷宮】内部で【パーティ】が崩壊。仲間に殺される寸前にグルアガッハに救われて彼女を「お姉様」と慕うようになった。グルアガッハと行動を共にすることはなかったが、宿屋街で会う機会があれば話をし、次第に【ノーブルダンサー】としての才能を開花させていった。【教団】の裏を知った後も彼女を救おうとしたがそれより先にベアリーチェ達の手で壊滅。幽閉されたグルアガッハを救うためにヴィルデフウラの尖兵となるが、アルメリナの助力を経て救出された。
現実世界では、背が低く、赤みの強い茶髪をお団子にまとめたセーラー服の少女。
リデルク
ジョブは【屍盗賊】。ぶかぶかのジャケットにホットパンツ、片目に眼帯をしたグラマラスな美女。【兵輝】は分厚い山刀。【迷宮】で倒れた人間から【トレジャー】を盗み回る事を得意としている。【レベル】差に応じて【パラメータ補正】を発生させる【地形エフェクト系魔法】を習得しているため、敢えて低レベルにしている。
ラ・ヴォワザン
ジョブは【遅延騎士】であり、結界を必殺技としている。【迷宮】探索時も一本道の必須ルートに壁を設けて【ギミック】の狩り場を独占していた。全身を分厚い黒金の鎧で覆った彫像よりも冷たいおもての女。【兵輝】は分厚い盾。現実では自衛軍の佐官クラス。
トラソルテオトル
ジョブは【重罪女王】。無数の羽根飾りで褐色の肌を彩るエキゾチックな少女。【兵輝】は石斧。装備品の【パラメータ破壊】系の魔法を得意とする。現実では南米カルテルの大物幹部。
【勇者】(ラ・シニョーラ)
300年前にグランズニールに来訪していた人間。青みがかったグラデーションを持つ金のショートヘアで、白い肌に吊り目、華奢だが豊満な胸の女性。革のインナー、鎧と青の装甲に前の開いたスカートを纏う。スカイという名のアビスと同系機をグランズニール来訪当時に開発しており、彼女を兵輝として魔法を行使する。
勝てる時に勝つ事を信条とした容赦のない性分。現実世界へ帰還する目途が立たなかったため、グランズニールを地球環境に近付ける工作として人工大気圏の壁の作成した。ガラスの大地をシャーレ代わりに、イベリコオークの体細胞から自身の肉体を再生させた。

亜人

グランズニールの住人であり様々な種族が存在する。人語を解する。種族ごとに先天的な【スキル】を1つ有する反面、それ以外の成長の伸びしろはなく【魔法】の行使もできない。

ぶーぶー
本作の主人公。人間に滅ぼされた人身豚頭の種族【イベリコオーク】の生き残り。性別は雄。【イベリコオーク】としても規格外な体長は4m弱の巨体を誇り、鋼のような筋肉の上からでっぷりと脂肪を乗せた丸くて灰色の容姿。豚鼻から荒い呼吸音を漏らし、口からは牙が飛び出ている。半裸にパンツ一丁の姿。キツイ獣臭を放ち、【開拓者】達の間では獣除けになるとも噂されている。
凶悪な外見とは裏腹に性格は温厚であり幼少期と変わらず純粋無垢。皆に怖れられているため宿屋街には近寄らないが友人を欲している。趣味は知恵の輪(の破壊)と輪投げ。祝い事や記念行事の際に、木々に菓子や飾りを取り付ける風習がある。
知性に乏しいが高度な情報処理能力を持ち、その頑強かつ強靭な肉体も相まって高い戦闘能力を発揮する。また、様々な種の形質を取り込んで進化してきた遺伝背景が相まって、電気魚の発電能力のように自身でも自覚のない膨大な潜在能力を備える。その強さが様々な噂を生んでおり、中でも【ドラゴンイーター】という伝説にまで発展している。【賢者】から譲り受けた【兵輝】(巨大な丸太もしくは鉄骨のような金属塊に溝を彫って剣のように形を整えたもの)を棍棒代わりに使用しており、腰のベルトに提げて携帯している。【兵輝】には殺戮された【イベリコオーク】の同胞の魂がデータ化され保存されている。ベアトリーチェに兵輝の所有権を譲渡してからは、ギミック【処刑ウォリア】から採取した背骨に似た外観の片刃の大剣『善悪無用』を使用している。
幼少期は二足歩行で体長は50-60cmほど。ベアトリーチェは【ミニチュアオーク】だと勘違いしていた。2年後、立派に成長したのはいいがそれがベアトリーチェの悩みの種になってしまう。
メリディアーナ
ぶーぶーに命を救われた事に恩義を感じ、ぶーぶーに隠れてひっそりと家の補修などをしている【妖精】。永久成長種族であるため寿命は存在しない。体長15cm程度で背から4枚の羽を生やし、白と桃のドレスに桜色の髪をショートヘアにした少女。人目を嫌い、見つかるとすぐに逃げる。自分のテリトリーにフェアリーリングと呼ばれる直径10cmほどの円形の模様を刻む習性を持つ。
【ベニテンゴクバナ】を主食とし、血中で色素が分解されると分解物が毒性を発し、【妖精】を喰らう生物を酩酊状態に陥らせる。【クラフト】スキルに特化した妖精らしく、様々な道具を作ってぶーぶーへの貢献に励んでいる。
モルガン
【ストリオーナ】から全権を預かり、【妖精】の中で唯一物品に四精の祝福を封入できる長老。セミに似た羽を備え、オレンジ色の衣装を纏った、ライム色の髪を頭の後ろでまとめた女性。警戒心が強く滅多に人前に現れないため、占い師の間では「吉凶のどちらかの前触れ」などと誤解されている。
ケットシークーシー
島南部のマングローブ域で樹上生活を送っている種族。背丈は人間の半分程度で、人語を話す二足歩行の妖精。【金剛塩】を料理調味料や家の素材など至る事に活用している。
ケットシーはメイド服を着た猫妖精で、簡素な槍を得物として扱う。クーシーは執事服を着た犬妖精で、簡素な斧を得物として扱う。
アリス
メリディアーナの妹で「ですもん」が口癖。細い蔦で紫の髪をツインテールに縛り、スミレ色に近い、丈の短く背中を大きく開いたワンピースを着ている。本人は無自覚だが【スカルウェーブ】に恩義を感じて身の世話をしている。
スカルウェーブ
白骨死体の種族【スケルトン】の人為的な突然変異体。【涙の洞窟】にあるツェリカの宝物庫の鍵である大きな赤い宝石【賢者の石】をはめたテンガロンハットを被っている。【スケルトン】の【スキル】であるサイコキネシスを有し、無数の人骨を操る。数十メートルはある30kg以上もの巨大な斧を20近く同時に振り回し、1分間で2400回もの斬撃を生む武力の天才。体をバラバラに砕かれても骨をかき集めて再生する生命力を持つ。また、自身の骨を焚き木にして燐を発火させ、有毒な煤煙を生むことも可能。
【賢者の石】により生前の冷戦の英雄オメガの人格をエミュレーションされた存在。粗暴でいい加減だが思慮を持って相手を丁寧に敬う心を持つ男。【迷宮】探索の最古参で、グランズニールの拠点となる宿屋街を作るために最初の基準石を埋め込んだ張本人。ツェリカの夫。人間と【亜人】の統合【ギルド】を作った立役者。【賢者】が【魔法】を世界へ公開するより前にその力を知っていた人間の一人。
シビュラ
スレンダーで色素の薄い肢体を胸元からヘソ下まで大きく開いた緑のワンピースで覆う金髪碧眼の【ロイヤルエルフ】。森を統べる支配者として、三種王家の秘宝の中でも『陸』を守護している。【賢者】により、三日月のような木の枝に蔦の弦を張り、上端に目玉のような水晶を埋めた【兵輝】を与えられている。予言好きで統計が得意。物体に宿る残留思念の実体化を【スキル】として有し、【兵輝】に宿る過去の持ち主の【魔法】を再現する事ができる。
ディザスター
【賢者】の【錬金術】により駆動している【イベリコオーク】の死体。全身に噛み痕のような集積回路が刻まれている。体長5mでぶーぶーを超える膂力を有する。5m程の黒塗りの鉄刀を携える。
冥界の王
質量のない「魂」というエネルギーを死骸へ供給して定着する存在。損傷のない死体の確保は難しいため、自身が製造した13種類の死体のストックを保管している。部位破壊に応じて攻撃パターンを切り替える戦闘アルゴリズムを有する。【冥界】とのデータリンクにより死者の魂の収集管理を行っていた。
ゴシックモンスター
13種あるストックの一つであり、解剖学的組み立てを利用した死体。海老のような頭部に、触手を束ねて手足に作り、全身を粘液で覆い乾燥を防いでいる。海洋生物の死骸を集積し武器として用いる。
ホムンクルス
13種あるストックの一つであり、フラスコ化学を利用した死体。ヴィヴィアンをベースにした、ウェーブがかかった青い髪の華奢な人魚の姿。
ヴィヴィアン
【長者人魚】であり、潮を統べる支配者として、三種王家の秘宝の中でも『海』を守護していた。青い髪をした少女で、手足は鱗に覆われ胸元は貝殻で隠している。既に故人であり、冥界の王に肉の器として使用されている。
マリンカ
【大天使】であり、日蝕を含む太陽の全てを内包した存在。天を統べる支配者として、三種王家(陸海空)の秘宝の中でも『空』を守護している。太陽の島に住まう。滞空する事が可能であり、火・水・土・風の【元素】系の光球を攻撃に用いる。
肩甲骨辺りまで伸びた金髪に、頭上の光輪と巨大な翼を持ち、布を体に巻き付けて純白のドレスに見立てた女性。光の存在は黒い翼と光輪を有する妖艶の美女、影の存在は白い翼と光輪を有する少女であり、それらが重なる事でマリンカとしての真の姿が浮かび上がる。

その他の生物

ブレイクニュース
魂を持った逆説と称される個体群。ある環境で生まれた一個体でありながら、その環境を生み出すほどに成長する。自己の意思を持つかどうか、人語を解するかどうか、人間に味方するかどうかなど個体によって様々。ランダムに島へ訪れ進行ルート上に様々な騒動を起こすため、目撃情報がそのまま臨時速報扱いになる。【迷宮】の【トラップ】とオカルト的にリンクして動力源となっている。
サウザンドドラゴン
1000m級の規格外の肉体を持つ黒い【ドラゴン】の雌。その巨体で空気を裂くだけで飛行機雲を作り、不定期な豪雨を発生させる水の竜王。まともに栄養補給を行えばグランズニール全域が干上がる程なため、腹の中に【火精サラマンダー】【水精ウンディーネ】【風精シルフ】【土精ノーム】を大量に飼い慣らして彼らから無尽蔵のエネルギーを得ている。表面上の食事行為も腹の中の精霊に餌を与えるために過ぎない。また、彼らの力を利用して口からブレスを吐く事や防壁を張る事もできる。
【ブレイクニュース】の中では末席と呼ばれる。人語を解するが彼女の声は人間の可聴域を超えているため咆哮にしか聞こえない。一人称は「ボク」。意外と慎重派で臆病。【ケイブ25】の【トラップ】とリンクしている。
ストリオーナ
【妖精】の女王。全身を黒いリボンで包んだ上でミニスカートを足したような衣装を纏う10歳くらいの長い銀髪の少女。頭の両サイドと背中に南国の花のような飾りが生えている。パンツは履いていない。空を覆うように巨大な蝶に似た羽を広げ、【ベニテンゴクバナ】の色素を分解した血中の毒素を砂嵐として撒き散らす事ができる。「赤き狂熱の砂嵐」と恐れられ、直接吸い込まずとも皮膚から潜り込んで理性を焼き切り暴徒と化させる。
神出鬼没で誰にも捕捉されないため移動ルートの見えない【ブレイクニュース】として有名であり、宿屋街に滞在する事もあるためか人間のいる現実世界について多少の知識を有する。【妖精】を救った恩義からぶーぶーに懐き、彼の家に度々訪れている。尊大かつ高飛車で見栄っ張りな性格で、上から目線の話し方をする。
ローレライ
鋭い岩山の頂点に刺さる一振りの剣。ガラスや水晶のように透明な両刃の姿。手にした者へ無限の力を与えるが、持ち主の理想を一通り叶えた後でその矛盾を指摘して力を取り上げる魔性の刃。刀身が様々な形へ変化する。賢者により作られた人造ブレイクニュース。
カリカンザロス
【吸血鬼】の雌だが、人間の血は好まずに強靭な生命力を有する【イベリコオーク】の血を好む。薄手の赤いネグリジェのような服を纏い、その下には黒いビキニが透けている。髪は赤みがかった長い金髪で、内向きに巻き込むようにロールしている。常にイベリコオークの人形を携帯している。月蝕を操り島全域に高波を引き起こしたり、昆虫やカニを大発生させる。島南部のマングローブ域を抜けた浜辺の座礁船『ネクスト・ボイジャー』を根城とし、長らく棺桶の中で休眠していたが覚醒した。人間の知性を危険視し、接触する際は装備品を外して武装解除させる事に拘っている。ストリオーナとは腐れ縁。
ツェリカ=ヴィーン=アルファ=チェリディア=ルミディリエ
天使の輪と悪魔の角を両方有する【サキュバス】。爬虫類の鱗で作った水着のような衣装に身を包み、羽衣のように白蛇を胴へ巻いている。恋した男性に先逝かれ、彼の願いを成就させようと目論んだ。【シスター】を演じながら宿屋街に潜伏し、グルアガッハを介して【教団】を陰から動かす。この騒動に乗じ、改造した【兵輝】と【ゲート】を利用して現実世界に干渉した事で【ブレイクニュース】と評価を受けるが、ベアトリーチェ達の妨害に遭い逃走して現実世界に滞在する事となる。その後、遍く魔術結社に開設の許可を出し、謎に即答する回答装置としてオーバー・ザ・ウォールの一角を担い『書簡の主様』として深い信仰を集める事になる。
インテリビレッジの座敷童のツェリカとは同姓同名の別人で当作品との設定上の繋がりはない。
イレアナ
【マンドラゴラ】の頂点に立つ【フラスコの花園】の主。「旧ソの亡霊」とも呼ばれる。一個体だけではなく、グランズニール全域に増殖・分化する事が可能。生息地域によって肌や髪の色、宿る効能などが異なるが基本的に人間の女性形。ボディラインをブドウの蔦や葉に似た植物で覆い、烏龍に似たロングスカートの骨組みだけを広げた格好。呪いの叫びを発し、無機・有機を問わず全てを破壊する。自身が植物である事から食物連鎖の上位の動物に対してコンプレックスを抱いている。基本的には人間の依頼を受けて暴威を振るう傭兵のような行動原理を持ち、【教団】の命を受けて『エンターコスモス』の墓守を務めていたが、【教団】が壊滅した後は棲家を変えてぶーぶーの畑に植わっている。
グルヴェイグ
片眼鏡をかけた妙齢の美女。足元まで伸びるウェーブな髪に青みがかった肌。財宝女神とも呼ばれているが、全身を覆う宝石のような輝きは一枚貝のような寄生生物。女神の裸身と宝石の輝きで見る者を引き寄せ、致死圏内まで誘い出し獲物を捕食する。
フレイムバブル
粘液状の体を持ち、大量の泡の爆弾を生み出す。
フラウゴーレム
美少女の石像。誰が作ったのかは明らかにされていない。
ground's_nir=ABYSS(アビス)
【迷宮】の最下層で誕生した、【経験値】蓄積型多用途【魔法】運用火器。華奢で可憐で線の細い少女の形をし、傷みの強い銀の髪を肩口から二束正面になびかせ、腹を大きく肉抜きしたような黒のワンピース型水着を纏う。【ギミック】を破壊しながら部品を掻き集め、肩甲骨と接続した金属ホイールから重火器やアームが天使の翼のように伸びている。頭上に天使の輪のように魔法陣のアイコンを浮かび上がらせて魔法を行使する。
自ら学習しながら【経験値】を取得し、魔法を習得していく無人兵器。発声機能はなく、代わりに【迷宮】内に人工音声がアナウンスされる。
グランズニール=リジェクト=スカイ
【勇者】が製造したアビスの先代の同型機であり、地球にある災害環境シミュレータ『マクスウェル』と繋がっている。人工大気圏の壁を完成させ、グランズニールと地球を同一環境にテラフォーミングする事をタスクとしている。



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