旅団 アメリカ

旅団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/21 06:43 UTC 版)

アメリカ

アメリカ陸軍においては、従来編成されてきた連隊タイプの旅団から、衛生、補給、宣撫といった各種の支援兵科を追加してある程度の独立作戦能力を付与した旅団戦闘団(BCT)への改編を進めている。全ての旅団戦闘団は、歩兵旅団戦闘団、重旅団戦闘団、ストライカー旅団戦闘団の3種類のいずれかの編成に統一される。

一方、アメリカ海兵隊においては、旅団級の海兵空地任務部隊(MAGTF)として海兵遠征旅団(MEB)を編成している。これは海兵連隊(歩兵連隊)、海兵航空群および戦闘兵站連隊を中核とした諸兵科連合部隊で、固定翼機を含むという点で、各国陸軍の旅団とは一線を画した編成になっている。

ロシア

ソビエト連邦軍においては、伝統的に、連隊-師団-軍(軍団)-軍管区という指揮系統が採用されてきたことから、いくつかの例外的な独立旅団を除き、旅団は編成されていなかった。

しかし、2008年に採択されたロシア陸軍の再編計画において、兵力の機動運用および効率化のため、従来の師団のほぼ全てを旅団に縮小改編することが決定された。これを受けて、2009年中に23個師団が解体され、85個旅団(諸兵科連合旅団40個、特定任務旅団45個)が創設された。これにより、一時期のロシア陸軍では、日本の北方地域を占拠している第18機関銃・砲兵師団以外に師団は存在しなくなった。その後一部の部隊では師団の編制が復活している。

また、師団編制が継続して存在したロシア空挺軍においても、独立空挺旅団の編成が行なわれている。

非正規軍武装組織の自称としての旅団

上記のような正規軍の一編成としてではなく、テロ組織を含む武装集団が自称として「旅団」を名乗ることもある。中東パレスチナアル・アクサ殉教者旅団ファタハ系)、イッズッディーン・アル=カッサーム旅団ハマース系)、イタリアでかつて活動した赤い旅団などである。


注釈

  1. ^ 代の中国では、兵員500名を「一旅」、5旅(約2500名)を「一師」と称し、5師(約12,500名)を一軍とした。
  2. ^ 正確には旅団長たる大佐の職制上の地位(Positional Rank)であり、そのため海軍代将(Commodore)にならぞえて陸軍代将と和訳するケースも稀にある。
  3. ^ 騎兵第1旅団近衛師団騎兵第2旅団第1師団、騎兵第3旅団は第8師団、騎兵第4旅団は第3師団にそれぞれ属した
  4. ^ 野戦重砲兵第1旅団は第3師団、同第2旅団は第12師団、同第3旅団は第1師団、同第4旅団は近衛師団にそれぞれ属した
  5. ^ a b 1937年(昭和12年)第一次編成の独立混成第11旅団を基幹に、日本初の三単位編制師団である第26師団が編成された
  6. ^ 1937年(昭和12年)に支那駐屯混成旅団、1938年(昭和13年)には台湾混成旅団等の小型師団タイプの旅団も編成された
  7. ^ 中隊以上、大隊以下の「隊」編成
  8. ^ a b 実人員規模は師団隷下の後方支援連隊とほぼ同じであるが、機能は大隊規模を中隊にするなどコンパクト化している
  9. ^ 離島型旅団(第15旅団)は、野戦特科部隊を欠く一方で高射特科部隊を連隊編制と拡充している
  10. ^ a b 令和4年度末、第6普通科連隊第6即応機動連隊に改編。
  11. ^ 令和4年度末、「隊」へ増強改編
  12. ^ 令和4年度末、「隊」へ縮小改編
  13. ^ a b 平成30年度末に第10普通科連隊が第10即応機動連隊に改編
  14. ^ 平成30年度末に中隊から隊へ増強改編
  15. ^ 平成30年度末に大隊から隊へ縮小改編
  16. ^ 令和4年度末廃止。(詳細は第12特科隊を参照)
  17. ^ 令和3年度改編で「隊」に増強。
  18. ^ 第12師団から第12旅団改編時に第12戦車大隊を廃止。令和3年度末に「第12偵察戦闘大隊」を編成。
  19. ^ a b 方面隊直属の中部方面特科連隊が担当。
  20. ^ 2024年3月21日、第13戦車中隊および第13偵察隊を併合し、第13偵察戦闘大隊を新編。
  21. ^ 平成29年度末新編(詳細は第15即応機動連隊を参照)
  22. ^ 平成29年度末に中隊から「隊」へ増強改編
  23. ^ 平成29年度末廃止(詳細は第14戦車中隊を参照)
  24. ^ 2014年3月26日付で群から連隊に改編(防衛省組織令等の一部を改正する政令(平成二十六年一月三十一日公布政令第二十号、防衛省HP))

出典

  1. ^ 奈良原裕也『軍事研究』2018年9月号、ジャパン・ミリタリー・レビュー、2018年8月10日、55頁。
  2. ^ 文谷和重「防衛費倍増の前にすべきは組織の整理」軍事研究2022年9月号、ジャパン・ミリタリー・レビュー、2022年8月10日、220頁。


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