担保権 (英米法)
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米国―U.C.C.
米国においては、(物的財産ではなく)人的財産に対する担保権を規律する統一商事法典第9条により、担保権[84]とは、債務の支払または履行を担保するための債務者の財産に対する権利とされる。
担保権は担保契約[85]によって創設できる。担保契約においては、債務者が、ローンまたはその他の債務のための担保目的物たる債務者の財産に対する担保権を設定する。
担保権は、保有者に対して、一定の事由(ローンの不払など)の発生時において、当該財産に関する救済手段を行使する権利を与える。債権者は、被担保債権の満足のために当該財産の占有を取得することができる。保有者は、当該財産を公的な競売または私的な売買によって売却し、換価金を被担保債権の満足に充てることができる。換価金が被担保債権の額を超過した場合には、債務者は当該超過額を得ることができる。換価金が不足する場合には、担保権の保有者は、(米国の住宅ローンのようなノン・リコース債権でない限りは)不足金判決[86]を得て、これにより全額の回収のためにさらなる法的手続を開始することができる。
米国においては、「担保権」との語は、しばしば、リーエンと置換え可能なものとして用いられる。しかしながら、リーエンはその目的物として人的財産よりもむしろより多くの場合には物的財産に関連するものである。
担保権は典型的には担保契約によって設定される。財産に関して担保権が成立するには、債務者が当該財産に対して所有権を有し、かつ、担保権の保有者が債務者に対して有価物を授与した(ローンを貸し付けるなど)ことが必要である。
保有者は、第三者に対する通知によって、担保権のパーフェクションを行うことができる。パーフェクションは、典型的には、貸付証書を政府(債務者が法人の場合にそれが設立された法域における州務長官[87]など)に提出することによって達成できる。パーフェクションは、担保目的物が有形財産であれば、当該担保目的物の占有の取得によっても行うことができる。
パーフェクションがないと、担保権の保有者は、破産管財人や同一の担保目的物に対して担保権を主張する他の債権者を含む第三者との関係で担保目的物に対する自己の権利の実行に困難を来し得る。
- ^ en:Black's Law Dictionary (8th ed. 2004).
- ^ V Finch, Corporate Insolvency Law: Principles and Perspectives (CUP, Cambridge 2002) 78, "A charge... may be so all-embracing as to give the charge holder what amounts in practice to an exclusive right to supply the debtor with credit in that potential second financiers will be deterred from lending by the breadth of the existing charge." R Goode Commercial Law (Penguin, London 2004)
- ^ もっとも、実際には平等原則はほとんど尊重されず、多くの国は「優先的債権者」(通常は、労働者や租税当局)という倒産時に優先的債権を有する者を認めている。例えばen:Cork Report, ch 35, para 149-197を参照。
- ^ LA Bebchuk and JM Fried, 'The Uneasy Case for the Priority of Secured Claims in Bankruptcy' (1996) 105 Yale Law Journal 857–934
- ^ 英: liquidator
- ^ 英: trustee in bankruptcy
- ^ エコノミスト誌はアメリカの倒産法制を、「おふざけ(英: tongue-in-cheek)」であり、「…ひねくれたものある。第一に、破綻させた経営者が、しばしば、その企業が公式に破綻した後においてもなお舵を握るのだ。会社がチャプター11というアメリカの有名な倒産法によるセーフ・ハーバーを求めた後においても、銀行が飛び込んできてさらに金銭を貸し付けるのである。次に、弁護士が企業による古い負債の整理を手助けし、経営者が何ヶ月も何年も無利息で企業を経営できるようにするのである。破綻というのは、アメリカ式であれば、これを行うことができればすてきな仕事なのである。」と表現する。[1]
- ^ 多くの逸話的な証拠がみられるものの、確かなデータはほとんどない。国際的な船腹量のほとんどの割合は便宜置籍船であるが、これも、確かなデータは入手困難である。米国外の証券化市場の相当の割合は、資産担保証券の発行のためにオフショアの特別目的事業体を利用するが、その理由の一部はリキャラクタイゼーションに関する利益であり、また別の一部は有担保債権者の権利の保護に関する利益である。
- ^ 英: true legal mortgage
- ^ 英: equitable mortgage
- ^ 英: statutory mortgage
- ^ 英: fixed equitable charge
- ^ 英: bill of sale
- ^ 英: floating equitable charge
- ^ 英: pledge or pawn
- ^ 英: legal lien
- ^ 英: equitable lien
- ^ 英: hypothecation
- ^ 英: trust receipt
- ^ 英: possessory
- ^ 英: non-possessory
- ^ 英: by agreement
- ^ 英: by operation of law
- ^ イングランドの1925年財産権法(英: Law of Property Act 1925)およびこれに先行する制定法
- ^ 英: real property
- ^ 「Santley v Wilde、1899年、2 Ch 474; 「Carter v Wake」、1877年、4 Ch D 605
- ^ 2002年土地登記法
- ^ 英: title
- ^ 英: titleholder
- ^ 英: mortgagor
- ^ 「mort-gage」という言葉は、「死せる質権」を意味するフランス語に由来し、これは、担保権により利益を得る当事者が担保に供された財産の占有を取得して収益を得るために管理することが期待される「生ける質権」と区別される。「生ける質権」は何百年も前に利用されなくなった。
- ^ 英: foreclosure
- ^ 英: receiver
- ^ 権原の対抗要件具備(perfection of title)、占有命令、書類交付など。
- ^ 英: mortgagee
- ^ China & South Sea Bank Ltd v Tan」1990年、1 AC 536; 「Re BCCI (No 8)」1998年、AC 214
- ^ 譲渡抵当の保有者は、受戻権喪失手続をすでに開始していたとしても、管財人を選任できる。「Stevens v Theatres Ltd」1903年、1 Ch 857 を参照
- ^ 英: power of sale
- ^ 英: decree nisi
- ^ en:Re Farnol, Eades, Irvine & Co [1915] 1 Ch 22. "Foreclosure as a thing which can be done by a person has no meaning. Foreclosure is done by the order of the court, not by any person. In the strict legal sense it is nothing more than the destruction of the equity of redemption which previously existed." per Warrington J at 24.
- ^ 英: nisi
- ^ 英: absolut
- ^ 英: judicial sale
- ^ 英: decree absolut
- ^ en:Campbell v Holyland (1877) 7 Ch D 166; en:Quarles v Knight (1820) 8 Price 630; en:Eyre v Hansom (1840) 2 Beav 349
- ^ en:Stevens v Theatres Ltd [1903] 1 Ch 857
- ^ 英: implied power of sale
- ^ en:Deverges v Sandeman, Clark & Co [1902] 1 Ch 579; en:Stubbs v Slater [1910] 1 Ch 632
- ^ Deverges v Sandeman, Clark & Co. [1902] 1 Ch 579
- ^ 英: true sale
- ^ en:National Bank of Australasia v United Hand-in-Hand and Band of Hope (1879) 4 App Cas 391; en:Martinson v Clowes (1882) 21 Ch D 857; Warner v Jacob (1882) 20 Ch D 220
- ^ en:Williams v Wellingborough BC [1975] 1 WLR 1327; en:Martinson v Clowes (1882) 21 Ch D 857
- ^ 英: The Financial Collateral Arrangements (No.2) Regulations 2003
- ^ SI No 3226 of 2003
- ^ 英: appropriation
- ^ 英: financial colalteral
- ^ 英: mortgagee
- ^ 英: mortgagor
- ^ これは譲渡抵当の証書において指定される必要がある。
- ^ もっとも、譲渡抵当の証書の規定がこの義務を制限するのが通常である。
- ^ オーストラリアにおいてこの方法により衡平法上の譲渡抵当が創設された近時の例として、en:Theodore v Mistford Pty Ltdを参照。 [2005] HCA 45
- ^ en:United Bank of Kuwait v Sahib [1996] 3 WLR 372においてイングランド控訴院(en:English Court of Appeal )は、イングランドの1989年財産権(雑則)法(Law of Property (Miscellaneous Provisions) Act 1989)における土地上の権益の処分の方式に関する条項の解釈により、当該条項により権原文書の預託による衡平法上の譲渡抵当の創設に関するコモン・ローの準則は廃止されたものとした(113 LQR 533を参照)。
- ^ 英: chargee
- ^ 英: floating charge
- ^ 英: crystallisation
- ^ 英: chargor
- ^ 英: float
- ^ 英: pledge、pawn
- ^ 英: pledgee
- ^ 英: pledgor
- ^ 英: conversion
- ^ 英: lienee
- ^ Palmer & McKendrick, Interests in Goods, 2nd ed. page 975 and following参照。
- ^ en:Hickman v Kent Sheep Breeders [1915] 1 Ch 881
- ^ 英: hypothecation
- ^ 英: bottomry
- ^ 英: perfection
- ^ 英: attachment
- ^ Goode, Legal Problems of Credit and Security, 2nd ed.
- ^ en:WDA v Exfinco [1992] BCLC 148
- ^ 英: security interest
- ^ 英: transfer
- ^ 英: credit support annex
- ^ 英: security interest
- ^ 英: security ageement
- ^ 英: deficiency judgment
- ^ 英: secretary of state
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