影 文化的概念としての影

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 10:15 UTC 版)

文化的概念としての影

影は、物理的には、物体等によって光が遮られる結果できる、暗い領域のことを言う。影は、一般に、幾らかの歪みはあるとは言え、元の物体や、人物の輪郭に類似した形を持っている。

また、視覚感覚中心としている人間にとっては、光があってものが見える場合、常に「影」が存在しており、影は、その原因となる遮蔽物象と常に対となって存在しているという考えがある。更に、影のなかに入ることは、光から遠ざかることであり、日常世界からなにがしかの距離を置くことだとの観念もまた派生した。

原像と影像

文化的には、事象一般について、元の存在である「原像」と、その補完存在あるいは二次的存在としての「影像」という観念が成立する。

人間の「」について、未開時代から現代にいたるまで、様々な把握があるが、魂自体と、魂を補完する像としての「魂の影」という考え方がある。魂の影とはどのようなものであるのか、魂がどのように観念されているかによって、色々な把握がある。

古代ギリシア語の「プシューケー ψυχη」は、「魂の影」または「人の影」というような意味を持っていた。幽霊と多くの文化で呼ばれているものは、弱々しく儚い影の現象でもある。

プラトンの語るところでは、我々の見ているもの、現象世界は、真実在世界の影であると言う。この場合、影は原像の姿を暗示し、類似した形を持つが、原像の実在そのものとは異なっている。このような真実在と仮象としての影という把握は、人類の長い宗教的・文化的なイメージの歴史から意味が織り出されていると言える。

光の世界と影の世界

光に対しては闇があり、光の世界に対しては闇の世界があると言える。しかし他方で、光・昼間の世界に対し、闇・夜の世界があるという対立図と並んで、光・昼間の世界に対し、影・薄暮の世界があるという観念がある。

光が生命の躍動に満ちた生であり存在なら、闇は死であり無である。しかし、その中間に亡霊としてのはかない影の存在する「影の世界」がある。影の世界とは「冥府」であり、夜の夢のなかで見る暗いイメージの世界である。








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