建設発生土 再利用

建設発生土

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/01 06:13 UTC 版)

再利用

建設発生土は利用基準により、その土の特性に応じた適用がなされ、コーン指数(土の固さを示す指数)、含水比、粒子の大きさなどの基準で判定が行われる。これにより埋立工事などその土の特性に最適な再利用がなされる。大きな区分として第一種から第四種までの建設発生土および泥土の五段階があり、工作物の埋め戻し、土木工事の裏込め、道路工事の盛土に使用できる基準区分がある[1]。また石灰を混ぜるなどして改良土として生まれ変わる場合もある。

現在、公共工事においては、現場から出る建設発生土を有効利用するために、購入山砂はなるべく使用せず個々の工事間で建設発生土の流用を図ることを原則にしている。

また、建設発生土を埋立に利用しようとする場合は、県や市町村によってはいわゆる残土条例により適切な埋め立てが求められるほか、農地法など関係法令を遵守して行わなければならない。

保管

地中のや水中のは長い年限をかけて徐々に堆積してきたものであり、土や泥を構成している各粒子の空隙は圧縮され、粒子交互は一般的には団粒構造をとって安定状態にある。安定状態に保たれている粒子で構成されている土や泥に対して掘削あるいは浚渫といった物理的な力が加わると、団粒構造にあった各粒子同士の位置に乱れが生じて、各粒子の隙間には空気が混じる。この時、地上に運び出された土や泥の体積は地中あるいは水中にあった状態に比較して約3倍程度に増加する。さらに地上へ運び出された土は、土を構成する各粒子同士で互いに粘りを持ちながら重力に対して安定状態を保とうとして、摩擦力剪断力が生じる。その結果、一定の傾斜角度以上では崩壊が生じて、各粒子が安定して堆積するために築山状態にならざるを得ず、土中や泥中に置かれた状態に比べて前述の体積はもとより相当数の設置面積が必要となる。

残土処理の問題

日本では建設残土を有料で引き受けた業者が、残土を山林などに投棄するケースが全国的に目立っており、これらが大雨などで崩落するケースも多発している。

また、首都圏で発生した建設残土が、三重県紀北町など残土処理について条例で規制していない自治体へ大量に搬入され投棄されている実態も明らかとなっており、「都市部の残土を地方に押し付けている」と批判されている[2]

毎日新聞による自治体へのアンケートでは「条例ではカバーできないとして、国による法規制が必要」との回答が多数となっている[3]




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