妙高寺 (世田谷区)
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歴史
京王線の千歳烏山駅から甲州街道を過ぎて寺院通り(烏山寺町のメインストリートにあたる)のある北方向に歩くと、約15分で烏山寺町に入る[2][7]。最初に出会う寺院が妙高寺で、「寺院通一番」バス停のそばにある[2][7][9]。烏山寺町の中ではこの寺院のみが、千歳烏山駅から見て中央自動車道の手前に位置している[7][9]。
日蓮宗に属し、本山は身延山久遠寺、山号を「玄立山」という[1][2][5]。妙高寺については、関東大震災を含む数回の火災によって記録を焼失した上に、歴代の住職も転住が多いとのことで詳細は不明な点がある[10]。創建は1625年(寛永2年)4月にさかのぼり、首玄院日立が浅草今戸に開山したと伝わる[1][2][6]。『御府内備考続編』という資料には、「安房国長挟郡[注釈 1]小湊誕生寺末 浅草橋場町 原立山[注釈 1]妙高寺 境内千百二十九坪、内三百六拾坪御除地、七百六拾坪年貢地、外七百八十坪持添年貢地(中略)塔中 通玄院 当時廃寺(後略)」と記述されていた[11]。1771年(明和8年)に火災による類焼被害を受け、1809年(文化6年)に再興したという[2]。
中興開山は徳川幕府第11代将軍徳川家斉の時代で、第7世住職日真の頃である[1][7][2]。天保の改革を推進したことで知られる老中水野忠邦が帰依し、その嫡子である水野忠精が4000坪の地所と七堂伽藍を寄進して、以後妙高寺は水野家の江戸における祈願所の役割を担うことになった[1][2][9]。
その後1922年(大正11年)5月に失火による火災を起こし、翌1923年(大正12年)9月1日には関東大震災に遭遇して寺宝などを焼失した[2]。震災当時の住職は第27世吉田勝碩で、震災後の1927年(昭和2年)に烏山の現在地に移転し、本堂を建立している[1][2][10]。次の第28世住職吉橋海要は、庫裏の建設と書院の移築を行った[10]。この書院は、旧有栖川宮邸の書斎を移築したものである[1][7][10]。妙高寺は世田谷区教育委員会が1978年(昭和53年)4月1日から1981年(昭和56年)3月31日にかけて実施した「世田谷区社寺調査」の対象となっている[12][13][14]。
注釈
- ^ a b 「長挟郡」及び「原立山」は『烏山寺町』(2010年)巻末史料篇収録『御府内備考続編』の表記に従った[11]。
- ^ 旧有栖川宮邸が有栖川宮記念公園にあった時期は、1896年(明治29年)から1912年(大正元年)までである[10]。
- ^ 「しきなす」と読み、仏像の台座を構成する一部分である[19]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 『烏山寺町』14-15頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 『烏山の寺所をたずねて』4-5頁。
- ^ a b 『せたがや社寺と史跡その二』48-49頁。
- ^ a b c 竹内、154-155頁。
- ^ a b c 『せたがや社寺と史跡その二』42-43頁。
- ^ a b c d e 『烏山の寺町』5-6頁。
- ^ a b c d e f g h 『改訂・せたがやの散歩道 一歩二歩散歩』236-240頁。
- ^ 『ふるさと世田谷を語る 烏山・給田』、29-31頁。
- ^ a b c d e f g 『せたがやの寺町』8-9頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『世田谷区社寺史料 第二集 建築編』158-163頁。
- ^ a b 『烏山寺町』、108-109頁
- ^ 『世田谷区社寺史料 第一集 彫刻編』序及び目次。
- ^ a b 『世田谷区社寺史料 第二集 建築編』序及び目次。
- ^ 『世田谷区社寺史料 第三集 絵画・彫刻II・目録編』序及び目次。
- ^ “おもな施工物件(社寺・特殊物件)”. 有限会社栗原工業. 2015年8月30日閲覧。
- ^ “チタン屋根施工例 ハイブリッドチタン葺き”. 株式会社カナメ. 2015年8月30日閲覧。
- ^ a b c d e f 『世田谷区社寺史料 第一集 彫刻編』109-114頁。
- ^ a b c 『世田谷区社寺史料 第三集 絵画・彫刻II・目録編』106-107頁。
- ^ “仏像の知識 台座”. 仏像ドットコム 東洋仏所. 2015年8月22日閲覧。
- ^ a b c 『烏山寺町』68頁。
- ^ a b c 『烏山寺町』62-68頁。
- ^ a b 『烏山寺町』目次・凡例。
- ^ “交通案内”. 玄立山 妙高寺. 2015年8月22日閲覧。
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