三菱ふそう・キャンター
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9代目 FDA・B/FEC・D/FGA・B系(2020年-)
三菱ふそう・キャンター(9代目) FDA・B/FEC・D/FGA・B系 | |
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ニッポンレンタカー 冷凍車仕様 | |
キャンターEX トナミ運輸側面開閉車 | |
概要 | |
販売期間 | 2020年11月 - |
2020年10月19日、世界に先駆けて国内で発表。同年11月より販売開始[26]。
- キャブデザインを一新し、ローザ(2018年)・エアロクイーン/エアロエース(2019年)に採用した「ふそうブラックベルト」をフロントフェイスに採用[27]。但しキャブは7代目からのキャリーオーバーである[28]。
- 左折巻き込み事故のリスクを低減させる先進安全装置「アクティブ・サイドガード・アシスト」を小型トラックでは国内初搭載。死角となりやすい車両左側をレーダーで監視することで、対象物を感知し、警報音でドライバーに警告を出すもの。
- エンジンは先代の4P10を改良した3.0Lの「4P10+」(110PS/130PS/150PS/175PS)。
- なお、「eCanter」は9代目発表時点では初代モデルのままで継続発売された。
2021年3月、法改正に合わせた改良を実施[29]。J-OBDII(車載式故障診断装置、GVW7.5t以下全モデルが対応。GVW7.5t超モデルは2019年に対応済み)および後部突入防止装置を同年9月の法改正施行に先行して装備した。
2021年8月からは欧州での受注を開始。欧州向けキャンターの新モデルは、ポルトガルのトラマガル工場で12月に生産を開始する計画である[30][31]。
2021年11月1日、これまでDUONICのみだった1.5t積クラスに5速MT車を追加設定[32]。1.5t積クラスへのMT設定は10年ぶり[33]。
2022年9月7日、「eCanter」が9代目ベースの2代目へフルモデルチェンジすることを発表。日本では2023年春に発売予定であることがアナウンスされる[34]。
2023年3月9日、前述した「eCanter」の2代目へのフルモデルチェンジを正式発表し、同日より受注を開始[35]。
- モーターを後軸に統合した電気アクスル「eAxle」の採用によりドライブシャフトが無くなり、ドライブトレインをコンパクト化したことでシャシや架装バリエーションを大幅に拡大。シャシのラインナップは日本仕様では28型式となり、動力取り出し装置をモーター式にした「ePTO」を採用したことで架装オプションも拡大され、ダンプ(サブフレーム付)、キャリアカー、脱着車、リアクレーン、ゴミ収集車(押し出し式)の架装が可能となった。車両総重量(GVW)は初代モデルの7.5tクラスに加えて、GVW5tクラスから最大でGVW8tクラスまで展開し、キャブサイズも初代モデルと同等のワイドキャブに加え、標準幅キャブとファイターと同等サイズとなるEX拡張キャブの3種類を展開。ホイールベースも2,500mmから中型車クラスと同等なる4,750mmまでの複数展開となる。
- バッテリーはモジュール式が採用され、ホイールベースに応じて、1個搭載のSサイズ、2個搭載のMサイズ、3個搭載のLサイズを設定し、用途に応じた渡航距離を選択可能とした。
- ステアリングヒーターとシートヒーターをメーカーオプションで設定し、必要な箇所だけを温める省電力機能を追加。電力消費を抑えつつウィンドシールドの曇りを除去するウィンドシールドヒーターを新たにメーカーオプション設定した。さらに、事前に稼働開始時刻をタイマー予約することで稼働開始時にハイパフォーマンスを発揮する「バッテリープレコンディショニング」を標準装備した。
- 回生ブレーキの制動力を回生なしから強回生までの4段階に強度を増やしたほか、車載バッテリーから別売のパワーステーションを介して外部給電を行う外部給電システムが新たに搭載された。
- 安全装備は9代目キャンター同様に「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」が標準装備されたほか、バックアイカメラシステムも標準装備され、パーキングブレーキを電動化した。
2023年12月20日、カゼットが7代目いすゞ・エルフベースの3代目へフルモデルチェンジされたことに伴い、UDトラックスへの供給を終了。これにより、2012年11月以来、約13年ぶりにOEM車種がない三菱ふそうオリジナル車種に戻った。
注釈
- ^ 1963年から1970年までは三菱重工業、1970年から2002年までは三菱自動車工業が製造・販売していた。
- ^ これらフロントグリルにCANTERと表記されていない場合はフロントガラス下部に表記される。
- ^ 後に同クラスのいすゞ・エルフや日野・デュトロにも総輪ディスクブレーキが採用されている(いずれも4WD車を除く)。
- ^ 総輪ディスクブレーキの全車種への採用は小型トラッククラス初[注釈 3]。ただし、後に追加された4WDワイドキャブ車に限り車両総重量の関係上、これまで通り総輪ドラムブレーキが採用される。
- ^ いすゞ・エルフ100、UDコンドル CARGO 1.15t〜1.5t級とも兄弟車なため、4メーカーが同一車種を扱うという、異例の事態が発生。ただし、2013年夏をもってコンドルの1.15t〜1.5t級は廃止されたためキャンターのカゼットとしての供給開始の時点においては3メーカーに減少した。
出典
- ^ あのクルマの復活が遠因!? インドネシアで大人気の三菱ふそう・コルトディーゼルがキャンターになっちゃった!fullroad 2022年5月2日
- ^ 【世界を走る日本のトラック】ダイムラーのお家事情!? 米国の名門フレイトライナーとして販売されるメキシコのキャンターとインド製FUSO車fullroad 2022年6月19日
- ^ “小型トラック「キャンター」誕生から60周年”. asia.daimlertruck.com. 2024年5月14日閲覧。
- ^ キャンターにCNG/LPGエンジン搭載車を新発売 三菱自動車プレスリリース(2002年11月21日)
- ^ 「新型キャンター」のイメージキャラクターに「矢沢永吉」を起用 三菱自動車プレスリリース(2002年6月18日)
- ^ 世界初の小型商用車用の6速ATを開発 アイシン精機プレスリリース(2004年8月2日)
- ^ a b 『新型「NT450アトラス ATLAS」を新発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2012年11月8日 。2012年11月9日閲覧。
- ^ a b 『小型トラック 新型「キャンターガッツ」を発売』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2012年11月8日 。2012年11月9日閲覧。
- ^ 『ハイブリッド用モーター内蔵デュアルクラッチ式トランスミッションが「2013年次RJCカーオブザイヤー特別賞」を受賞』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2012年11月14日 。2013年5月7日閲覧。
- ^ 『新型「キャンター エコ ハイブリッド」がアイルランド「Irish Green Commercial of the Year 2013」を受賞』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2013年1月25日 。2013年5月7日閲覧。
- ^ 『新型「キャンター エコ ハイブリッド」が「第3回かながわ地球温暖化対策大賞」を受賞』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2013年2月5日 。2013年5月7日閲覧。
- ^ 『新型「キャンター エコ ハイブリッド」をオーストラリアで発表』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2013年2月7日 。2013年5月7日閲覧。
- ^ 『新型「キャンター エコ ハイブリッド」が「Best Energy Efficient Product Award」を受賞』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2013年4月19日 。2013年5月7日閲覧。
- ^ 『UDトラックス、新小型トラック「カゼット」を発売』(プレスリリース)UDトラックス株式会社、2014年9月11日 。2014年10月2日閲覧。
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- ^ 『UDトラックスの新小型トラック「カゼット」、三菱ふそうから供給開始 ~記念式典を三菱ふそう・川崎工場で開催~』(プレスリリース)UDトラックス株式会社、2014年10月1日 。2014年10月2日閲覧。
- ^ 『新型トラック「キャンター EX」を開発』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2014年11月28日 。
- ^ 『「カゼットRK」を発売 ~小型をベースに中型の積載容量を実現した、新カテゴリーのトラックを投入~』(プレスリリース)UDトラックス株式会社、2015年1月21日 。2017年7月30日閲覧。
- ^ 『「キャンター」4トン積載ダンプを新設定』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2015年4月21日 。2015年4月22日閲覧。
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- ^ “【三菱ふそう キャンター 新型】ふそうブラックベルトを採用し、新たな“顔”で登場”. Response (2020年10月19日). 2020年10月21日閲覧。
- ^ “【三菱ふそうに聞くトラックデザインの奥義】その1:ブラックベルトのアイデンティティ”. Response (2021年6月9日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ 『小型トラック「キャンター」を改良し発売』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2021年3月31日 。2021年10月20日閲覧。
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- ^ “三菱ふそう、欧州で新型「キャンター」受注開始 ユーロ6ステップEに適合 先進安全装備も充実”. 2021年10月21日閲覧。
- ^ 『小型トラック「キャンター」1.5t積載クラスに 「マニュアルトランスミッション(MT)」モデルを新たに追加』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス株式会社、2021年11月1日 。
- ^ “三菱ふそう、「キャンター」1.5t積載クラスに10年ぶり5速MTモデル復活”. Car Watch. 2021年11月2日閲覧。
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- ^ 『NT450アトラスの一部仕様向上を発表』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2019年7月2日 。
- ^ “独ダイムラー・トラック、米で中型EVトラックブランド立ち上げ”. 2023年4月28日閲覧。
- ^ 梁美甜 (2008年10月6日). “轆Book:5噸露筍寸得起” (中国語). 蘋果日報(香港). 2021年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月14日閲覧。
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