リシュリュー 芸術と文化

リシュリュー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/14 09:05 UTC 版)

芸術と文化

リシュリューの城館パレ・カルディナル(現在のパレ・ロワイヤル

リシュリューは芸術家のパトロンとして有名だった。自身も多くの宗教や政治に関する著作を残しており、もっとも有名な著作が『政治的遺書』である。彼は多くの文学者に資金を出しており、また当時は芸術としての評価が低かった演劇も愛好した。後援した人物の一人に劇作家のコルネイユがいる。

リシュリューは傑出したフランス文学学会であるアカデミー・フランセーズを創設し、パトロンとなった。元々は非公式の文人サークルだったが、リシュリューがこの団体のために特許証フランス語版を出している。アカデミー・フランセーズは40人の会員から成り、文学を奨励し、現在でもフランス語の公的権威であり続けている。リシュリューは学会の「保護者」となり、1672年以降、この地位には歴代のフランス国家元首が就いている。

1622年にリシュリューはソルボンヌの学長に選出された。彼は大学の建物の改築を取り仕切り、有名なチャペルを建築した。死後ここに埋葬された。リュソン司教であったため、彼の彫像がリュソン城外に建っている。

リシュリューはパリ市内の城館パレ・カルディナルの建築を監督した。城館はリシュリューの死後にパレ・ロワイヤルと名を変えて、現在はフランス憲法院フランス語版文化省国務院が入っている。パレ・カルディナルの建築家ジャック・ルメルシエフランス語版アンドル=エ=ロワールにある一族伝来の領地の城館と周辺市街の建設も任され、この計画はリシュリュー城とリシュリュー市街フランス語版の建設にまで発展した。彼はこの城館にヨーロッパ最大の芸術コレクションを加えており、最も有名な作品にはミケランジェロ製作の彫刻『奴隷』や、ルーベンスプッサンそしてティツィアーノの絵画があった。詩人ラ・フォンテーヌはこの地を「世界でもっとも美しい村」と述べている[21]フランス革命が起こるとコレクションは散逸し、城館は解体された[22]


  1. ^ Armand-Jean du Plessis, cardinal et duc de Richelieu French cardinal and statesman Encyclopædia Britannica
  2. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p15
  3. ^ 「宰相リシュリュー」p57
  4. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p17
  5. ^ 「宰相リシュリュー」p67
  6. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p18
  7. ^ 「ラルース図説 世界史人物百科〈2〉」p239
  8. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p21
  9. ^ 「世界の歴史8 絶対君主と人民」p46
  10. ^ 「宰相リシュリュー」p120
  11. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p85
  12. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p52
  13. ^ 「世界の歴史8 絶対君主と人民」p46-47
  14. ^ 「世界の歴史17 ヨーロッパ近世の開花」p261-262
  15. ^ 「聖なる王権ブルボン家」p83-84
  16. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p133-175
  17. ^ 「世界の歴史9 絶対主義の盛衰」p42
  18. ^ 「世界の歴史8 絶対君主と人民」p48
  19. ^ 「世界の歴史8 絶対君主と人民」p57
  20. ^ 「世界の歴史9 絶対主義の盛衰」p44
  21. ^ 「宰相リシュリュー」p24-25
  22. ^ 「宰相リシュリュー」p25
  23. ^ 「宰相リシュリュー」p20-21
  24. ^ 「一年有半・続一年有半」
  25. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p85-86
  26. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p24
  27. ^ 「リシュリューとオリバーレス」p25






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