ラリー ラリーと類似する別の競技

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ラリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 20:22 UTC 版)

ラリーと類似する別の競技

ラリーレイド

2018年ダカール・ラリー

ラリーレイド(クロスカントリーラリー)は、大平原・砂漠・岩場などの道なき荒野を走破するオフロードの耐久レース。ラリーと同様にナビゲーターを乗せ、日程はSSとリエゾンで構成されるが、競技日程・総走行距離ともに圧倒的に長く、全行程を完走するのに一週間以上かかる。比較的管理された公道の中で秒単位を争い全開で走るラリーに対し、ラリーレイドでは開かれた大地の中で自ら道を探し、秒どころか分単位で時間を犠牲にしてでも道を拓かねばならない。そのためミスコースや事故・故障などに遭遇する確率が高く、冒険・サバイバルの要素が強い。テクニカルなセクションでのコンマ数秒を争う敏捷性が求められるラリーに比べると、確実な走破性や高速域でのトップスピードが必要となる。

ラリーのスペシャルステージではハッチバックセダンクーペのような比較的小型の乗用車が一台ずつ走るのに対し、ラリーレイドの車両は悪路走破性能をもつ大型のクロスカントリー車SUV)やピックアップトラック貨物トラックバギーカーATVサイド・バイ・サイド・ビークルバイクなど二輪から八輪までの様々な乗り物が同時に走行する[12]

各自がコースを下見してペースノートを作る「レッキ」は行われず、主催者から受け取るコマ図を頼りに次のチェックポイントを探す。コマ図に忠実に走るのは困難であるため、中にはコースミスを防ぐためにライバルや他クラスの後をついていったり、後をついてマークしてくるライバルを惑わすためにわざと迷っているフリをするような駆け引きも発生する。逆にライバル同士でルート探しやマシントラブルの対処で助け合うような場面もあり、いずれもラリーレイドの醍醐味となっている。

日本国内ではダカール・ラリー(旧称パリ-ダカール・ラリー)で三菱・パジェロ日野・レンジャーが活躍し、テレビでもダイジェスト放送されたことから、一般的にこの競技が「ラリー」のイメージに捉えられる傾向がある。競技形式も似ている上、ダカールの様にイベント名では単に「ラリー」と呼称されるのが一般的であるため、特に混同されやすい。

エンデューロ

ISDE(国際6日間エンデューロ)

オートバイ(二輪バイク、サイドカーATVなど)におけるラリーのような競技。タイムアタックに当たってペースノートやコマ図は用いないが、コース上にスペシャルテスト(ラリーのSSに該当)・リエゾン・チェックポイントが存在する点、マシンを公道規則に合致させなければならない点など、ラリーと共通点が多い。

そうした事情からオートバイ競技界ではラリーレイドのことは俗に、単に「ラリー」と呼ぶことが多いため、上述の混同を招く一因となっている。

ラリークロス

世界ラリークロス選手権

ラリークロスはラリーとサーキットレースが融合したもので、短いサーキットにおいて、ラリーカーに近いマシンがレース形式で順位を争う競技である。ナビゲーター役は助手席には搭乗せず、会場の高い場所からドライバーに指示をする(「スポッター」と呼ばれる)。

1ヒート数周の短期決戦であり、1ヒートにつき4〜10台の車両が出走し、予選ヒートや敗者復活戦を勝ちあがった者で決勝ヒートを行なって優勝者を決める。グラベルターマックがミックスされたコースで、ラリーカーに近いスタイリングで最大700馬力ものマシンがぶつかり合う、豪快なスタイルが醍醐味となっている。

ヨーロッパでは伝統のある競技であり、2014年からF1やWRCに並ぶ格式のFIA世界選手権として、世界ラリークロス選手権 (World RX) が開催されている[13]

ジムカーナ/ダートトライアル

ジムカーナはターマック(舗装路)、ダートトライアルはグラベル(未舗装路)のコースでタイムアタックを行う競技。どちらも路面によって呼称が異なる点はもちろん、クローズドコースである点、ナビゲーターが存在しない点など、ラリー以上にシンプルなタイムアタック競技であるのが特徴。また世界選手権は存在せず、FIAによる統一された基準やルールも無いため、アマチュア色が強い。


注釈

  1. ^ のちにアルプス山岳部でのタイムアタック形式(SSラリー)に変容するが、往時のスタイルは「ラリー・モンテカルロ・ヒストリック」として現在も開催されている。
  2. ^ TCエリアにはターゲットタイムの1分前まで進入することができない。
  3. ^ 遅着よりも早着の方がペナルティが重いのは、ロードセクションにおける制限速度オーバーを防ぐという理由がある。
  4. ^ あらかじめCPの位置が分かっていると、CPの手前でオンタイムになるよう車速を調節できるため。

出典

  1. ^ ラリーの意味”. コトバンク プログレッシブ英和中辞典(第4版). 朝日新聞社/VOYAGE GROUP. 2017年3月13日閲覧。
  2. ^ a b "HISTORY". スズキWRCチャレンジ
  3. ^ WRC基礎用語辞典「ラリー」 世界ラリー選手権日本語オフィシャルサイト
  4. ^ 『F1と世界のモータースポーツ』138頁。
  5. ^ "ラリージャパンがやってくる!". ニッポンレンタカー. 2014年2月26日閲覧。
  6. ^ 2013国内競技規則 付則 (PDF, ラリー競技開催規定第2条(280頁))
  7. ^ "スペシャルステージラリーの競技規定について (2) ロードセクション". JRCA. 2014年2月25日閲覧。
  8. ^ 『新・実践ラリー入門』36頁。
  9. ^ a b 『新・実践ラリー入門』37頁。
  10. ^ 5. Rally Terra da Auga 2018
  11. ^ AUTO SPORTS 2012年12月13日 三栄書房刊
  12. ^ "ラリーを始めてみませんか". SSER. 2014年2月25日閲覧。
  13. ^ "【動画】ラリークロスの世界戦昇格が決定!". RALLY PLUS NET.(2010年10月9日)2014年2月25日閲覧。





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