マキリ アイヌのマキリ

マキリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/26 05:26 UTC 版)

アイヌのマキリ

北海道全域のアイヌの各部族も「武具ではない、主に狩猟や漁に用いる小型の刃物」を指す言葉として“マキリ”の語を用いている。

それらのマキリの中でも特に小型で女性用[14][15]、又はアイヌ男性によってアイヌ女性に贈られたマキリ[14]を特別に「メノコマキリ」と呼び分けることもある。

それらのマキリはイタヤカエデのような比較的硬い木や鹿角を材料としたアイヌ独自の装飾が施された鞘や柄を持ち[15]、その装飾のなかでもウロコ彫りと呼ばれる地模様は他に類を見ないアイヌ独自の手法で彫られる。

鞘や柄の形態や装飾はアイヌの部族によって異なり桜の皮で縫い合わされたもの、水抜き用の穴があるもの、木や角製の根付がつくものなど様々な種類がある。

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マキリ
アイヌマキリ

脚注・出典

参考文献

関連項目


  1. ^ a b c 橘正一『方言學概論』育英書院、1936年、258頁。doi:10.11501/1113326全国書誌番号:59001801 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1113326/131
  2. ^ 「カムイ」について(昭和12年)”. 秋田の古い新聞記事. 2023年6月23日閲覧。津村量定「「カムイ」に就いて」(『角館時報』1937年3月23日)を掲載。
  3. ^ 北海道における鉄文化の考古学的研究-鉄ならびに鉄器の生産と普及を中心として-(笹田朋孝)”. 博士論文データベース. 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部. 2023年6月25日閲覧。
  4. ^ 佐々木 2001, p. 117-118
  5. ^ 佐々木 2001, p. 119-120
  6. ^ 林子平『三国通覧図説』1785年https://adeac.jp/kokyubunko/viewer/mp200310-200020/20_002/ 酒田市立図書館/光丘文庫デジタルアーカイブに 解説文あり
  7. ^ 鳥居龍蔵(Torii, R.)『Etudes Archeologiques et Ethnologiques. : Les Ainou des Iles Kouriles』 42巻、Tokyo University〈Journal of the College of Science, Imperial University of Tokyo〉、1919年。doi:10.15083/00037689https://doi.org/10.15083/00037689 
    鳥居龍蔵「「考古学民族学研究・千島アイヌ」」『鳥居龍藏全集』朝日新聞社〈第5巻〉、1975年、423-424頁。doi:10.11501/12143572全国書誌番号:73017077 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12143572/219
  8. ^ a b c 知里 1953, pp. 49–51
  9. ^ 菅江真澄「蝦夷迺天布利」『秋田叢書 別集 第4 (菅江真澄集 第4)』秋田叢書刊行会、1932年、567-568頁。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1174008/311
  10. ^ 松宮観山:著 『蝦夷談筆記』上巻 寛永7年(1630年)
  11. ^ 高倉信一郎 編「正徳5年松前志摩守差出候書(犀川会資料 第5号)」『犀川会資料 北海道史資料集』北海道出版企画センター、1982年、137頁。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9490850/73
  12. ^ 新井白石:編 『蝦夷志享保5年(1720年)
  13. ^ "マキリ". 精選版 日本国語大辞典. コトバンクより2023年6月25日閲覧
  14. ^ a b メノコマキリ”. 平取町立二風谷アイヌ文化博物館. 2023年6月25日閲覧。
  15. ^ a b 女性用刃物<メノコマキリ>」『北方民族博物館だより』第95号、北海道立北方民族博物館、2014年12月19日、1頁。 


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