ポリエステル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/02 15:26 UTC 版)
概要
ポリエステルの合成方法は、ポリアルコール(アルコール性の官能基 -OH を複数有する化合物)と、多価カルボン酸(カルボン酸官能基 -COOH を複数有する化合物)を脱水縮合させて作ることを基本とする。この場合、ポリアルコールと多価カルボン酸が交互に配列した形で重合する。したがって、ポリアルコールと多価カルボン酸の組み合わせを選択することによって、様々なポリエステルを合成することが可能である。
他のポリエステルの合成の手法として、多価カルボン酸のエステル(たとえばメチルエステル)を使用して、エステル交換反応も利用される。
なお、数々のポリエステルの中で、最も多く生産されている物はテレフタル酸とエチレングリコールから製造される、ポリエチレンテレフタラート (PET) である。なお、PETの樹脂識別コード(SPIコード)は1である。
分類
ポリエステル樹脂の用途によって、分類名が変化してきた。主なものは次のとおり。
- 繊維やペットボトルなどに使われる、テレフタル酸とエチレングリコールを主成分とするもの(poly-ethylene-terephthalate 略して PET ペット)。繊維ではダクロン(アメリカ・デュポンの商標)、テトロン(帝人と東レの共同商標)などの商品名のままで呼ばれることも多い。
- ボタンなどの成形品、ガラス繊維などで強化して、船舶・ボートなどに使われるもの。ポリエステルに不飽和基を含ませ、スチレンなどのビニル基をもったモノマーと成形時に共重合させる。不飽和ポリエステルと言う。
- アルキド樹脂 油脂や他の樹脂(たとえばエポキシ樹脂)をも反応に加えて、変性(性質を調整)したポリエステル樹脂。
成分
ジカルボン酸成分
- テレフタル酸 (TPA)
- 2,6-ナフタレンジカルボン酸 (NDC)
ジオール成分
- エチレングリコール (EG)
- 1,3-プロパンジオール (PDO)
- 1,4-ブタンジオール
- 1,4-シクロヘキサンジメタノール (CHDM)
- ^ 『繊維・ファッションビジネスの60年』繊研新聞社、2009年、pp.24-25
ポリエステルと同じ種類の言葉
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