ヒドラスチン ヒドラスチンの概要

ヒドラスチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 07:58 UTC 版)

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ヒドラスチン
IUPAC命名法による物質名
薬物動態データ
代謝Hepatic
排泄Renal
識別
CAS番号
118-08-1 
ATCコード none
PubChem CID: 197835
ChemSpider 171234 
UNII 8890V3217X 
ChEMBL CHEMBL497942 
化学的データ
化学式C21H21NO6
分子量383.395 g/mol
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名前の由来となったヒドラスチス(Hydrastis canadensis)等のキンポウゲ科の植物に含まれる。

全合成

ヒドラスチンの全合成は、1931年にロバート・ロビンソン卿らによって初めて報告された[3]。その後[4][5]、鍵となるラクトンアミド中間体(図の構造4)の合成が最も困難であったが、1981年にJ.R.ファルクらが単純な出発物質から4段階でヒドラスチンを全合成する事に成功し、大きなブレイクスルーとなった[6]。ファルクの合成では、パッセリーニ反応英語版を利用してラクトンアミド中間体4を構築することが重要なステップであった。

比較的単純な1,3-ベンゾジオキソールの誘導体1から出発し、リチウムメチルイソシアニドを用いたアルキル化反応により、イソシアニド中間体2を得る。中間体2をオピアン酸3と反応させると,分子内パッセリーニ反応が起こり,鍵となるラクトンアミド中間体4が得られる。続いて、POCl3を用いて脱水条件下で閉環反応を行い、次にPtO2を触媒として水素化反応を行うことで、テトラヒドロイソキノリン環が形成される。最後に、ホルムアルデヒドとの還元的アミノ化反応によりN-メチル基を設置して、ヒドラスチンが合成される。

関連項目


  1. ^ American Journal of Pharmacy: 112, (1851) .
  2. ^ Römpp CD, Georg Thieme Verlag, (2006) .
  3. ^ “XXXI.—A synthesis of hydrastine. Part I”. J. Chem. Soc. 0: 236–247. (1931). doi:10.1039/JR9310000236. ISSN 0368-1769. 
  4. ^ “Synthesis of Hydrastine”. Nature 165 (4196): 529. (1950). Bibcode1950Natur.165..529H. doi:10.1038/165529a0. ISSN 0028-0836. 
  5. ^ “360. A new route to the phthalide-isoquinoline bases, and a synthesis of (–)-hydrastine”. J. Chem. Soc. 0: 1776–1780. (1950). doi:10.1039/JR9500001776. ISSN 0368-1769. 
  6. ^ “An intramolecular passerini reaction: Synthesis of hydrastine.”. Tetrahedron Letters 22 (7): 619–620. (1981). doi:10.1016/S0040-4039(01)92504-3. ISSN 0040-4039. 


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