バニシングin60″
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 16:37 UTC 版)
ストーリー
主人公・メインドリアン・ペイスは元カーレーサー。今は交通事故や車両窃盗を取り扱っている保険会社の嘱託調査員であるがそれは表の顔。本業は依頼を受けて目的の車を非合法に入手する、つまり窃盗によって取りそろえる窃盗団のボス。ただし、盗難保険に入ってるクルマしか狙わないというポリシーをもっている。
ある日某国のディーラーから大量の高価で希少な車の手配を頼まれる。対象のクルマにそれぞれ女性の名前を付けて、鮮やかな手口でその依頼を着々とこなしていくが、黄色の1973年型マスタング『エレノア』にだけは何故か手こずっていた。そんなある時、ルールをめぐって諍いのあった仲間の密告に遭い、警察に待ち伏せされて追われる羽目になる。ペイスは一台『エレノア』を駆ってロサンゼルスを舞台に一大カーチェイスを展開する。
ロングビーチで発生した警察のカーチェイスを知った地元ラジオ局は放送内容を変更し、目撃者や被害者の情報を集めて逐次実況する。警察に追われエレノアのハンドルを握るペイスの後には警察車両と一般車を巻き込む事故が次々と発生、警察の追跡を振りきって損傷激しいエレノアと共に逃走した先の洗車場にて同型車を発見、従業員を騙って利用客が所有する洗浄を済ませたばかりの無傷のエレノアに乗り込んだペイスは高速道路に向かう。
作品について
- スタントマン出身のハリッキーによる、カーアクション映画のカリスマ的作品である。
- 上映時間の半分を割いた約40分にわたる前代未聞のカーチェイスは語り草となっている。製作から40年以上を経ても、このロングカーチェイスの記録は破られていない。
- 作品中のテロップでは主役は“ELEANOR(エレノア)”とだけ記されている。これは主役はあくまで「車」なのだ、というハリッキーのメッセージである。
- カーチェイスは、ロケーションも含めて、ドキュメンタリータッチで撮影されており、主人公の車が通過後の被害処理にあたる警察やヤジ馬などの描写など、独特の雰囲気をもっている。
- ペイスの車がハイウェイから強引に出ようとする際、後続車と接触しスピンしながら鉄柱に激突するシーンが出てくるが、これはアクシデントによる実際の事故ショット。ハリッキーは負傷しながらも、カメラマンに「おい、ちゃんと撮ったか?」と聞いたという。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
---|---|---|---|
日本テレビ版 | ソフト版 | ||
メインドリアン・ペイス | H・B・ハリッキー | 中尾彬 | 家中宏 |
パンプキン | マリオン・ブシア | 北島マヤ | 園田恵子 |
ユージン | ジェリー・ドージラーダ | 津嘉山正種 | 宗矢樹頼 |
スターシュ | ジェームズ・マッキンタイア | 東富士郎 | 木下浩之 |
アトリー・ジャクソン | ジョージ・コール | 亀井三郎 | 水内清光 |
コーリス | ロナルド・ハリッキー | 秋元羊介 | 津久井教生 |
ジョー | マルコス・コシコス | ||
ペイスの乗る黄色い車 | マスタング「ELEANOR」 | ||
不明 その他 |
新井一夫 浅井淑子 高橋ひろ子 北川智繪 仁内達之 仲木隆司 藤本譲 石森達幸 嶋俊介 筈見純 峰恵研 稲葉実 村松康雄 小島敏彦 藤城裕士 |
杉本ゆう 桜澤凛 石住昭彦 滝沢久美子 金子由之 西前忠久 遠藤純一 樫井笙人 斉藤瑞樹 北斗誓一 児玉孝子 | |
演出 | 福永莞爾 | ||
翻訳 | 榎あきら | ||
効果 | PAG | ||
調整 | 栗林秀年 | ||
制作 | グロービジョン | ||
解説 | 水野晴郎 | ||
初回放送 | 1977年9月14日 『水曜ロードショー』 |
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