ハーデース ハーデースの概要

ハーデース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/20 06:40 UTC 版)

ハーデース
Ἅιδης
冥界の王, 地下の鉱物資源の守護神
ハーデースとケルベロス像。
イラクリオン考古学博物館所蔵。
住処 冥界
武器 二叉の槍バイデント
シンボル 豊穣の角, 水仙, 糸杉
配偶神 ペルセポネー
クロノス, レアー
兄弟 ヘスティアー, デーメーテール, ヘーラー, ポセイドーン, ゼウス, ケイローン
ローマ神話 プルートー, オルクス, アイタ
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オリュンポス内でもゼウス、ポセイドーンに次ぐ実力を持つ。後に冥府が地下にあるとされるようになったことから、地下の神ともされ、ゼウス・クトニオス(地下のゼウス)という別名を持っている。普段冥界に居てオリュンポスには来ないためオリュンポス十二神には入らないとされる場合が多いが、例外的に一部の神話ではオリュンポス十二神の1柱として伝えられている[注 1]。また、さらに後には豊穣神(作物は地中から芽を出して成長する)としても崇められるようになった。パウサニアースの伝えるところに依ればエーリスにその神殿があったといわれている[4]


注釈

  1. ^ 「ギリシア神話の代表的な神々は、アテーナイパルテノン神殿小壁の彫刻にある十二神である。ハーデースはオリュンポス十二神に属してはいないが、ゼウス、ポセイドーンに次ぐ主要な神の1柱である。「十二神」は図式化が行われており、述べる者の立場でいくらかの入れ替わりがある(Classical Dictionary, p.1301, religeon, Greek, Gods and other cult figures)
  2. ^ 『デーメーテール讃歌』37-39頁。および89頁、訳注98「オウィディス『変身物語』五巻では、ペルセポネーは庭園を散歩しているとき、みずからの意志でザクロの実を7粒食べたとされる」。
  3. ^ 古代ギリシア人は1年を3つの季節に分けていたともされる。冬の季節をハーデースの許で、残りの春と夏を母親などと暮らすことになる。
  4. ^ 『デーメーテール讃歌』41頁。および103頁、訳注103「オウィディウス『変身物語』五巻では、一年の半分の六ヶ月を天界で、残り六ヶ月を冥界で暮らすとされる」。

出典

  1. ^ 古代ギリシア語ラテン翻字: Hādēs
  2. ^ フェリックス・ギラン『ギリシア神話』223、252頁
  3. ^ マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』404頁
  4. ^ 『図説ギリシア神話 【神々の世界】篇』109頁
  5. ^ 古代ギリシア語ラテン翻字: Hāidēs
  6. ^ 古代ギリシア語: Ἀΐδης古代ギリシア語ラテン翻字: Aidēs
  7. ^ 古代ギリシア語: Ἀϊδωνεύς古代ギリシア語ラテン翻字: Aidōneus
  8. ^ 古代ギリシア語: Πλούτων古代ギリシア語ラテン翻字: Plūtōn
  9. ^ 古代ギリシア語: Κλυμένος古代ギリシア語ラテン翻字: Klymenos
  10. ^ 古代ギリシア語: Εὐβουλέυς古代ギリシア語ラテン翻字: Eubūleus
  11. ^ 『ギリシア・ローマ神話辞典』190頁
  12. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』第1巻、I:6
  13. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』第1巻、II:1
  14. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』190頁
  15. ^ 『図説ギリシア神話 【神々の世界】篇』18、23頁
  16. ^ 『デーメーテール讃歌』17頁
  17. ^ 『ギリシア神話』第1巻、V:1
  18. ^ 『ギリシア・ローマ神話辞典』165頁
  19. ^ 『悪魔のダンス』142頁
  20. ^ 『デーメーテール讃歌』30-35頁
  21. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』第1巻、V:1:3
  22. ^ 『デーメーテール讃歌』88頁、訳注98「参照、オウィディウス『変身物語』五巻、同『祭暦』四巻」
  23. ^ アポロドーロス『ギリシア神話』第1巻、V:3
  24. ^ 『早わかりギリシア神話』58頁


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