ハクサイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 20:26 UTC 版)
品種
品種は結球性・半結球性[注 1]・不結球性[注 2]の3タイプがあるが、一般にハクサイと呼ばれるものは結球するタイプを指している[7]。
中国では卵円形の山東系、長い筒型の河北系、丸みのある河南系の3系統に大きく分けられ、8群ある[40][41]。このうち日本では山東系の3群(菊花心群、芝罘群、膠県群)を品種改良したものが定着し[40][41]、さらに現在の日本で栽培される品種は、不和合性を利用したそれらのF1品種である[13]。主流は結球性の大型種で、甘みの濃いもの、内葉がオレンジ色のもの、ミニサイズ種なども流通している[40]。
- 結球性白菜
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- 円筒型(包被型) - 葉が頭部まで重なって結球する。日本で最も多く出回る。品種の大半がF1(雑種第一代)である。[42]
- 砲弾型(抱合型) - 葉が頭部では重ならない。秋、冬に出回り、主として漬物用。
- 紹菜(竹の子白菜) - 中国山東省・河北省の原産で、中国名は「紹菜」(シャオツァイ)。長さ40 - 50 cm、直径15 cmほどの長円筒状に成長する。煮崩れしにくく、煮物に向く。[7]
- ミニはくさい - 500 gから1 kg前後の小型種。葉が柔らかいので生食にも向く[43][7]。娃娃菜など。
- オレンジはくさい - 外葉は緑色で、中心部分がオレンジ色になる品種。甘味が強く、ハクサイ特有の匂いも少ないことから、サラダなど生食にも使える[40][41]。
- タイニーシュシュ - ミニはくさいの一種で、別名「サラダミニはくさい」ともよばれる。生食向きで、サラダにするほか、浅漬け、鍋物、炒め物に使われる[41]。
- 霜降り白菜 - 耐寒性が強く、霜に当たると甘味が増すという特徴を持つ、茨城県白菜栽培組合が育種した品種。一般の白菜より収穫するまでの栽培期間が長い[42]。
- ヘアレスはくさい - 中国南部、台湾に普及している。無毛で、多汁質なのでサラダなどに向く。
- 半結球性白菜
- 頭部が開く。関東地方に多く、主に漬物用。
- 不結球性白菜
- 葉の上部だけでなく下部も密着していない型。外見はコマツナやホウレンソウに似ている。流通量は少ない。
- 種間雑種
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- ハクラン - 偽受精という現象を、アブラナ類の品種改良に利用する研究の過程で誕生したキャベツとの雑種。味は良いが採種量がやや少ない。
注釈
出典
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- ^ アラサーからのダイエット飯(60) 糖質オフで野菜がたっぷり摂れるキャベツ餃子 マイナビニュース
- ^ 「つくばコレクション」新たに5点 厳選した地産品使用「元祖つくば餃子」など - 産経ニュース
- ^ 「餃子ダイエット」の痩せ効果がすごいと話題に!やり方&理由をチェック モデルプレス
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