スティーヴン・キング
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作品同士のリンク
キングの作品は『ダーク・タワー』シリーズを中心に多くの作品がリンクしている。さらに、『ダークタワー』シリーズとは別にキャッスルロック、デリー(ともにメイン州の架空の街)等を繋がりにリンクする作品も多く、細かいリンクを辿るとほぼ全ての作品が繋がっている。
また、『レギュレイターズ』と『デスペレーション』では、全く同じ題材を全く違う視点、展開、タッチで描くという試みも行っている。
キングが創造した主な町としては以下が挙げられる。(右に登場した作品を挙げる)
- キャッスルロック - 「デッド・ゾーン」、「クージョ」、「ダーク・ハーフ」、「ニードフル・シングス」、「スタンド・バイ・ミー」等
- デリー - 「IT」、「不眠症」、「骨の袋」、「ドリームキャッチャー」「11/22/63」等
- ジェルサレムズ(セイラムズ)・ロット - 「呪われた村」「呪われた町」等
- ヘイヴン - 「トミーノッカーズ」等
- ラドロウ - 「ペット・セマタリー」
- チェンバレン - 「キャリー」
- モットン
- ハーロウ
- リバティーヴィル - 「クリスティーン」
- ストーヴィントン
また、実在する町も登場する。
またメイン州の都市であるバンガーやルイストン、ポートランド、オーガスタ、ブランズウィック等も頻出する。
他にも稀に作品の中に過去の作品やキングの名が登場することがある。
リチャード・バックマン
別ペンネームリチャード・バックマン(Richard Bachman)名義で、『死のロングウォーク』、『バトルランナー』、『痩せゆく男』、『レギュレイターズ』などを発表した。『死のロングウォーク』は、キングの事実上の処女長編小説である。
キングが別ペンネームのリチャード・バックマンを使った理由は、キングが小説家としてのキャリアをスタートさせた当時、米国出版業界では1人の作家は1年に1冊だけ出版する、という風潮があった。そのころ多作型の作家は、別ペンネームを使うことで年に複数冊の作品を出版していたので、それにのっとりキングもリチャード・バックマン名義を別に使うことで、年に2冊みずからの作品を出版しようとした経緯がある。
その他の意図としては、同じ作家が別ペンネームで書いた本がどれだけ売れるかキングが試してみようとした、とも言われている。
なお、この試みはディーン・R・クーンツやピーター・ストラウブもかつてしていたとキングは述べている。
- ハイスクール・パニック Rage(1977年)
- 死のロングウォーク The Long Walk(1979年)
- 最後の抵抗(『ロードワーク』改題) Roadwork(1981年)
- バトルランナー The Running Man(1982年)
- 痩せゆく男 Thinner(1984年)
- レギュレイターズ The Regulators(1996年)
- Blaze(2007年)未訳
主な作品
長編
- キャリー Carrie(1974年)
- 呪われた町 Salem's Lot(1975年)
- シャイニング The Shining(1977年)
- ザ・スタンド The Stand(1978年)1990年にノーカット完全版(The Complete & Uncut Edition)が出版された。日本語訳はこれを元にしている
- デッド・ゾーン The Dead Zone(1979年)
- ファイアスターター Firestarter(1980年)
- クージョ Cujo(1981年)
- ダーク・タワーシリーズ The Dark Tower(1982年 - 2004年)
- 第一巻「ガンスリンガー」 The Gunslinger(1982年)
- 第二巻「運命の三人」(「ザ・スリー」改題) The Drawing of the Three(1987年)
- 第三巻「荒地」 The Waste Lands(1991年)
- 第四巻「魔道師と水晶球」(「魔道士の虹」改題) Wizard & Glass(1997年)
- 第五巻「カーラの狼」 The Wolves of the Calla(2003年)
- 第六巻「スザンナの歌」 Song of Susannah(2004年)
- 第七巻「暗黒の塔」 The Dark Tower(2004年)
- クリスティーン Christine(1983年)
- ペット・セマタリー Pet Sematary(1983年)
- タリスマン The Talisman(1984年)ピーター・ストラウブと共著
- 人狼の四季(『マーティ』改題) Cycle of the Werewolf(1984年)
- IT It(1986年)
- ドラゴンの眼 The Eyes of the Dragon(1987年)
- ミザリー Misery(1987年)
- トミーノッカーズ The Tommyknockers(1987年)
- ダーク・ハーフ The Dark Half(1989年)
- ニードフル・シングス Needful Things(1991年)
- ジェラルドのゲーム Gerald's Game(1992年)
- ドロレス・クレイボーン Dolores Claiborne(1993年)
- 不眠症 Insomnia(1994年)
- ローズ・マダー Rose Madder(1995年)
- グリーンマイル The Green Mile(1996年)
- デスペレーション Desperation(1996年)
- 骨の袋 Bag of Bones(1998年)
- トム・ゴードンに恋した少女 The Girl Who Loved Tom Gordon(1999年)
- ドリームキャッチャー Dreamcatcher(2001年)
- ライディング・ザ・ブレット Riding the Bullet(2000年)本国では「Everything's Eventual: 14 Dark Tales」に収録された中篇だが、日本語訳版はこの一編で一冊として出版されている
- ブラックハウス Black House(2001年)- ピーター・ストラウブと共著
- 回想のビュイック8 From a Buick 8(2002年)
- コロラド・キッド The Colorado Kid(2005年)
- セル Cell(2006年)
- リーシーの物語 Lisey's Story(2006年)
- 悪霊の島 Duma Key(2008年)
- アンダー・ザ・ドーム Under the Dome(2009年)
- 11/22/63 11/22/63(2011年)
- ジョイランド Joyland(2013年)
- ドクター・スリープ Doctor Sleep(2013年)『シャイニング』続編
- ビル・ホッジス三部作 Bill Hodges Trilogy
- ミスターメルセデス Mr. Mercedes(2014年)
- ファインダーズ・キーパーズ Finders Keepers(2015年)
- 任務の終わり End of Watch(2016年)
- 心霊電流 Revival(2014年)
- 眠れる美女たち Sleeping Beauties(2017年)- 次男のオーウェン・キングとの共著
- アウトサイダー The Outsider(2018年)
- 異能機関 The Institute(2019年)
- ビリー・サマーズ Billy Summers(2021年)
- Fairy Tale(2022年)
- Holly(2023年)
短編集
- 深夜勤務 Night Shift(1978年)
- 日本語訳版では『深夜勤務』、『トウモロコシ畑の子供たち』の二冊に分冊。
- 骸骨乗組員 Skeleton Crew(1985年)
- 日本語訳版では『骸骨乗組員』、『神々のワードプロセッサ』、『ミルクマン』の三冊に分冊。
- Nightmares & Dreamscapes(1993年)
- 日本語訳版は、ハードカバーで『いかしたバンドのいる街で』、『ヘッド・ダウン』の二冊に、文庫本で『ドランのキャデラック』、『いかしたバンドのいる街で』、『メイプル・ストリートの家』、『ブルックリンの八月』の四冊にそれぞれ分冊。
- Everything's Eventual: 14 Dark Tales(2002年)
- 日本語訳版では先行して単独刊行された中篇『ライディング・ザ・ブレット』を除いた13編を『第四解剖室』、『幸福の25セント硬貨』の二冊に分冊。
- 夕暮れをすぎて Just After Sunset(2008年)
- 日本語訳版は、『夜がはじまるとき』、『夕暮れをすぎて』の二冊に分冊。
- わるい夢たちのバザール The Bazaar of Bad Dreams(2015年)
- 日本語訳版は、『マイル81』、『夏の雷鳴』の二冊に分冊。
中編集
- 恐怖の四季 Different Seasons(1982年)日本語訳版では『ゴールデンボーイ』(春夏編)、『スタンド・バイ・ミー』(秋冬編)の二冊に分冊。
- 刑務所のリタ・ヘイワース Rita Hayworth and Shawshank Redemption
- ゴールデンボーイ Apt Pupil
- スタンド・バイ・ミー The Body
- マンハッタンの奇譚クラブ The Breathing Method
- Four Past Midnight Four Past Midnight(1990年)日本語訳版では『ランゴリアーズ』、『図書館警察』の二冊に分冊。
- アトランティスのこころ Hearts in Atlantis(1999年)
- Full Dark,No Stars Full Dark,No Stars(2010年)日本語訳版では、『ビッグ・ドライバー』、『1922』の二冊に分冊。
- 1922 1922
- ビッグ・ドライバー Big Driver
- 公正な取引 Fair Extension
- 素晴らしき結婚生活 A Good Marriage
- If It Bleeds If It Bleeds(2020年)未訳
ノンフィクション
- 死の舞踏 Danse Macabre(1981年)
- 小説作法 On Writing: A Memoir of the Craft(2000年)(邦訳『書くことについて』(2013) 田村義進 訳、小学館)
映画・テレビオリジナル脚本
- ゴールデン・イヤーズ Golden Years(1991年)
- 本人もカメオ出演している。
- X-ファイル 第5シーズン第10話「ドール」 Chinga(1998年)
- 悪魔の嵐 Storm of the Century(1999年)
- セル Cell(2016年)※日本公開は2017年2月[1]
- キャッスルロック CASTLE ROCK(2018年)
映像化作品
- マイケル・ジャクソン 「ヒストリー/ゴースト」(1997年)
映画
※太字表示されている作品はキング自らが脚本/監督を勤めたものである
- キャリー Carrie(1976年)
- シャイニング The Shining(1980年)
- クリープショー Creepshow(1982年)
- クジョー Cujo(1983年)
- デッドゾーン The Dead Zone(1983年)
- クリスティーン Christine(1983年)
- チルドレン・オブ・ザ・コーン Children of the Corn(1984年)
- 炎の少女チャーリー Firestarter(1984年)
- キャッツ・アイ Cat's Eye(1985年)
- 死霊の牙 Silver Bullet(1985年)
- 地獄のデビルトラック Maximum Overdrive(1986年)
- スタンド・バイ・ミー Stand by Me(1986年)
- クリープショー2/怨霊 Creepshow 2(1987年)
- バトルランナー The Running Man(1987年)
- ペット・セメタリー Pet Sematary(1989年)
- フロム・ザ・ダークサイド/3つの闇の物語 Tales from the Darkside: The Movie(1990年)
- 地下室の悪夢 Graveyard Shift(1990年)
- ミザリー Misery(1990年)
- IT It(1990年)
- スリープウォーカーズ Sleepwalkers(1992年)
- バーチャル・ウォーズ The Lawnmower Man(1992年)
- ダーク・ハーフ The Dark Half(1993年)
- ニードフル・シングス Needful Things(1994年)
- ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption(1994年)
- マングラー The Mangler(1995年)
- 黙秘 Dolores Claiborne(1995年)
- スティーヴン・キング/痩せゆく男 Thinner(1996年)
- スティーヴン・キング/ナイトフライヤー The Night Flier(1997年)
- ゴールデンボーイ Apt Pupil(1998年)
- グリーンマイル The Green Mile(1999年)
- アトランティスのこころ Hearts in Atlantis(2001年)
- ドリームキャッチャー Dreamcatcher(2003年)
- シークレット ウインドウ Secret Window(2004年)
- ライディング・ザ・ブレット Riding the Bullet(2004年)
- 1408号室 1408(2007年)
- ミスト The Mist(2007年)
- ドランのキャデラック Dolan's Cadillac(2009年)
- キャリー Carrie(2013年)
- ビッグ・ドライバー Big Driver(2014年)
- セル Cell(2016年)
- 1922 1922(2017年)
- IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 It(2017年)
- イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路- In the Tall Grass(2019年)
- IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 It Chapter Two(2019年)
- ドクター・スリープ Doctor Sleep(2019年)
- ペット・セメタリー Pet Sematary(2019年)
- 炎の少女チャーリー Firestarter (2022年)
- ハリガン氏の電話 Mr. Harrigan's Phone (2022年)
- セイラムズ・ロット Salem's Lot (2023年)
- ブギーマン The Boogeyman (2023年)
- マンハッタンの奇譚クラブ The Breathing Method (TBA)
- クリスティーン Christine (TBA)
- マイル81 Mile 81 (TBA)
- 死のロングウォーク The Long Walk (TBA)
テレビ
- 死霊伝説 Salem's Lot(1979年)
- フロム・ザ・ダークサイド
- 第1シーズン 第8話「神々のワード・プロセッサ」 Word Processor of the Gods(1985年)
- 第4シーズン 第9話「不幸のビデオ」 Sorry, Right Number(1987年)
- トワイライト・ゾーン 第1シーズン 第18話「おばあちゃん」 Gramma(1985年)
- IT IT(1990年)
- ザ・ムービング・フィンガー 第3シーズン 第24話「はいまわる指」 The Moving Finger(1990年)
- スティーブン・キングの ゴールデン・イヤーズ Stephen King's Golden Years(1991年)
- ブロス/やつらはときどき帰ってくる Sometimes They Come Back(1991年)
- トミーノッカーズ The Tommyknockers(1993年)
- ザ・スタンド The Stand(1994年)
- ランゴリアーズ The Langoliers(1995年)
- トラック Trucks(1997年)
- シャイニング The Shining(1997年)
- クイックシルバー Quicksilver Highway(1997年)
- 新アウターリミッツ 第3シーズン 第15話「ベッカ・ポールソン」 The Revelations of Becka Paulson(1997年)
- X-ファイル 第5シーズン 第107話「ドール」 Chinga(1998年)
- 悪魔の嵐 Storm of the Century(1999年)
- ローズ・レッド Rose Red(2003年)
- キャリー Carrie(2002年)
- デッド・ゾーン 第1シーズン第1話 「運命の紡ぎ車」、第2話 「この目に映るもの」 Wheel of Fortune, What It Seems(2002年)
- スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル Kingdom Hospital(2004年)
- 死霊伝説 セーラムズ・ロット Salem's Lot(2004年)
- スティーヴン・キング 8つの悪夢 Nightmares and Dreamscapes: From the Stories of Stephen King(2006年)
- デスペレーション Desperation(2006年)
- ヘイヴン -謎の潜む町- Haven(2010年 - 2015年)
- 11.22.63 11.22.63(2011年)
- アンダー・ザ・ドーム Under the Dome(2013年)
- ミスター・メルセデス Mr. Mercedes(2017年)
- ザ・ミスト (テレビドラマ) The Mist(2017年)
- キャッスルロック CASTLE ROCK(2018年)
- アウトサイダー The Outsider(2020年)
- ザ・スタンド The Stand(2020年)
- リーシーの物語 Lisey's Story(2021年)
- チャペルウェイト 呪われた系譜 CHAPELWAITE(2021年)
- ^ 1961年、14歳のときフォレスト・J・アッカーマン編集の『スペースメン』に短編 "The Killer" を投稿して、不採用になった。約20年後キングのサイン会にアッカーマンがこの原稿を持って現れ、キングを驚かせた。のちに、この短編は『フェイマス・モンスターズ・オブ・フィルムランド』1994年春号(#202)に掲載された。表紙には「キングの初めてのストーリー」とある。(画像)。キングもこれが初めての投稿作品であると『小説作法』で述べている。しかし14歳のキングが原稿に添えた手紙には「これまで2年間投稿している」とある(画像)。
- ^ "I Was a Teenage Grave Robber" 掲載時のタイトルは変更された。
- ^ キューブリック監督の『シャイニング』に不満だったから脚本を書いて出演までしたのだが、村上春樹『THE SCRAP』(文藝春秋1987年)によれば、「恐怖小説作家が真剣に恐怖とは何かと考えはじめたり、ユーモア小説作家が真剣にユーモアとは何かと考えはじめたりすると、物事はわりにまずい方向に流れちゃうみたいである」という。
- ^ “スティーヴン・キング原作・脚本のサバイバルホラー「セル」2017年2月公開”. 映画ナタリー. (2016年12月6日) 2016年12月6日閲覧。
固有名詞の分類
アメリカ合衆国の小説家 |
フェイ・ケラーマン ナサニエル・ホーソーン スティーヴン・キング ラングストン・ヒューズ ジャージ・コジンスキー |
ファンタジー作家 |
加地尚武 A・メリット スティーヴン・キング リン・カーター 山本弘 |
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