シンセサイザー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 01:11 UTC 版)
シンセサイズ方式の分類
加算合成、減算合成、・変調合成や、サンプリング音源、またはそれらの複合型など多数の方式が存在している。 アナログシンセサイザーの時代は減算合成が主流だったが、その後、デジタル技術の発展により、サンプリングしたデータを元に音を構築するPCM音源が主流となった。
名称
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概要 | |||
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減算合成 | 原波形の周波数スペクトルをフィルターで操作して音色合成する方式。 アナログシンセサイザーや、電子オルガンの多く、あるいはそれ以前の電子楽器の時代から多用されており、最新のデジタル音源/サンプリング音源/ソフトウェア音源でもこれを併用する事が多い。 | |||
減算型アナログ・シンセサイザー | 減算合成方式をアナログ音源技術で実現したシンセサイザーの事。しばしば「アナログ・シンセサイザー」と呼ばれ、下記の処理フローを暗黙の共通認識としている事が多い。
なおデジタルシンセサイザーでも、上記と同様な処理 (もしくは上記を連想させる操作インタフェース) を提供する製品がある。特にヴァーチャルアナログ音源では、回路特性や操作性も含めて上記処理のシミュレーションを提供している。 | |||
加算合成 | 複数の波形を重ねて音色を合成する方式。 | |||
倍音加算合成 | 倍音(整数次高調波)相当の正弦波を使った加算合成。 | |||
変調合成 | 各種の変調方式を応用した音響合成方式。 例えばFMシンセシスは周波数変調(FM)、PDシンセシスは位相変調(PM) の応用であり、両者を合わせ位相角変調と総称される。 | |||
FMシンセシス | 正弦波を別の正弦波で周波数変調し、倍音を制御する方式。 | |||
RCM音源 | PCM音源(AWM2) と フィルター付きFM音源(AFM) の 複合音源 (メーカ独自呼称)。 PCM側波形でFM側オペレータを変調できるのが特徴。 | |||
PDシンセシス | 任意波形の読出し速度を波形周期内で変化させ(位相変調)、倍音を変化させる方式 (メーカ独自呼称)。実装方式はFM合成と類似性があり、また得られる音はオシレータ・シンクと一部共通点を持つ。 | |||
サンプラー、 サンプリング音源/PCM音源 |
サンプリングした波形を基本音色として利用する方式。 | |||
ウェーブテーブル・シンセシス (Wavetable synthesis) |
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ヴェクター・シンセシス | ||||
グラニュラー・シンセシス (Granular synthesis) |
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LA音源 | LA音源の"LA"とは Linear Arithmetic(線形演算式)の略(メーカ独自呼称) [注 2]。ごく短いPCMサンプル音源と減算合成音源のデジタル・ハイブリッドで、後に登場したPCM音源の機能限定先行版に相当する。 | |||
モデリング合成 | ||||
物理モデル音源 (Physical modelling synthesis) |
楽器の発音機構や共鳴機構の物理モデルをDSP技術でシミュレートする方式。 | |||
Karplus-Strong algorithm | 短いノイズを高速でディレイさせて弦楽器のような音色を生成する。 | |||
Waveguide synthesis | ||||
Formant synthesis | ||||
バーチャルアナログ音源 | アナログシンセサイザーをDSP技術でシミュレートする方式。生楽器の再現を目的とした物理音源とは区別される。 | |||
クローンホイール | Hammond B3に代表されるトーンホイール式オルガンをシミュレートした音源。広義には倍音加算型音源のシミュレーションとも言える。 |
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